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10年誇れるTimeTreeをこの先も。創業Androidエンジニアが大切にする「想像だけで作らない」の意味

こんにちは! TimeTreeで採用PRを担当しているCap(キャップ)と申します。発音は帽子の「キャップ」ではなくあだち充の「タッチ」でお願いします。

TimeTreeメンバーに話を聞いていくインタビューシリーズの第8弾。今回登場してもらうのはAndroidエンジニアであり創業メンバーでもあるHal(ハル)です。

前回インタビューしたKeith(キース)から「縁の下の力持ち」「スーパーエンジニア」と称されていたHal。そんな彼にニックネームの由来(TimeTreeではニックネーム制度を導入)や趣味であるという『ゆっくり解説』視聴、仕事のやりがい、TimeTreeで目指したいことなど様々な話を伺いました。果たして「スーパーエンジニア」たるゆえんとは。早速インタビューをどうぞ。

*前回のKeithのインタビューはこちら



『ゆっくり解説』で得られる知見が好き

──さっそくなんですけど、Halのニックネームの由来からお伺いしていいですか。

特に理由はないんですよね……。会社からニックネームを求められ、英語の名前を調べたらたくさん候補が出てきて。そこで「何度も入力するので一番短いのにしよう」と考えHalにしました。

──短さを基準にして選んだんですね。

そうです。何度も入力すると思ったので

──短さを基準にすると候補は他にもあると思うのですが、どうしてHalにしたんですか?

入力するときに左右順番に打つ方がはやいじゃないですか。「H」「A」「L」だと「右」「左」「右」なのでタタタっと打てるんです。

──短くて打ちやすい。それが「Hal」なんですね。

そうなんです(笑)。今でこそニックネーム制度に慣れていますが、Capは最初ニックネーム制度をどう思いました?

──僕はやったことなかったので正直「う〜ん」と思っていましたね。

自分も最初は何だこれ!? と思いました。けど、やってみると上下の関係性みたいなものがなくなってすごく良い制度だと今は思っています。

この記事を読んでくれている人の中にも「TimeTree、ニックネーム文化かよ〜」みたいな人もいらっしゃると思うんですよ。ただ、いざ使いはじめてみれば慣れるし良いものなので安心してほしいですね。

──ニックネーム制度についてフォローしてもらったのはじめてです。ありがとうございます。

いえいえ(笑)。

──もうひとつ仕事以外の話を聞かせてください。Halは何をしている時が楽しいですか?

楽しい時ですか……。趣味の話と仕事の話がありますね。まず趣味の話からすると……。この会社って趣味にのめり込んでいる人が多くて、だからこれが趣味です、って言いづらいのですが。

──好きなものは胸をはって好きって言えば良いんですよ。

(笑)。最近ずっとハマってるのはYouTubeの『るーいのゆっくり科学』というゆっくり解説のYouTubeチャンネルです。

──どんなチャンネルなんですか?

むずかしいテーマをわかりやすく解説しているチャンネルで、めちゃくちゃ良いんですよ。

例えば数学の知識がなくても相対性理論の概要がつかめたり、「人間って意識が本当にあるの?」みたいな難解な内容も図解を駆使してわかりやすく説明してくれるので、その点が気に入っています。

──Halは知的好奇心が旺盛ですね。

雑学が好きなんですよね。何に役立つってわけじゃないんですけど、知ることが楽しいです。

──では仕事での「楽しいとき」も教えてもらえますか?

プロトタイプを作ってるのが一番楽しいですね。もうこれだったら何時間でも集中できます。

──プロトタイプ作り。

そうです。なにか新しい機能を追加しようとすると、チームを巻き込んで大変な作業になるじゃないですか。TimeTreeはユーザー数も6,000万人と膨大なのでなおさらです。なので自分で小さくプロトタイプを作ることがあって、それが楽しいんですよね。

すでにあるもので活用できるものは活用します。例えばバックエンド自体が既にあるのであればそれを裏側にしたりして。そういうのを考えて、とりあえず実装して、手でさわれるようにするのが好きです。

──どの瞬間に一番熱量が上がるんですか? 作ってるときなのか、完成したときなのか、それとも完成したものを触っているときなのか

作ったものが動いてるときですかね。机上の空論にするのではなく、触って体験し「本当にユーザーさんはこれを使ってくれるのか?」と検証するのが楽しいです。

祖父から父へ。父から子へ。受け継がれるものづくりの意思

──エンジニアになろうと思ったきっかけをお伺いしてもいいですか?

学生の頃に『ラグナロクオンライン』っていうゲームにめちゃめちゃハマってて、人生を捧げてたんですね。

──いささか不安な人生の捧げ方ですね。

そのゲームでギルドのホームページを作ったんですよ。それがきっかけと言えばきっかけですね。当時ブログも流行っていたので、ブログのテンプレートを作って配布したりもしてて、「デザインって楽しい!」と感じるようになりました。

その後就活する時期になり、受けようとした会社でWebデザイナー職があったのですが、募集要項を見ると専門的に学んできた学生じゃないと応募できないと書いてあって。そこで仕方なく少し興味のあったエンジニア職に応募しエンジニアになりました。

──最初はWebデザイナーになりたかったんですね。

そうなんですよ。だけど、デザインがうまい人ってセンスがあると思っていて、自分にはそれがないと感じていました。当時から自分のデザイン力に限界を感じていて。それもあってエンジニアとして応募しました。

──学生時代から限界を感じていたんですか?

感じていましたね。大学時代に友達からECサイトのデザインをしてほしいと頼まれてやってみたんですけど、納得いくものができなくて。そもそも経験もなく良いデザインをするのはむずしいとは思うのですが、その時にやっぱりセンスってあるんだなと感じました。

──なるほどな。なんというか、インターネットやその周辺領域への興味を持つのが早かったんですね。

そうですね。うちの兄がパソコン好きだったんですよ。当時ゲームのデータを改造するのが流行ってて、セーブデータをいじって自キャラをめっちゃ強くしたりしていました。そういうメモリの書き換えとかを兄者(あにじゃ)が、あ、兄のこと「兄者」って呼んでるんですけど。

──めちゃくちゃいいですね。

兄者がやってて、その影響で自分もパソコンをさわりはじめました。兄者は趣味でコードを書いていて師匠的な存在です。今は仕事ではそういったことはやってないんですけど、エンジニアとして尊敬しています。

──いい話ですね。もしかしてご両親も何かつくる職業だったりしますか?

父親は車のエンジニアです。

──おお。ものづくりの血筋なんですね。

たしかに。そう言われてみると祖父は大工でしたね。

──すごい。時代にあわせて作るものが変わってきてるのもいいですね。

(笑)。そうかもしれない。


スーパーエンジニアってどういうこと?

──エンジニアとして働きはじめていかがでしたか?

デザインに興味を持っていたのもあり、目で見えるものを作りたかったのでフロントエンドを志望していたんですけど、最初の配属はごりごりのバックエンドで。C++でユーザーさんから見えないところの開発をやっていました。もちろんとても大切な部分ではあるのですが、やりたいこととは離れた仕事をやっていたんです。

その後社内で新しいアプリを複数立ち上げることになり、上司の計らいもあってAndroid開発者として参加させてもらえることになりました。

──はじめてのAndroid開発はどのような体験でした? 素人からすると開発言語が変わると大変そうに思えるのですが。

そうですね。書くコードが違うので最初は慣れが必要でしたが、めちゃくちゃ大変だった記憶はないですね。1言語書ける人は、ほかの言語も書きやすいと思います。ゼロからのスタートじゃないというか。

なので、例えばバックエンドを極めている人だったら、Androidに入ってきたとしても1カ月ぐらいで書けるようになるんじゃないでしょうか。実際TimeTreeでもフロントエンドとして入社し、今はバックエンドとして活躍している人もいらっしゃいますしね。

──たしかにそうですね。そうだ、Halを紹介してくれたKeithが「Halは何でもできるスーパーエンジニアです」と紹介してくれたんですが、それを聞いていかがでしょうか?

いや、まったく自覚はないですね。

──(笑)

今バックエンド書けって言われたら不安しかないです。けどKeithからそう言われるのはすごくうれしいですね。

──Keithの話だとエンジニアリングだけじゃなくて社内イベントの時は自前のカメラで写真も撮ってくれるし、ユーザーさんを呼んだイベントでは音響周りも担当してくれるし、活動の幅がすごいって話をしてくれたんですよね。

興味の幅は割と広いかもしれません。例えばオフィスのネットワーク関連も最初自分が構築していました。ただ、人数が増えてきてWi-Fiが不安定になってしまって手に負えず、プロの力におまかせすることにしました。知識は広く浅くなのですが、いろいろ手を出すのが好きです。

ネガティブな意見も「知見」だから

──HalはTimeTree創業メンバーのひとりですよね。もう10年も昔の話なので思い出すのもむずかしいと思うのですが、創業の経緯を話してもらえますか?

経緯はうまく話せる自信がないのですが、きっかけみたいな話でよければ。前職でアプリを作っていて、ユーザー数も順調に伸びている良いサービスだったんです。チームも信頼できるメンバーがそろっていました。

ですが、そのアプリが終了することになり、チームも解散することになったんです。個人的にさみしい気持ちもあったタイミングでFred(CEO)から「会社を一緒につくらないか?」と声をかけてもらったのがきっかけです。5人で創業しました。

──起業ってなかなか心理的なハードルが高いと思うのですが、なにがHalにOKを出させたんですかね?

もともと一度会社をつくってみたいと思っていたのが大きいですね。チームメンバーも素晴らしくてこんなタイミングはないなと。大きな不安もなかったです。

──会社を立ち上げてみていかがでしたか?

楽しかったです。最初はサークルみたいな感じで。オフィスも自分たちで作ったんですよ。机を組み立てて、棚を組み立てて。

──創業時の印象深い思い出はありますか? 

むずかしいですね……。ちょっと今「コレ!」っていうのが思い出せないです。

──意見の違いから殴り合いに発展し、拳と拳で理解し合いながら、最終的に肩を組んで夕陽を眺めたこととか。

ないですね(笑)。

──ないですか……。Halは創業時からAndroidエンジニアなんですよね?

そうですね。創業から今までずっとAndroid開発に携わっています。今はTimeTreeの共有カレンダー開発をメインにやっていて、最近だと新着アクティビティにリアクションをつけられる機能の開発をやってたりしています。

──仕事は楽しいですか?

楽しいですよ(笑)。ユーザーさんからフィードバックをいただけたときは、その意見がポジティブなものでもネガティブなものでも楽しいです。自分が想像していたものと違う反応がきたときは楽しいですね。新しい知見なので。

──自分の想定外の意見がきたとき。

はい。『ゆっくり解説』と一緒です。新しい知見が得られるとうれしいんです。

──ネガティブな意見であってもそれを素直に知見として吸収できるのはすごいですね。

実験的な機能をリリースする時は、想定通りのリアクションが返ってくるよりも予想と違った意見の方が参考になることが多いし、個人的にもおもしろいんですよね。

──TimeTreeで開発をやってきて、一番の知見をあげるとするとなんでしょうか?

そういうのをデータやドキュメントとして溜めておきたいんですけど、できてないんですよね……。得てきた知見って自分の中に溜まっていって、いろいろ混ざってもう何がどの知見だったかわからなくなっています。

どこで得た知見かはもうわからないけど、間違いなく自分の中に溜まっていて、アウトプットするものに影響を与えていると思います。

──Halの中にたくさんの知見が沈殿してて、それらが混ざり合っているからもう個別として取り出せないんですね。

はい。けどもったいないとも思っていて。TimeTreeも10年そういうものを蓄積してきているはずなのですが、まとまってるものが多くないんです。この施策をやったらKPIがこれだけ上がって、こういう反応があったみたいな。

──たしかにこれまでの知見が溜まっていると良さそうですね。

知見のデータベース作りたいです。

6,000万ユーザーが触れるサービス開発をするやりがい

──TimeTreeで開発に携わるやりがいをお伺いしたいです。

まずは先ほどの知見の話でもありますが、ユーザーさんからたくさんのフィードバックをもらえることですね。登録ユーザー数が6,000万のアプリって国内ではそんなに多くないと思うので。自分が作ったものを世界中のユーザーさんに使ってもらえる体験は間違いなくやりがいにつながっています。

TimeTreeの組織としての特徴だと思うのですが、エンジニアが企画段階からゴリゴリに関わっていくじゃないですか。だから自分の意見がプロダクトに影響を与えられる。それもかなりやりがいになっていると思います。

あとは、TimeTreeには自分よりも業務知識が豊富な人がたくさんいて、知見をすごく吸収できるのもいいところですね。自分が所属するAndroidチームでもそれをすごく感じます。

──知見を溜めたい人からしたらすごくいい環境なんですね。

そうなんです。

──TimeTreeで働く魅力をエンジニアの方にお伺いすると、企画から参加できることのやりがいを同じように聞くのですが、やはり良い体験なんですね

良いですね。組織によってはPdMが機能を定義して、デザイナーがデザインを作って、決まったものをエンジニアがそのまま作る、といったプロセスをとっていることも多いと思います。

TimeTreeでは、PdMやデザイナーと直接話して開発していく。だから開発体験として全然違うものですね。

──そういった意味で「俺はコードだけを書きたいんだ!」っていうタイプの方はカルチャーマッチしない可能性が高そうですね。

そうかも。分業をちゃんとして、決められた自分の仕事に専念したい人は合わないかもしれません。企画やUI・UXへの興味があって、自分の意見がある方はそれがプロダクトに反映されていくので、より楽しく仕事ができると思います。

──HalのいるAndroidチームはどんなチームなんですか?

落ち着いた雰囲気ですね。チームでの話し合いに参加してもらうとわかると思うのですが、みんな大人な感じです。あとは、個々の馬力がすごくあって、それぞれ特徴があります。

デザインに精通した人、開発がめっちゃ早い人、導入された技術をいち早く自分で使ってチーム内に広めてくれる人、などなど。それぞれにいいところがあって、よい影響を与え合ってると思います。

──いいですね。

最近、『Androidチームデイ』という月1で集まる日があるのですが、自分はそこでやるボードゲームを楽しみに仕事をしてます。

TimeTreeをずっと「良いサービス」だと誇れるように

──TimeTreeを今後こういうふうにしていきたい、みたいなものがあったら教えてください。

TimeTreeが良いサービスだとずっと自信を持って言えるプロダクトにしていきたいし、続けていきたいと思っています。会社の創業から10年やってきて、プロダクトに誇りを持ち続けているってすごいことだと思ってるんですよ。

自分たちが作っているプロダクトを良いものだと思えていないと、作ってても楽しくないと思うんです。だからこれからも仕事を楽しむために「良いサービスを作ってる」と自信を持って言えるようにしていきたいです。

──そう思い続けるためには何が必要でしょうか。もしくは「ここは変えちゃいけない」みたいなものってあったりしますか?

やっぱり想像だけで作らないことですかね。例えば、チームメンバーが誰も使わない機能なのに、ユーザーさんだったらこう使ってくれるだろうと想像して作っても絶対使われないんですよ。

ただむずかしいのが、チーム全員の意見が反映された機能を作っても、結局だれにも刺さらない機能になってしまう可能性もあります。個人的には、チームメンバー誰か1人が「これは絶対いける!」と自信を持って言えるものを作ることが大切だと思っています。

──なるほど。プロトタイピングをするのはユーザーさんのことを勝手に想像しないようにするためでもあるんですね。

そうかもしれない。頭の中だけじゃやっぱり限界があるので、実際に目で見て手で触れるものを作る。その体験を通してでしかわからないことがあるので。

──想像力を抑制するためのプロトタイピング、良い話ですね。では、最後の質問です。このインタビューはバトン形式でして、次にインタビューしてほしい人を教えてもらえますか?

何名か候補を思いつくのですが、今思いついたのは同じAndroidエンジニアのRing(リング)にお願いしたいです。エンジニアとしても人としても素晴らしい方です。

──Ringのどんなところが素晴らしいのでしょうか。

たぶんですけど、Ringも知見が大好きな人だと思ってるんですよ。いろんな知識を得るのが好きなタイプで、だからメンバーにいろんな質問をしてくれます。

いわゆる一般的なAndroidの技術だけじゃなくて、TimeTreeの中の技術に関しても興味を持ってくれていて、そういうところが素晴らしいと思っています。あと、技術ブログも書いてくれたりイベントに登壇してくれたり、そういった姿勢も素敵です。

──情報発信の部分では僕もお世話になっていて、素敵な人だと思っています。

一緒に飲んだ時にすごく気遣いをしてくださる人だとも思いました。ツッコミが欲しい時にちゃんとツッコミを入れてくれたり。

──(笑)。では次はRingにインタビューしたいと思います。Hal本日はありがとうございました!

ありがとうございました!



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