デザインプリンシパルを誰にでもわかりやすくするために、抽象的な「Fun」の部分を具体化して認識合わせをした話
こんにちは。Timersデザイナーのmifuです。実は今日誕生日で、25歳になりました✌️
今回は、Timersが運営するFammブランドのデザインプリンシパル「Fun on Minimal」のFunの部分をより詳しく、メンバーの誰でもわかるし誰でも「FammのFunってこういうのだよね!」と言えるように具体化して、言葉に落としたフローをご紹介します。
Fun on Minimalというデザインプリンシパル
Fammが始まってもう7年。
家族の写真共有アプリ「Famm」、家族向け無料撮影会の「Famm無料撮影会」、ママ向けデザインスクール「Fammスクール」、出張撮影サービス「Famm出張撮影」、年賀状アプリ「Famm年賀状」、FammからToB向けにアシスタントを紹介する「Fammアシスタントオンライン」、そして今年4月リリースの新作アプリ「Fammプリント」。
Fammという名前を冠するサービスがたくさん増え、Fammブランド、Fammのエコシステムを作ってきました。
そんな、Fammという名前のつくもの全てに通づるデザインの原則、デザインプリンシパルが「Fun on Minimal」です。
Funって何よ!?という課題
アプリのUIならわかりやすいのですが、FammではアプリだけではなくWebサイト、チラシや手に取れるプロダクトまで幅広い用途にデザインが求められます。
その結果こんな疑問がずーーーーっと課題として残っていました
そう、名付けるなら
こうです!!!😭
具体化したもの、4つの要素
私たちは、その課題に真っ向から勝負を挑みました🔥🤺
そして見つけた、Funを構成する要素。その4つをご紹介します。
幸せを感じるデザイン
楽しいと感じるデザイン
洗練されているデザイン
柔らかさのあるデザイン
使い方
本題とずれるのでサラッとご紹介するのですが、4つの要素全てを纏うデザインをしなければならないわけではありません。
そのクリエイティブが置かれる環境や目的に合わせてバランスをとることが大切です。
例えば、Fammの公式サイトでは、幸せを感じられ、洗練されたデザインがメインです。
下記の図は、横のラインは同じ情報のバナーですが縦のラインの各要素を纏わせることで全然違うデザインができることを表しています。面白いですよね!
楽しい要素を強めたい場合は色をたくさん使い、洗練された雰囲気にしたい場合は白やグレーがメインになるように調整しています。
これを作るに至るまで
課題は「FUN定義広すぎ問題」です。
1. だれのための具体化なのかを考える
デザイン原則である「Fun on Minimal」はデザイナーだけのものではありません。Fammブランドに関わるメンバー全員が、Fammブランドを作っています。これは私たちTimersのカルチャーの一つ、Brandにも通づるものです。
そのため、Funの要素が誰にとってもわかりやすくある必要がありました。
2. ビジュアルカタログを作り、共通項を洗い出す
まずは今まで作ったクリエイティブを、UI、グラフィック問わずバババッと集めてみました。
今まであった暗黙のルールも合わせて並べました。例えば、
子ども関連はパステルよりも強気の色割り
school関係ははピンクと水色が多めだし、独自のカラーパレットを使っている
彩度はめちゃくちゃ高いわけではない
黒は #404040
手書きではなく図形
などなどです。そして、その逆の理由も考えてみました。
「なんで彩度が高い色をつかわないの?」とかです。
3. 「Fun」以外の言葉で表すとなんだろう?
次に、Fun類語マッピングをしてみました。
辞書で「Fun」を引き、関連する言葉を並べ、その言葉に関連する言葉をまた並べていきました。
その中から、FammのFunに近いものを抜粋しました
また、日本カラーデザイン研究所さんが出している言葉や色に基づくイメージのチャートから、上記で見つけた言葉をマッピング。
柔らかさがあり、温かみがあるよう。👀
4. 草案の完成
この言葉たちを集め、集計すると以下の6つになりました。
いや待って、おしゃれって何!?😨と言われ…
5. 「おしゃれ」を定義する
おしゃれを定義するため、雑誌、ファッション、顔タイプ、インテリアのマトリックスをかき集め、Fammを利用するママに人気そうなものを探しました。
おしゃれって人それぞれだもん。
「おしゃれ」の認識をデザイナーとCEO、CTOで合わせることはできました。
しかし、上記以外のメンバーと「おしゃれ」の認識を合わせる作業が毎回発生するのはガイドラインとして適切じゃない(Funって何👉おしゃれの要素があるよ👉おしゃれって何👉おしゃれって言うのは〜という具体化の具体化が必要になる)ため、「洗練された」になりました。
6. 全ての要素を纏わなくていい、シチュエーションに合わせて強弱をつけるべきだという発見
週1で1hのmtgをCEOと開催する、その間になんとしても「出荷できる」と納得できるレベルのアウトプットを出さなければいけない…その思いに駆られていたところ、夢でポケモンを育てていて(?)要素の強さをチャートにしたらいいんじゃない!?とひらめきました💡⚡️
そうすると、CEO、CTO、デザイナーから合意をもらうことができました。
7. ルールは少なければ少ないほどいい。削る作業
Timers、Fammのデザインプリンシパル、Fun on Minimalは、ルールやガイドラインを作る時にも活躍します。
人はたくさんルールがあっても覚えられない。だから、必要最低限のルールにとどめるべきだ。
ということで、ルールもミニマルです。
6つの要素は、覚えるにも使うにも多すぎる。
かぶっているものがあれば削った方がわかりやすいんじゃないの?ということで、カラフルと明るいは楽しいに統合され、4つになりました。
布教活動
最初の方で書いた通り、デザインプリンシパルもガイドラインも、全部みんなのものです。
そのため、みんなに知ってもらう活動をしなければ始まりません。
今回のFammのFunについては、月1回行われているVision共有会という全社mtgで発表しました。
このnoteも、地味にTimers社員が読んでくれているので、成り立ちも知って欲しいということで記している、布教活動も兼ねています。
一番大事なことは、FammのFunを好きでいてもらえるようにすること
ユーザーも、Timersメンバーも、FammのFunを好きになってもらいたい。
メンバーに共感してもらうことが、Fammブランドの楽しさを体現してもらう一番の近道だと思っています。
そのためにデザイナーは、Fun on Minimalの番人として、そして先駆者として、一番FammのFunを考え、そして楽しめることが重要です。
みんなに好きでいてもらえるように、これからもFunなクリエイティブを作り続けます。
最後に
だいぶ長く書きましたが、お読みいただきありがとうございました。
Vision共有会のために作ったスライドもありますし、デザインイベントで登壇してみたいなと思っているので、もし興味を持っていただければ是非ご連絡ください。
このnoteがお役に立てば幸いです。ありがとうございました🌟