玉野の三塚
大阪毎日新聞 1913-02-22
大正2年の新聞の記事で、そのままのがおもしろいのでできるだけそのままにしますね。
『妾が此村に嫁入って来た頃は、あの三つ塚の上にそれはそれは大きな松の木があった。枝が二股で何ともいえない面白い風情であった、此松には時折竜灯が上るので恐ろしい事に思っていた、何時とはなしに片枝が枯れて、又程もなく幹も枯れて無くなった。
所であの塚にある木を切って家の柱にでも遣うたら最後、キット其家には祟りがある。近い頃にも其事があった、昔からの言い伝えは恐ろしいものだ』といった。
其外此環湟の中に住む魚は何れも一眼しか無いとか、塚を距ること一丁以内に家を建てると眼を病むとか種々の迷信が伴うておる。