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ユキヒョウなのに実は白くない
ユキヒョウという名前から漠然と白い豹柄をイメージする人が多いようです。実際、写真で見るユキヒョウは白っぽく見えます。ユキヒョウのユキはもちろん積雪地帯に棲むからですが、ベースの色は実は白ではなくベージュ=アースカラー=砂や岩の色なのです。一部が欠けた楕円のような模様が入った独特のヒョウ柄です。それが相まって山肌で強い迷彩効果を発揮します。
この写真の毛色が実物に近いです。これぐらい茶系なのです。(尾はニシキヘビみたいです)
山岳地帯での迷彩効果
ユキヒョウが棲むアジアの3000~6000m級の不毛な山岳地帯は禿げた土地や石、土、岩場ばかりの場所です。隠れ場所も少なく、狙った獲物に見つからないためには、周囲の景色にうまく溶け込んで獲物が油断するのを待つことになります。良く知られるように、ネコ科の動物は敵に察知されないために体臭もほとんどありません。
わかりにくいかもしれませんが、下の写真、よく見ると景色の中に見事に溶け込んで潜んでいるのです。どこにいるかわかりますか。
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答えはこちら。人間が気づくのは難しいでしょう。上に積もっている雪と比較してみてください。"ユキヒョウ" なのに白くないのがよくわかります。
image credit: Inger Vandyke
アルタイ山脈で野生のユキヒョウを見つけることができたら感動するでしょう。