読書メモ6 「成瀬は天下を取りにいく」AI的な成瀬
今更ながら、2024年本屋大賞の「成瀬は天下を取りにいく」(宮島未奈(新さん)を読みました。
完全な食わず嫌いで、
「タイトルがよくわからん(成瀬ってだれ?)」
「本屋大賞って、なんだかんだ本を”売る”ための目的なんでしょ」
そんな第一印象や偏見で読むことを避けていました。
1.「成瀬は天下を取りにいく」の読後感
シンプルに、「むっちゃ面白い!」でした。
すぐに続編の「成瀬は信じた道をいく」も
Amazonで購入(そして着後、その日に読み切る)
・「成瀬」という独特すぎるキャラ設定含めた、
登場人物の設定や描き方(それぞれの視点から)
・短編ならではの、リズム感やスピード感ある展開
・クセのあるネーミング(一度味わうと印象深い「成瀬は天下を取りに行く」というネーミング)
・滋賀県大津市、西武百貨店などの、意外な設定
個人的には、主人公・成瀬の優秀さ・ブレなさは、
近い未来に訪れるであろう「(人間的な)AI人間」を想起させられました。
(成瀬の内面が描かれ、
幼馴染・島崎が遠くに行ってしまうことへの動揺する心境や
生活リズムが狂う姿も描かれていましたが、
それさえも、プログラムの誤作動による影響のような・・・)
2.「西武筑波店」があった
大学・大学院時代(1990年代後半~2000年代前半)及び
2012年~現在まで、私が住むつくば市にも、
「西武大津店」と同じように「西武筑波店」がありました。
「いつ無くなったのかな?」と覚えていないので
過去ニュースを確認すると、2017年2月末と意外と最近。
強い愛着は個人的にはないものの、
「一人暮らしを始め、気ままさを味わいたくて映画館に行ったな」
「(今は無き)コムサ・デ・モードで服を買ったな(当時は高かった)」
などなど、そういう断片的な思い出が蘇りました。
地元で長く住んでいる方や、
成瀬と同じ小中高生の年代だった方からすると、
「西武大津店」のように身近で忘れがたい存在なのかもしれません。
3.映画「怪物」を同タイミングで観て
同じタイミングに、Amazonプライムビデオで
是枝裕和 監督・坂元裕二 脚本の映画「怪物」を視聴。
比較すべきものではないと理解しつつ、
「成瀬は天下を取りに行く」と「怪物」の
テイストや読後・視聴感の落差があり、
個人的に「怪物」に全て持っていかれた感もしますが、
あまり難しいことを考えずに、
爽快な気持ちになりたい
「明るさ」(をメインに)を感じたい
などの、人や世の中のポジティブな面を
(シンプルに)感じ、受け取りたいなと思ったら、
「成瀬は天下を取りにいく」はとてもおすすめかなと思います。
ショート動画が流行る昨今にも
マッチした疾走感やわかりやすさも相まって
世に受け入れられているのだとも思います。
今日はこの辺でおしまい。