祈りの秘儀

　自分の問題や悩みが解決されていないのに、人の手助けなどできない、というのは一面の真実です。なぜ一面なのでしょうか？それは自分の問題や悩みを抱えながらも、人の手助けをしている多くの人を知っているからです。

　自分のすべての問題や悩みが解決されないと人助けができない…というのであれば、誰も一生人助けなんてできません。なぜなら問題や悩みは、線路の枕木のように次から次へやってくるからです。

　上記に記した僕の知人たちは、問題や悩みを抱えつつも、それに飲み込まれていないのです。心が問題や悩みに押しつぶされて暗くなっていないのです。逆に心がそこから解放されて自由になっていて明るいのです。

　僕が仕えている教会は高砂教会といいます。教会に初めて来た人からこんなことを聞きます。「ここの人たちは何の悩みもない人たちなんだろうな。だからこんなに明るいんだろうな」と。違います。教会の人たちも大なり小なり問題を抱え、長期的に抱え続けている人もいます。でも彼らの心は諸問題に束縛されていないのです。束縛から解き放たれて自由な心でいられるので「何の問題もない人たち」と見えるだけです。心が解放されているので、人助けができるのです。実際、教会に初めて来た人が教会の人から個人的な問題を聞かされたときに、「そんな問題を抱えているのに、よくそんなに明るくいられるね。しかも人助けまでしている」といいます。

　大切なのは問題や悩みがあるかどうかでなく、心がそこから解放されているかとうかなのです。ではどうしたら、諸問題や悩みから心を自由にさせることができるのでしょうか？それは、神を信じ、神に祈ることです。

　旧約聖書の古事にこんなのがあります。イスラエルが周辺諸国の大軍に包囲されという事態がおこりました。時の王様はヨシャパテ王。王は敵軍を見たときに「負ける」と悟りました。そこで彼がした行動は、神に祈るという行動でした。国家の危機でしたので国民全員に祈ることを指示しました。するとどうなったでしょう。神からの言葉がやってきました。「この大軍のために恐れてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦いではなく、主の戦いだからである」。そうです！祈りを通して、この戦いは神の戦いに移行したのです。祈ることによって、ヨシャパテ王が何とかしなければならない問題が、神が何とかしなければならない問題になったのです。これが祈りのすごいところで
す。このことによってヨシャパテ王と国民はこの大問題から精神的に自由になり、適切な対応ができるようになり、神の奇跡もなされて戦いに勝利しました。

　教会の人たちが問題や悩みを抱えているのに、なぜ明るいのでしょうか？それは彼らが祈っているからです。祈ることによって、問題・悩みが神の問題・悩みに移行しているのです。だから精神的に自由になり、明るく元気に意欲的に人生に取り組み、さらに人助けまでできるのです。

　今あなたは問題や悩みを抱えていますか？そうなら、キリストを信じ祈ってください。祈らないと問題・悩みの移行は起こりません。どう祈ったらいいか分かりませんか？では教会にいらしてください。そうしたら分かります。祈ることによって、あなたは精神的に問題・悩みから自由になれます。自分の人生に心を注いで生きていくことができます。さらには人助けができる喜びを選び取れるようになります。

　キリストを信じ祈ることによって、人生を祝福のスパイラルに入れることができますよ。逆にキリストを無視し祈らないでいると、人生をどんどんマイナスのスパイラルに委ねていくことになってしまいます。あなたはどっちがいいですか？

＊＊参照聖句＊＊
ヤハジエルは言った、「ユダの人々、エルサレムの住民、およびヨシャパテ王よ、聞きなさい。主はあなたがたにこう仰せられる、『この大軍のために恐れてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦いではなく、主の戦いだからである。Ⅱ歴代誌20章15節