豚肉の食べ始め
豚肉の食べ始め 琉球民話集
昔、琉球に住む民は、人が亡くなると血縁のものが浜に集まって、亡くなった人の死肉を食べた。 その名残で、近世まで「真肉親戚」、「脂肉親戚」という言葉があったという。 これは、身内に近い人からおいしい部分を食べたために生まれたものという。
これを百名大主(琉球の文化英雄)の三男仲村渠大君は目の当たりにしてひどくおどろいた。
大洋の要となる琉球でこのような事が行われているのを嘆いた。しかし、代わるものがないといけないと、唐の国から豚(や鶏)を運んできて、かわりにこれを食べるようにいった。
そしてこれから人の死肉のかわりに、家畜の肉を食べるように広げていった。これが広がり、肉を食うようになったという。