Twitterでも触れましたが、最近、東京都内ではA型肝炎の報告が増えています。 これは、A型肝炎の年間の報告数です。今年は特に多くて、まだ3月半ばというのに、例年の1年分くらいの報告が出ています。 週毎の報告数を見ると、今年に入って急増していることがはっきりと分かります。 A型肝炎は、食中毒として説明されることが多いです。具体的に言うと、原因のウイルスは感染者の便の中に含まれるので、汚染された食べ物や水を飲食することで感染します。そのため、A型肝炎が多い地域では食べ物
今年の梅毒報告数が1,000件を超えたという記事の中で,東京都と大阪府の梅毒報告数についても触れました(https://note.mu/timsun/n/n7e28d1773078)。 大阪府の梅毒報告数が急増しており,もうすぐ東京都に追いつきそうという内容です。ちなみに,グラフにするとこうなります。 ここで注意しないといけないのは,東京都の方が大阪府よりも人口が多い点です。wikipediaを見てみると,2017年10月1日時点での東京都の人口は13,742,906人。
B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)が原因で起こる病気です。輸血や注射針の使い回しによる感染が有名ですが、性行為でも感染します。 大人の場合、HBVに感染にすると発熱、関節痛、だるさ、黄疸(おうだん)などの症状が出ることがありますが、自然に治っていきます(急性肝炎と呼びます)。その後は「治った」に近い状態になることが多くいのですが、一部の人は肝炎が完全に治らないことがあります(慢性肝炎)。HBVに感染した大人の10〜20%が慢性肝炎に進むとされています。 慢性肝炎に進み、
「HIV検査で陽性の場合、本当にHIVに感染している可能性はどのくらいですか?」という質問は多いです。確かに、気になりますよね。 この場合の「HIV検査」というのは、「スクリーニング検査」と呼ばれる検査のことを指しています。HIV検査は通常二段構えになっていて、最初にスクリーニング検査を行って、HIVに感染している疑いのある人を見つけます。そして、感染の疑いのある人を対象にさらに詳しい検査をして、HIVに感染していると診断するのです。スクリーニング検査は感染の疑いがある人を
ここ数年、日本では梅毒が急増しています。今年に入ってもその勢いは衰えておらず、むしろ勢いを増しています。下のグラフは、今年1月1日から3月11日までの梅毒報告数と、過去6年間の同じ時期の報告数を比較したグラフです。右肩上がりで増え続けていることが分かります。そして、今年の梅毒報告数は3月前半の時点で1,000人を超えました。 都道府県別に見ると、東京都と大阪府が群を抜いて多いです。今年の報告数1042件のうち、東京都と大阪府からの報告数は合計で476件ですから、半数近くを占