濡衣塚
濡衣塚 博多地下鉄で回る伝説スポット
聖武天皇の時代、春姫という娘がいました。春姫の父、筑前の国司として都より家族を引き連れてきました。旅の疲れがでたのか母親は筑前で亡くなりました。父親は筑前の国で、ある女を後妻として迎えました。春姫は実母に尽くすように仕えました。
後妻は子供ができると欲に狂いました。後妻は春姫を憎み、陥れることにしたのです。近在の漁師に言い含めて、春姫がたびたび釣衣を盗むと訴え出させたのです。
その訴えを聞いたのは、国司である父でした。
半信半疑の父は、確かめるべく春姫の寝所を覗きました。
すると姫の傍に濡れた釣衣が置かれていました。父は怒りのあまり、その場で斬り伏せました。
翌年、近世は夢の中で娘が二首の歌を詠むのを見ました。
脱ぎ着する そのたばかりの 濡れ衣は
長き無き名の ためしなりけり
濡れ衣の 袖よりつたふ 涙こそ
無き名を流す ためしなりけれ
娘を無実の罪で斬り殺してしまったことを父は悟りました。
娘を罠にはめた妻を離縁すると、父は出家して石堂川のほとりに塚を建てて、自身は肥前の松浦山に隠棲しました。
そして父が娘の冥福を祈り建立したのは「博多七堂」と呼ばれる七つの堂だといわれています。
住所 〒812-0044 福岡県福岡市博多区千代2
最寄駅 箱崎線 千代県庁口駅