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サンプル作製の工数を予め考える

B to Bの化学メーカーでは、製品が立上がるまでに、必ずと言って良い程、客先へのサンプル提出というイベントがある。
その時、必ずと言って良い程、フロントエンド(営業)とバックエンド(主に技術)で一悶着が起こる。

その内容とは、"サンプルを出す出さない"と"サンプル対応の速度"である。

"サンプルを出すor出さない"
営業はサンプルを評価したいと言っている顧客にサンプルを提出しない理由は無いと思う。
ただ、やみくもに出してしまうと、開発工数に影響が出たり、万が一FBが遅くなったりすると逆に顧客からの印象が悪くなったりしてしまう。
また、知財を固める前に世の中に出回ってしまうのも避けたい所である。
この様に、一見出さないという選択肢は無いと思いがちな状況でも、それぞれの思惑がぶつかることがある。

"サンプル対応の速度"
では、出すと決めた後の問題はどういったものがあるだろうか?
これはその時の状況によるが、考えられる問題としては、上記の通りサンプル提出に時間が掛かることだ。
サンプル作製の人工が無い、材料在庫が無い、設備が使えない状況(空きが無いor故障等)、等々。。。
こうなると提出出来るサンプル在庫が無い場合、必然的にサンプル出荷までの時間が掛かってしまう。
また提出するサンプルのデータも然り、資料関係もセットとなると余計に時間が掛かる。
これも顧客・社内フロントエンド・社内バックエンドとの思惑の乖離として挙げられる。

上記2つの課題を解決に近付ける方法は、下記2つ!
①サンプル提出先を予め想定する
②サンプル提出スケジュールを決めて、工数を予め確保する

もはやこれに尽きると思う。
こんな事、当たり前じゃない??と思っている方も多いと思うし、逆に出来ていないの?と思う方もいると思う。
しかし、意外と出来ていない会社が多いのではないかと思っている。何故なら個人の意識としては同じ事を思っている人は結構いても、会社の仕組みとして組み込まれておらず、体制が変わる度にリセットされてしまっている事が多いからだ。

①に関しては、開発テーマとしてプロジェクトが立ち上がった時には既に狙うべき市場が見えていると思うので、その市場を中心に大手顧客をリストアップすれば良い(市場がはっきりしていなくても、きっかけとなった顧客はいるはずなので、そのアプリケーションの市場から攻める)。
その為には、市場情報を入手する所謂マーケティング部門との連携が重要である。
これをすることで、この顧客には出すべきか、今は出さない方が良い(出さなくても良い)のかの議論を都度行う可能性は低くなる。
つまりフロントエンドが気にするスピードも、バックエンドが気にする工数も解決に近付く。
何より、どの市場を取りに行くのかの意識のズレがなくなる。

②に関しては、①が決まっている事が前提。
サンプル提出可能スケジュールを決めるというのは、原材料の課題や知財を固める時期を決めるという事に等しい。
つまりサンプル提出までにネックになってしまう課題を解決するということだ。いつまでにサンプルを出せる様にしよう!と決めても、じゃあ具体的に何やるの?となっているメーカーが多い気がするので、意外とこの意思の擦り合わせは重要だ。
それを決めたら、次は実際にサンプルを作製する工数を確保する。
どの顧客に出すのかを決めても、その顧客からいつどんなタイミングでどんな数量で依頼があるか分からないし、データの取得も必要な為、テーマ完了とは別に人工を追加しなければならない。
ここも意外と抜けている上長が多く、結局は各担当の努力次第に依存する事になってしまう。

共に意識の問題の部分が大きく、仕組みが出来上がる前にも意識を変えるだけで、実は改善出来ると思っている。
ただ、実はそういった改革の方が浸透し難く、すぐに廃れてしまうので、そのやり方での実績を積み重ね、一緒に仕事をしたいと思ってくれる人を増やす事が改革の第一歩だと思う。

今は私も実践中なので、大きな結果が出た時はまたご報告をと。。、

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