フランス・ポスター画家の巨匠・レイモン・サヴィニャック
1951年、トブラーチョコレートの広告に使われたイラスト
チョコレートをべったりつけたこの男の子の顔に見覚えはないでしょうか?見ているだけでハッピーになれるイラストを描き、エールフランスやルノーなどの世界的企業の広告を次々と手がけたのはフランス・パリ生まれのイラストレーター、レイモン・サヴィニャックです。
ユーモアにあふれた愛らしいイラスト
フランスのポスター作家、レイモン・サヴィニャックのイラストはシンプルでユーモアにあふれ、フランス国民に愛されました。「フォルムは網膜を刺激する。アイデアは頭脳とハートを直撃する」という彼の言葉どおり、数々のポスターは必ず心に残るものでした。
フランス国内でわんちゃんの飼い主たちにマナーをよびかけた広告
羊をモチーフにした毛糸の広告
1962年のフランス映画「わんぱく戦争」(イヴ・ロベール監督)のポスターがモチーフになったマグカップ。原作はルイ・ペルゴーの小説「ボタン戦争」。
1953年、ドップ(DOP)という石鹸の広告
イラスト広告で一世を風靡したサヴィニャック
1907年パリ生まれのポスター画家。
アールデコの巨匠・カッサンドルの設立した「アリアンス・グラフィック」でカッサンドルの指導のもとポスターを描き始めました。
1949年モンサヴォン社の牛乳入り石鹸の広告で成功をおさめて以来、エールフランスやミシュランなどフランスの大手メーカーの広告を手掛け、フランスを代表するポスター画家の地位を確立していました。
1979年にノルマンディーの海岸リゾート地トルーヴィル・シュル・メールに移住。市内のヴィラ・モンテベロ美術館 にはポスターや絵ハガキ、リトグラフが収蔵されています。
2002年、94歳で惜しまれつつ天国へ旅立って行きました。
日本でもファンが多い
日本では森永やとしまえん、スーパーのライフ、ダンロップの広告を手掛けており、ある世代以上になると見たことがある方もいらっしゃると思います。企業や商品のメッセージをユーモラスに、単純かつ明快に伝えた姿勢は現代の広告作りにも通用する本質が隠されているのではないでしょうか。自分が面白くてワクワクするものではないと人を喜ばせることはできない。とサヴィニャックは教えてくれています。
参考文献
「レイモン・サヴィニャック自伝」橋本順一翻訳