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水平思考(ラテラルシンキング)の気づきを活かす。
物事の考え方には大きな2つの思考方法があるという話です。
一つは垂直思考といわれるロジカルシンキング、そしてもう一つは水平思考のラテラルシンキングです。
ロジカルシンキングは「論理的な思考」のことで今までの経験や事例、根拠などを順番に積み上げて筋道を立てながら正解を導いていく方法です。
思考の各ステップが正しくつながっていることが大前提で、常識や経験から妥当だと思われる「正解」を導くロジックを掘り下げていくので垂直思考と呼ばれています。
ロジカルシンキングは正解と思われる結論に向かって一直線に進んでいく思考ですが、ラテラルシンキングは「唯一の正解」と言うものは求めません。
物事の目的という結論に向けて、水平方向に視点を広げていく思考法なんです。
つまりアプローチの糸口は何でも構いません。
どんなものであれ問題解決につながるものならばとりあえず正解とする思考法です。
ラテラルシンキングを表す例として「13個のオレンジと3人の子供」の話は有名ですが、もっと実際に即した例を2つほど上げてみます。
1つ目は駅の自動改札機の話です。
これも一時TVなどで紹介されたことがあるので知っている方もいるかもしれませんが、あえて。
いまでは当たり前のように毎朝毎晩、始発から終電まで365日、利用している自動改札機です。
開発当時、知られざる大きな難問がありました。
相互乗り入れによる複雑な運賃計算が必要なターミナル駅などではどうしてもその運賃の計算時間が長くなってしまうという問題です。
1日何万人、何十万人が利用する駅の改札で改札口での渋滞は許されません。
ロジカルシンキング的発想なら
コンピューターの処理速度を上げるための瞬時に計算が出来るために高出力・高機能の設備を設ける
自動改札機の増設を考える
などが検討されると思います。
どちらも多くの時間と経費と労力が予想されますね。
それがラテラルシンキングなら
「自動改札機」を長くして計算時間を確保するということだけです。
今では利用者が「自動改札機は長い」と感じる人がほとんどいないですし、「そんな簡単な発想?」と思われがちですが、その当時の開発者にとってはすごいプレッシャーのなかでの素晴らしい発想によって達成された結果だったのです。
もう一つはあるイベントに出展した企業が直面した問題です。
全国的なイベントで出展ブースも何十とある会場で、来場者用にと思って作ったパンフレットがなかなか受け取ってもらえないのです。
ブース出展の目的は、自社の製品を広く認知してもらうことで、一人でも多くの人に来店し見てもらって認知してもらうことです。
そのためには何十とあるライバル企業を相手に見てもらえるキッカケとなるパンフレットを受け取ってもらわなければなりません。
ロジカルシンキング的発想では
人手を増やして多くの人に配る
パンフレットのデザインを目立つように変える
ブース自体の位置をいい場所になんとか移動する
などが考えられます。
しかしこの企業のラテラルシンキング発想は
あえてパンフレットは配らず出展ブースの前に机を出しそこにパンフレットを置き、こう声掛けをしたのです。
「すみませんが、パンフレットはおひとり様3部までにしてください。」
その結果、「そんなにみんなが持っていくなら貰ってついでにブースも覗いてみようか」という心理が働いたのでしょうか、見事に3部づつ減っていったそうです。
この行動の目的は「パンフレットを受け取ってもらう」という結果を実現するためのものです。
ある種賭け的な感じもありますが、目的完遂のために自由な発想でアプローチをしていくという思考が水平思考=ラテラルシンキングなのです。
※この記事は、木村尚義氏(著)「ずるい考え方」より一部抜粋しております。
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