サルになった長者　

サルになった長者　庚申懇話会

　庚申を熱心に信仰していた男がいたが、貧しかった。
　ある時、長者が男になぞかけをした。
　貧乏な男が夜も一心に考えていると、庚申さまがあらわれて、次々と答えを教えてくれた。
　翌日、答えを話すと、長者はそれが正解かもわからぬまま、間違えているという。
　庚申さんがあらわれて、長者を叱りつけた。そう、長者も答えをしらないでまかせであったのだ。

　長者はそのまま罰として、猿になってしまったという。