金メダルよりもすごい、挑戦者としての羽生選手と平野選手
オリンピックで金メダルよりも最高の表現を目指す。前人未踏の4回転アクセルとトリプルコークに挑戦した2選手はメダル以上の印象を残した。
羽生選手の挑んだ4回転アクセル
フィギュアスケートのジャンプの種類の中でも最も難易度の高いアクセルジャンプで4回転する。オリンピックでの成功者は不在。
平野選手の挑んだトリプルコーク1440
スノーボードハーフパイプで、空中で縦に3回転、横に4回転。
着地でミスをしたら次につながらないリスクがある大技。
オリンピックでの成功者は不在。
羽生選手の挑戦
ルッツよりも難易度の高いアクセルで飛んでも4回転になると基礎点で比べて1点しか変わらない(3回転はルッツよりも2.1点高い)。羽生選手本人も、日本代表に決まったときのインタビューで、「4回転半というものへのこだわりを捨てて、勝ちにいくのであれば、他の選択肢もいろいろあるとは思います」と話していた。それでも4回転アクセルに挑戦し続け、本番では転倒したものの回転不足との認定。羽生選手は、オリンピックで4回転アクセルを飛んだ初の選手として記録された(結果4位)。
平野選手の挑戦
金メダルが期待された平野選手。オリンピック前、メダルを取りに行くとは一言も話さず、「敵は選手ではない。おのれである」「そこに自分にしかできない道を歩んだ結果の夢である」と話していた。
スノーボードの決勝では3回競技した最高点で決まる。平野選手は本番でトリプルコーク1440に1回目から挑戦。1回目は途中転倒で終わり、2回目は点数が伸びず、3回目で高得点を決めた(結果逆転1位)。
2人の共通点
そのスポーツでの最高地点を目指せば結果もついてくる。人から与えられるメダルに目標をあわせるのではなく、自分の望む最高に向けて尽力する。羽生選手も平野選手も、最高地点を目指して挑戦し続ける日本人選手の姿勢を世界に印象づけた。この挑戦は、メダルよりもインパクトがある。この姿勢に刺激を受けた選手や観客が自ら挑戦を始めたとき、2人の名前はどの金メダリストよりも歴史に残されることになるだろう。
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