鑑賞のりれき 2022年10−12月
ずっと更新していなかったのでまとめて…
去年の分です。
※ネタバレを含みます
映画編
Avatar2/Avatar: The Way of Water / アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022)
パンドラの森の描写、なんかちょっと画角とかが物足りないと感じたけど、海のシーンでこっち引き立てるためか〜!と納得するくらいめっちゃ海綺麗だった…
ストーリーはちょっと時代的にも古いなぁと思ってしまった。ただ3時間を長く感じなかった。体験としては凄い。
Zombies 3 / ゾンビーズ3(2022)
ストーリーとしては2や3に比べて物足りないかもしれない。というかゾンビーズシリーズ自体が主人公の精神的成長に主軸を置いた作品じゃないので、それを期待すると微妙かも。
アディソンが最初から変わらずに活動してきたことや、それを見てゼッドを筆頭にみんなが学んできたことの集大成。
アディソンの正体がわかるエピソードは付け足しみたいな感じで勿体なかったけど、彼女の意志は本人がいなくても受け継がれていくことを証明していて、それも美しかった。2人が歌ったSomedayを全員で繋ぐシーンは泣けた…
背中を押してくれる曲が多くて普段の生活でも聴けそう。
最後の曲の大事なのは愛って考えも最高。
早く彼らの世界に現実も近づきますように。
あとマザーシップの声がルポールなのはめちゃ笑いました。
ドラマ編
American Horror Story : Double Feature / Season10 / アメリカン・ホラー・ストーリー:2つの物語(2021)
"二本立て"ということを完全に忘れてみていたので、前半が急に終わってびっくり。アルマの役を演じた子役の子、すごい。マコーレ・カルキンちょい役だったけどすげえ雰囲気に合ってて良いキャラだった。
個人的には後半のSF感が好きだったので、1話少なかったのは残念だった。都市伝説とか陰謀論、こういうのアメリカで良く放送できるなと思ってしまう。
サラ・ポールソン、レスリー・グロスマンの演技は毎回すごいけど、今回も輝いていた。
She-Hulk: Attorney at Law / シー・ハルク:ザ・アトーニー(2022)
フェーズ4の中で一番楽しく観れた作品だった。1本30分というのは気楽さがあっていい。
演出的にメタ構造面で攻めたのもあるけど、「女性らしさの再定義」を提示する作品をMCUで、しかもコメディでやったのは新しかった。
女だからって怒ったり欲望があってはいけないのか?等、私としてはジェンに結構共感して、分かる〜って感じで観れてたと思う。
法廷コメディとしての面白さだけじゃなく、グループセラピーで解決したり、デジタルデトックスするの現代のアメリカって感じ。全く予想外のトワーク(尻振りダンス)もやってくれた。すげー。
ネットの誹謗中傷が身体的な攻撃と同等なものとなっている現代で、そこから目を逸らすことはできないし、デジタルなものがこれからのマーベルのヒーローが戦う相手になるかもしれないよなぁと思う展開だった。
フェーズ4は「ヒーローとは何か」を再定義しようとしていて、特に女性キャライメージの刷新にかなり力入れている。ディズニー傘下だからその辺りかなり意識してると思う。この作品はまさにその内の1つ。古いプリンセス像を変えるように、マーベルも現代社会に合うヒーローとしての新たな解釈が必要だけど、そこについていけない人が増えそう。
新たな視点をもった上で作品としてどれだけ面白いものになるかが、今後のMCUの評価の行方につながるんだろうな。
American Crime Story Season 2 / アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺(2018)
自分を大きく見せようとする人が苦手なので、口から出まかせし続けるクナナンに対して嫌だなぁと思ってみていた。ただ、個人的には「相手に良くみられたい」と思い嘘をつく行為自体は理解できたので、そこから私の視点が変わった気がする。
時系列は逆走して進み、徐々にセクシャルマイノリティや移民の立場、父親との確執などが鮮明になっていく。擁護ではないけど、こうなってしまったのは本人だけの責任か?と思わざるを得ない。20年経って時代が変わったからこそ描けるものだろうな。
あと、ドラマは事実と異なる解釈をしている可能性があること(ライアン・マーフィーは"ノンフィクション"としているらしいけど)を理解してないと危険だよね、とは思った。
立ち振る舞いが堂々としているのに、不安定さをはらんだ歩き方をするダレン・クリスのクナナンの演技は凄まじかった。
Dahmer / ダーマー(2022)
彼を擁護できる部分は一切ない。でも、親と社会の責任は強く感じる。警察も黒人蔑視していて、メディアもひどい。世界まる見えとかで多分観てた内容だったけど、こういう側面で事件を切り取ってくれたのは良かったと思う。
ドラマとしてはダーマーの父親の演技がすごく上手かった。
被害者はどこまでいっても一生被害者で、救われることなどないことがきつかった。度合いはあれど、加害者にも被害者にもなりえる世界に私たちは生きていて、一体どうすればどちら側にも立たずに生きていけるんだろう、と思って観た。最後までみても答えはない。
The Watcher / ザ・ウォッチャー(2022)
笑っていいのかダメなのか分からない絶妙なやりとりがライアン・マーフィーのプロジェクトぽい。そういう意味でファン向け。個人としては、ダーマー見た後で重い気持ちだったから丁度良かった。
サスペンス要素を求めていたり大どんでん返しを期待していると、間違いなく拍子抜けする。
American Horror Stories Season2 / アメリカン・ホラー・ストーリーズ シーズン2(2022)
最初のドールハウスはコンセプトもストーリーラインもシリーズ化できそうって思えたけど、他はどれもいまいちだった。ブラッディマリーはよかったけど…
オムニバスだからかアメリカン・ホラー・ストーリーのほうと比べて美術にもお金かかっていないのが残念で、あと1話ごとだからテンポとオチを気にして、ストーリーズでは許せる部分もこっちだと面白くなかった判定してしまう。それでも1はよかった記憶なんだけどな。1より予算少なかったのかなという気持ちになった。
Wednesday Season 1 / ウェンズデー(2022)
人間のこころって楽しすぎて最高。疑ったり信じたり裏切られたり許容したりできなかったり。みんな自分の尺度と許容範囲がそれぞれ違うから、それを調整したりしなかったりする様が面白くて、最後はそのベン図が見事に1mmくらいだけ重なるのを見て泣いてしまった。
謎解きや展開よりもその謎や人間関係に挑むウェンズデー・アダムスを見るのが楽しいし、それを演じるジェナ・オルテガのハマりっぷりがたまらなく良い。とても楽しく観れた。
ANDOR / キャシアン・アンドー(2022)
オビワンでもう何も期待しない…となり、タイミングを逃しててようやく観た。これはやばい。スターウォーズの皮を被ったやばい作品だった。ローグワンが好きなら絶対に観てほしいけど、打ちのめされるかもしれない。
日本人なので衣装や集合住宅の描写に目がいく、建築物と市民の生活にこだわり感じてとても良かった。
結構たくさんのキャラクターにスポットが当たるので場面転換が多いのに、その場面の繋ぎが上手い。船が走っているシーンから人が走っているシーンに切り替わったり。
省略できそうな描写もカットしないから生々しい。
エンタメと消費していたスターウォーズシリーズの背景にあるものを、別の視点、かつフラットに撮っていると感じた。
スターウォーズシリーズのひとつとして好きかと言われたら迷う。でもとても面白かったし、何も考えずには見れないし、観てよかった。
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