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使いやすいTimeTreeをずっと使いやすく。iOSエンジニアの「シンプルなコード」に込めた意思

こんにちは! TimeTreeで採用広報を担当しているCap(キャップ)と申します。発音は帽子の「キャップ」ではなくあだち充の「タッチ」でお願いします。

TimeTreeメンバーに話を聞いていくインタビューシリーズの第6弾。今回のゲストは2016年に入社されたiOSエンジニアのSion(シオン)です。

前回インタビューしたGuts(ガッツ)から「問題の解き方がシンプル」と絶賛されていたSion。そんな彼にニックネームの由来(TimeTreeではニックネーム制度を導入)や趣味であるというレトロゲーム、TimeTreeで今後目指したいことなど様々な話を伺いました。果たして「問題の解き方がシンプル」とはいかに。早速インタビューをどうぞ。

*前回のGutsのインタビューはこちら


琴線に触れるレトロゲームとチップチューン

──本日はよろしくお願いしますね。まずはSionのニックネームの由来から教えていただけますか。

実は僕のニックネーム、ちゃんとした理由がないんですよね。

──いいんですよ。すべてに意味を求めなくても。

前職のヤフー株式会社でTimeTreeの創業メンバーと一緒にカカオジャパンに出向したのですが、そこで全員ニックネームをつけることになったんです。で、自分のニックネームを考えて出したんですけど却下されて(笑)。

──(笑)。

というのもニックネームにはルールがあって、自分の本名と関係のないもにしなきゃいけなかったんですよ。それを知らなくて。僕以外のメンバーも全体的にダメだと言われてました。

──本名に近いとニックネームをつける意味が薄いですもんね。結局「さん」付けになってしまって、フラットな関係性になりにくいので。TimeTreeのニックネーム制度と同じですね

そうなんです。そこで本名と離れつつ、本名の「シンゴ」に近い音を探して「シオン」になりました。

──なるほど。

だからニックネームに意味はありません。けど、これは後付けなんですがSionの文字の中に「iOS」が入ってるんですよね。

──……おお! 本当ですね。「意味はないように見えて、実はiOSが入ってるんです」と言っていきましょう。

(笑)。

──じゃあ、続いての質問です。僕はSionって多趣味だと思っているのですが、何をしてるときが一番楽しいですか?

今で言うとレトロゲームですかね。僕が子どもの頃に遊んだ『ファミコン』、『スーパーファミコン』、『ゲームボーイ』とか、その辺のゲームをもっかい集めて遊ぶことにハマっています。ブックオフとかで中古ゲームが並んでいるところに行くとめっちゃテンションが上がります(笑)。

──ソフトだけが透明な袋に入れられてるやつですね。

そうです。あとはカセットだけ無造作にカゴに入れられてて、そこをディグるのも楽しいんです。

──レトロゲームにハマるきっかけってなんだったんですか?

もともとゲームが好きで、小学生の頃に『スーパーマリオ』や『くにおくんシリーズ』、『ロックマン』をやってたんです。その後、大学生時代にファミコンを中古で買い直してみたり、ロックマンを改めてプレイしてみたりしていました。

──なるほど、素養があったんですね。

そうですね(笑)。でも、社会人になって手放しちゃったんです。その後、実家に帰る機会があって、そこでずっと置きっぱなしになってた『ゲームボーイカラー』を見つけたんです。その『ゲームボーイ』はちょっと壊れてたんですが、調べたら自分で直せることがわかって、修理したら動くようになりました。そこからレトロゲーム熱が高まってきた感じですね。

──自分で直したんですか?

はい。画面が黒ずんでいたのですが、分解して液晶部分だけをきれいに張り直しました。あと、スピーカーも音が出なくなっていたので、スピーカーの部品を買ってはんだ付けで交換し音が出るようにしました。

──Sionは“ソフトウェア”エンジニアですよね?

です(笑)。そこまで高度なことはできないんですけど、簡単なはんだ付けぐらいだったらできます。電子工作を趣味でやっていた時期があるので。

Sionが修理した『ゲームボーイカラー』

──レトロゲームの何がそんなにSionの琴線にふれるんですかね?

昔から古いゲームのドット絵やゲーム音とかか好きで。チップチューン(ファミコンやゲームボーイなどに使用されていた音源チップを用いて作られる音楽のジャンル)とかも好きでよく聴いています。なので、あの時代の絵と音に僕が惹かれる何かがあるんですよね。

──あ〜なるほど。Sionが好きなPerfumeにも通ずるとこがありますね。

ありますね。

──おもしろい。あ、趣味の話でいうとアイドルの話はしなくて大丈夫ですか?

ものすごく長くなっちゃうのでやめておきます。

──(笑)。今一番熱中しているグループ名だけお伺いしても良いですか?

今はGirls²とLucky²っていう姉妹グループが好きです。好きになったきっかけは、もう終わっちゃったんですけど、日曜の朝に「ガールズ×戦士シリーズ」っていう、女の子向け特撮ドラマっていうのがあったんです。実写版『プリキュア』みたいな感じ。中学生ぐらいの女の子が主人公で、変身して戦うっていうやつなんですけど、それが6年6作品ぐらい続いてて、そこに出てた子たちがリアルで音楽グループを作ってデビューしたのがGirls²とLucky²なんですね。で、それを子どもと一緒に見てて、デビューしたっていうんでライブも行きたいと思って、子どもと一緒にライブも見に行ったりとかしてるうちに、自分のほうがハマってしまいました。

──いい話だ。

1人でライブに行ったりとかしてます(笑)。

シンプルなコードは後からやってくる

──ではここから少し真面目な話を。Sionはまず新卒でヤフー株式会社に入ったんですよね?

はい。

──そのときからエンジニアだったんですか?

そうですね。最初はソーシャルネット事業部っていうところに配属されまして、今はなき『Yahoo!メッセンジャー』の開発をやっていました。『Yahoo!メッセンジャー』って、要はパソコンの中で動くクライアントアプリケーションなのでWindows版とかMac版とかにわかれてるんですね。僕はそのMac版のローカライズ案件を担当していました。Macが好きだと公言してたら任せてもらった感じですね。

Mac版だけじゃなくて『Yahoo!メッセンジャー』のWebサイトみたいなのがあったのでそのフロントもやりました。あとはFlashで動くメッセンジャーみたいなのもやったりとかいろいろやってましたね。

──当時からMacが好きだったんですね。Sionは大学時代からエンジニアになりたかったんですか?

「将来エンジニアになろう」と明確に思ってたわけじゃないんですけど、なんとなくコンピューターが好きでした。大学の研究も遺伝的アルゴリズムっていう生物進化をモデルにしたシミュレーションの研究をやっていました。

──おもしろそう。

それとは別に、インターネットとかプログラミングにも興味があったので趣味で自分でサーバーを立ててみたり、そこで動くブログシステムを作ったりしていました。

──へええ。

そんな感じの大学生だったので、就職するってなったときにやっぱりインターネット関係がおもしろいだろうなと思い、いろいろ探してみてヤフーに入ったっていう感じですね。

──おもしろそうだと思い飛び込んだプログラミングの世界、実際やってみていかがでしたか?

やっぱ楽しいって思いました(笑)。

──すばらしい。

奥さんによく「仕事してるときも休みの日もやってること変わんないんね」って言われるんですよね。平日は会社の仕事でコードを書いてて、休日も自作アプリのコードを書いているので。

──コード狂人ですね。

「仕事の時と休みの時でPCの開いてる画面、何も変わらないね」って。なので、やっぱりこれが天職なんじゃないかなと思ったりはします。

──それは天職ですよ。コードを書いてるときは楽しいですか?

そうですね。

──どういうところが楽しいんですか?

頭の中にあるものが実際にコードにできて、しかもそれがすごく理路整然としたきれいなものになって、さらにそれがちゃんと意図したように動く、みたいなところに気持ちよさがある気がしますね。

──なるほど。前回のGutsインタビューで、Sionについて話してもらったんですけど、同業者から見たSionのすごさを聞いたら「問題の解き方がシンプル」と話してくれたんですよ。これかっこいいなと思ったんですが、コードをシンプルに書くコツみたいなものってあるんですか?

いきなりシンプルなコードにはならないんですよね。ああでもない、こうでもない、と書き直しながらだんだんシンプルなかたちに落とし込んでいける。悩みながら最終的に「あ、これだ、俺がやりたかったのはこれなんだ」というコードにたどり着くイメージですね。

──悩みながら書いていくうちに真理に近づいていくんですね。

そう。もともと考えていたよりも、ずっとシンプルにできることにあとから気づくんです。本当に必要なものは残るはずなんですよ。コードは書き方が無数にあって無駄な部分もいろいろ出てきてしまうのですが、「仕様という制限」と「やりたいこと」をすり合わせ突き詰めていくと、必要十分な要素だけを残してぐっとシンプルにできる。

──単に短いのではなく、必要な要素を満たした上でのシンプルさが大切なんですね。

そうですね。いつもそこまでいけるようにと思っています。

南極のペンギンに思いを馳せ、パフォーマンス改善をする

「変身ポーズをとってください」というオーダーに応えてくれ、「本当に変身してしまうのでは!?」と期待した一枚

──SionはヤフーからTimeTreeにやってきたんですよね。会社としてのTimeTreeに興味持ちはじめたきっかけを教えてもらえますか?

TimeTreeはもともと一緒に働いてた人たちがつくった会社なので、存在は立ち上げの頃から知っていました。アプリが出たときもSNSで見かけて、ダウンロードしてすぐ使ってみたりしていました。

──おお。アプリを触ってみてどう感じましたか?

CodeZineのインタビューでも話しましたが、最初は「Googleカレンダーでいいのでは?」と思っていたんですよね(笑)。けど、そこからFred(フレッド:CEO)から「iOS開発どうですか」と誘われ会社に遊びに行ったり、会社のメンバーとコミュニケーションをとっていく中で、TimeTreeが単にカレンダーを作ってるんじゃなくて予定管理のプラットフォームを作ろうとしていることを知って、その考えに共感できたんです。

──なるほど。

あと、僕は日常生活をよりよくするようなプロダクトに興味を持ちやすい人間で。個人で作ってるアプリも『ごみの日アラーム』という自分がごみの日を忘れないために作ったもので、そういう身近な問題解決みたいなのが好きなんですよね。だからTimeTreeの価値観ともマッチしていて、個人的にもいいタイミングだったのでTimeTreeにジョインしました。

──かなり会社としても早いタイミングでの入社だったと思うのですが、当時何人ぐらいいたんですか?

僕がたぶん15人目とか16人目とか、それぐらいの人数だったと思います。

──もう初期メンと言ってもいいぐらいの時期にご入社されたんですね。今は主にどういう仕事をやってるんですか?

今はTimeTreeの機能をよりブラッシュアップするための開発を行っています。直近だと「リアクション機能」の開発ですね。カレンダーを共有している相手が予定を作った際に通知が飛ぶのですが、その通知に対して「ありがとう」とか「いいね」といったリアクションができる機能を作りました。

──ユーザーさんが直接ふれる部分を作ってるんですね。

はい。そこは個人的にはすごくおもしろいと思っています。

──ご家族とかにも「ここ作ったんだよ」って言えますもんね。

そうですね。身近な人以外でもSNSでユーザーさんの声を聞けるのが嬉しいですね。あとTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)にブースを出展したんですが、そこでアイドルの方々が「めっちゃ使ってます!」って言ってくれたのがすごくうれしかったですね。

──それは本望ですね。

だからこそ、無駄のないコードでアプリを軽くて速いものにしたいんです。ちょっとしたリソースの無駄使いでも、何百万っていうデバイスの中で日々動いているので影響が大きくなるんです。よくコードをリファクタリングするときにTimeTreeのiOSチームで「南極のペンギンのために」と言ってるんですけど。

──南極のペンギン?

ようは、コードの無駄をはぶきアプリを軽くできると、その分消費電力を下げることになりますよね。それが5500万ユーザー分積み重なると、ひいては地球温暖化防止につながるのだと。

──ははあ。だからシンプルにやろうとしているんですね。

そう。そういうところまで想像してパフォーマンス改善に取り組んでいます。

まじめで愉快なiOSチーム

──Sionから見てTimeTreeのiOSチームはどんなチームですか?

アットホームなチームです(笑)。

──あやしいワードキタ!

本当なんです(笑)。ベースはみんなすごくまじめなんですが、遊び心があるっていうか、僕が変なことはじめてもみんなで楽しんでくれたり乗ってくれたり。そんな楽しい仲間たちが集まっているチームです。

──ベースがまじめってのはすごく感じますね。まじめな人たちがふざけてる感じ。愉快なiOSチームですが、緊急対応が生じた場合などシリアスな場面ではどのように動いているんですか?

みんな思いやりのある人たちなので、問題には協力して解決するように自然と動きます。インシデントのときはみんな自分のやってる作業をとりあえず止めて、オンラインで集まって話し合いますね。特にルールを決めているわけではありませんが「みんなで力を合わせて早く解決する」という感じでいつも動いてる感じです。

──「みんなで」がデフォルトなんですね。そうだ、チームの話に関連してSionってよくリファラルしてくれているイメージがあって。たしかiOSチームにも3人ぐらい誘ってくれてますよね。

そうですね。Bax(バックス)、Guts(ガッツ)、Funny(ファニー)の3人。厳密にいえばBaxは僕以外のメンバーの働きもありますが、その3名を紹介しました。

──会社に知人を紹介して入社してもらうってハードルが高いと思ってるんですが、Sionはそれを3回もやってて、なにかコツなどはあるのでしょうか?

やっぱりハードルはありますね。そんなに人づき合いがうまいほうじゃないので(笑)。

──そうなんですね。

基本的には、昔一緒に働いていた人で「また一緒に働きたいな」と思った人に声をかけています。僕はTimeTreeで働いていてめっちゃ楽しいので、そこは保証できるなと。入社して損はさせないぞって伝えてますね。

──ありがてえ……。誘い文句みたいなのがあるんですか?

誘い文句はないんですけど、自分が楽しく働いてる姿を見せるのが一番いいと思っていますね。なので、そういう姿を見せるのは意識してるかもしれないです。

『TimeTree』をずっと使いやすく

──TimeTreeを今後こういうふうにしたい、という野望があったら教えてください。

野望と言えるかは分かりませんがアプリ『TimeTree』をもっと使いやすくしていきたいです。「こんな新しい機能を作りました」っていうのはもちろん大事なんですけど、ユーザーさんが当たり前に使ってる機能を、当たり前に使いやすく使い続けられるようにすることもすごく大事だと思っています。

自分が力を発揮できるのってそういうところかなと思っているんです。今の使いやすい『TimeTree』をずっと使いやすくしていきたいです。

──ずっと使いやすい『TimeTree』、いいですね。

アプリって何もしないと壊れていくんですよ。ようはiOSのアップデートとかがあると、ほっとくと今まで動いてたものが動かなくなったりするんですよね。あとは、新しい機能を実装していく中でパフォーマンスが悪くなっていくこともあります。

それを今まで通り使いやすくするためにも、いろいろやり続けなきゃいけない。そういうところを抜かりなくやっていきたいですね。

──では最後に次のインタビュー受ける人を指名していただけますでしょうか。

AndroidエンジニアのKeith(キース)に話を聞いてほしいですね。

──Keithはどんな方なのでしょうか?

僕のイメージでは「静かな職人」って感じですよね。

──「静かな職人」。

そうですね。物作りに対する姿勢とか内に秘める熱いものがあって、自分と似たものを感じています。

──へええ。

めっちゃいいやつですよ。あと『SONIC MANIA』にも行ってましたね。僕もその時行ったのですが、会場で会いませんでした(笑)。

──プチ情報(笑)。では次はKeithに話を聞いてみたいと思います! Sion本日はありがとうございました!

ありがとうございました!



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