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IT業界未開の地方でエンジニアを生み出す方法【タイムカプセル大学 Vol.11】


ーータイムカプセルは全国各地の「地方」と呼ばれるエリアに拠点がありますが、IT企業の地方進出はまだ一般的ではないように思います。その「地方」におけるIT企業への認識や受け入れに関して、実際にアイザワさんが感じられていることはありますか?

まず普段は「地域」というキーワードを使っていますが、皆さんのイメージがしやすいように今回は「地方」という言い方をします。「地方」ではIT業界など日進月歩する仕事のイメージがし辛い業界へは抵抗感があるかも知れませんね。地方の一般的な安心や安定とは、公務員や大企業(のグループ企業)に就職することという意識がまだまだ根強いのではないでしょうか。

ーー田舎あるあるですね。そのような風潮の中、どのようにIT会社の求人を募るのでしょうか?

弊社では現地の教育機関と連携して、学校でプログラミング講座を開催しています。求人を出す先は、今までにプログラミングの授業をやったことのある学校や採用実績がある教育機関です。

そのプログラミング講座をする際に、自分が上海に駐在していた時の経験をお伝えすることがあります。私が駐在していたのは2006年から2008年なのですが、上海の自宅マンションのインターホンがWindowsアプリで動いていたんです。日本ではアプリケーションベースのインターホンは見たことがありませんでした。また既にICカードが普及しており、電車、バス、タクシーなどの支払いはそれ1枚で済むという経験を初めてしたのも上海でのことでした。当時はスマホが普及する前で「日本の携帯電話は世界一」みたいな印象がありましたが、上海ではNokiaの方が普及しており「なんで上海の人は日本の携帯電話を使わないの?」と聞いたら「高いし、壊れる」と言われ驚いたことがあります。「日本のテクノロジーは世界最先端」というのは思い込みでした。

上海_相澤

上海駐在時代のアイザワ

ーー中国や韓国のサービスが日本に輸入されて流行ることが、もはや普通になりましたよね。TikTokは中国、LINEは韓国のサービスですが、日本でも若者を中心に深く浸透していると思います。

海外産のサービスだと認識してない方も多いのではないでしょうか。中国企業の怒涛の急成長は、教科書に書いてないし、学校では教えてもらえないと思います。「世界は今こうなっています。日本の位置付けはここですよ」ということをお伝えしているのは、現実を知って視野を広げてほしいからです。
IT企業は、世界的に見ても時価総額が高く、実際、売上や決算報告書を見ると、成長率が高いんですよね。そういうところに身をおいたほうが、自分自身も成長でき、本質的な安心・安定が得られる、とタイムカプセルは考えます。

ーーそのような現実を知ったことで、学生の方はITに食いつきますか?

現実を知って、すべての人が即「ITってすごい!」と思うわけでは当然ありません。
上記のようなことをお話すると、ハッと気付いたような顔をする方が、クラスに何人かはいるんです。彼らが興味を持って話しかけてきてくれると、そこで縁が繋がり、じゃあ一緒にやろうか、と入社する方もいらっしゃいます。

弊社に入社された方は、数ヶ月の研修を経て開発の現場に入るのですが、教育の現場に携わることもあります。そうなると、去年まで高校生だった19歳の若者が18才の高校生に教えることになるんですよね。

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高校生を指導する新卒スタッフ

もちろん1年目の新人の方が講師として完璧に教えるのは難しいですから、中堅で3~4年目がメインの講師、サポートが19歳1年目、みたいなスタイルが基本となります。そうすると、教えながら理解が深まって、自分も成長できるんです。また、未経験の方と接することで自身の成長を実感できます。人に何かを教えて、その相手がそれをできるようになると、自分も嬉しいですよね!

生徒の方も、1歳年上の先輩が働いていると、親近感がわき、興味を持っていただけますよね。プログラミング講座に参加されていた方が、入社してくださると、地方でITを職業にする選択肢が生まれます。こういった活動を地道に継続することで若者の地方離れ解決の一助になりたいと考えています。

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