よかれと思って内緒にする問題
つまり
・組織で情報の不透明性が問題になる時、必ずしもその不透明性は悪意や信頼性の無さから生まれるわけじゃなく、よかれと思ってやった結果生まれるかも知れない
・フルオープンにできなくても、情報の確定度合は可能な限りオープンにすべき
1on1で明らかになった不透明性
この間1on1をチームメンバーとやっている時、情報の不透明性が問題になった。具体的にいうと、仕様議論が途中の機能について、「あの機能はいつから開発開始なんだろう」「開発スコープは?」という、疑問の声が上がっていた。
この不透明性が生まれたのは、例えば「外部企業と内密なやり取りがあって、隠しておきたい深刻な事情があった」とか、そういう背景からではない。
むしろ逆に、情報の不透明性の話になるたびに比較的僕の所属するチームは性善説で「できる限り共有しましょう」という議論が起こるので、上下の人間関係が悪いとかではない。教えてと言えばだいたいアクセスすることができるし、権利は十分ある。
それなのに、何やら透明性が担保できてない様子だった。僕はちょうど間に位置する立場なので、別に隠す必要もないし、知ってる人間は特に隠そうともしてないので、おかしいなと思ってた。
善意で発生する不透明性
結果、「そろそろ開発始めかもしれないから工数見積もろう」「今は別のことをやってていいかな」という下準備としての見積もりができず、チームとして停滞していた。
議論の進捗共有がフルオープンにしきれていない、かつ個人の経験則からもオープンにされないことが多いと感じるかを考えていた。おそらく、当チームに関しては議論している当事者の善意が空回りしていることが原因だった。
つまり、「未確定の段階で細かくシェアするのは、混乱を招いてしまい、チームに迷惑だから、本当に決まった段階でマイルストーンを共有しよう」と考えているが、結果待ち状態の人からすると「頭出しはされたけど、今どこまで話が進んだのかな?」となってしまう。
結論をシェアしているのに、進捗を善意によって不透明にしていたという話だったが、事業KPIの公開をしている組織でも、意外とこういった、仕様決めなどでの不透明性は無意識に生じているのではないか。
どのように対応するべきか
まず個人的には、全員が議論に参加するべきとは思っていない。一定程度の人数を超えると議論が発散して、収束させるのにコストがかかると考えているから。
けど、「暫定であれ、ここまで決めました」「あとどれくらいで最終確定する予定です」など、議論についての進捗共有はよほどのことがない限りフルオープンにするべき、というスタンスであり、どうにもそれができていないようだった。今後は具体的な実作業以外にも、勘案事項に関する確定度合いを進捗共有していくのが良さそうだ、と考えている。
他にも組織で情報の透明性について解決策を持っている方がいれば是非教えてください。