母との距離

一人暮らしの母とは、ここ数年、毎日朝夕の電話をしている。

幼馴染じみのパートナーさんが、体調の都合で母宅に通えなくなってから、電話をするようになった。

母は、入退院を繰り返していたこともあり、あまり人との関わりなく過ごしてきた。

図書館と買い物くらいの外出で、人と関わることが少ない。

数少ない友人と、電話で話すこともあるようだけれど、日々の暮らしではほとんど一人だ。

話すことや、話しやすさを保つためと思って、電話をするようになった。

けれど時々、しんどくなることがある。

多くの親子は、そこまで関わりを持たないようで、人に話すと驚かれることもあった。

他者の入らなさ、というか、近すぎる関係が苦しくなる時がある。

この年末も、その苦しさの波が来て、週に一度の電話に変えてもらった。

母も、距離感のことは気に掛かっていたようで、少し関わり方を変えてもいいのでは、と言ってくれた。

お米や調味料、洗剤などの日用品も、無農薬や添加物の少ないものを選んで送ってきた。

母は長年、薬を飲んできたので(今は飲んでいない)、肝臓や腎臓にかかる負担を少なくしたいと思ったから。

でも母は、そういうことも、見直してみないか、と言う。

私が自分のことに集中して過ごせるように、と。

確かにそうかもしれない。

私自身が自分の暮らしをよい状態に保つこと。暮らし方を見直したり手をかけること。自分にエネルギーを使うこと。

私はそういう基本、土台が弱いところがある。今、母が元気なうちに、私自身を整えることをする必要はあると思った。

私はどのように暮らしたいのか。

あまり容量(器量)の大きい質ではないから、もの、ことを少なくして身軽にできるといいのだろうな。

20-30代のときに、自分の暮らし方を作れていたら、あまりこだわりなく、母との関係に関わってゆけたのかもしれない。

年を重ねた母に対して、意識して距離をとるような状況を作って申し訳ないとは思う。

今頃になって、思春期のやり直しをさせてもらってるようでもある。

私自身をよい状態に保つことが、母をはじめとして、関わりある誰にとっても、自然で最適な状況になっていく。

そう思って、今は自分の心身と、暮らしを整えることにエネルギーを向けよう。




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