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視点提供録 vol.801:真の一元論

今日4月8日はお釈迦様の誕生日です。例年、「花祭り」が行われていますが、今年は行われていないところが多いと思います。来年は開催できるようになってほしいものです。

私が心掛けている考え方の1つに「一元論」があります。一言で言うと、「『あなた』と『私』を分けない」と言えると思います。2019年の流行語大賞に「ONE TEAM」という言葉が選ばれましたが、このイメージです。対語に「二元論」があります。こちらを一言で表すと、「『あなた』と『私』を分ける」と表せると思います。この2つを比べると、わかりやすいと思います。

私はこのような哲学の話が好きなので、このような本を読んだり成功されている方のSNSを読んだりします。でも、ときどき「『ONE TEAM』を大切にしていると言う割はちょっと違うかも・・・」と思うこともあります。マインドセットを説く本や、成功本には「ポジティブ」「前向き」「親日」といった言葉が多く並んでいるように思います。そして、「これじゃなきゃダメだよ」という論調が見受けられることもあります。正確には、私が感じているだけかもしれませんが。たしかに、「ネガティブよりはポジティブの人と居たい」し、「後向きな人より前向きな人と居たい」し、「反日の人より親日の人と居たい」という氣持ちはわかります。ただ、「この考え方しかダメだよ」は「一元論」とは言えないように思います。なぜなら「そうじゃない考え方の人はダメだよ」という「二元論」になっているから。

現実的に、人はポジティブなときも、ネガティブなときもあることでしょう。前向きになれるときも、なれないときもあることでしょう。仕事柄、「100点が当たり前だから褒められることはなく、100点未満を取ると足りなかったところを指摘される」ため、なかなか前向きになれないときもあります。それでも、「コイツはいつもネガティブだから接するのやめよう」ではなく「ネガティブが多いけど、受入れよう」が一元論的精神ではないかと思います。

ただ、ここで「二元論の人はダメ」というと、またこれも一元論ではない。「一元論の人も二元論の人も受入れる」が真の一元論の精神なのかと思うのです。