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火に熔けない鉛

火に熔けない鉛 大阪毎日新聞 1935年11月09日号
 昔、「火に熔けない鉛が出る」という不思議なはなしがあったそうである。
 金に餓えた村人はその“熔けない鉛”を求めて血眼で山肌を探し廻った、しかし熔けない鉛はどこにもなかった。
 このような話が百二歳になる鉱山の老婆の口から語られたが、忘れられており、遂には鉱山師の手を離れてしまったという。

 しかし昭和になり、新たに山主となった神戸の実業家が調べなおしたところ、地下に溶けない鉛が見つかった。

 その鉛こそ、モリブデンであったのがわかり、発掘されることになった。

※戦後まで発掘されていた。


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