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採用から集客まで、すべてTikTokで。客足が途絶えないTikTokフォロワー13万人超の焼鳥屋で起きていること<焼鳥どん日垣兄弟インタビュー>
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この一年は、飲食業界にとって暗いニュースが絶えない一年でした。
大手飲食チェーン店の大規模な店舗数縮小。
大手居酒屋チェーン店の業態変更。
そして個人店の相次ぐ閉店ーー。
しかし、そんな飲食業界において、“希望”とも言える存在となっている焼鳥屋があります。
それが焼鳥どん日垣兄弟さん(@higakiyakitori)です。
TikTokの「飲食店あるある」の投稿が人気を集め、今やフォロワー数は13万人超。
あるSNSでは、あのダルビッシュ有投手が「焼き鳥屋なら焼鳥どんに行きたいです」と投稿するほどその存在が知られています。
そんな、今や日本のSNSでもっとも知られている焼鳥屋さんの1つと言っても過言ではない焼鳥どんの店舗数ですが…
意外にも、都内3店舗(荻窪、駒込、西巣鴨)。
そう、3店舗にもかかわらず13万人のフォロワーを集めているのです。
同店を展開する焼鳥どん日垣兄弟さん(以下、日垣さん)のお店では、各店舗で一日平均5名は「TikTokを見ています」と来店されるそう。
「うちは3店舗ありますので、1日15名様がTikTokを見て来ていただいてる計算になります。ただし、実際はもっと多いと思います。これはあくまでお声がけ頂いているお客様なので」
一体、不況と言われる飲食業界の中で日垣さんのお店では何が起きているのでしょうか。
採用から集客までーー。
“地元の焼鳥屋”の域を一気に飛び出して、全国からお客さんが押し寄せる焼鳥屋さんの奇跡は、あなたのお店にも起こるかもしれません。
飲食業界関係者の方は特に、必見のインタビューです!
「フォロワー3万人を超えたら街で話しかけられるようになった」
前述のように、日垣さんのお店は都内に三店舗。
にもかかわらず、「店舗エリア以外の場所でも声をかけられる」と言います。
「それまでもSNSアカウントは持っていたのですが、そこまで声はかけられなかったのです。が、TikTokのフォロワー3万人を超えたら街で話しかけられるようになったんです。新宿や浅草、秋葉原…主要な街ではほとんどです。それだけ拡散力があるんですね」
これだけでもTikTokの影響力の強さを感じている日垣さんですが、自身に起きている変化それだけではありません。
「お店の集客だけでなく、アルバイトの応募もたくさんいただいておりまして。フォロワー数3万人を越えたあたりから10件以上頂いております。いま、ちょうどアルバイトをしていた大学4年生がみなさん卒業していったのですが、おかげさまでアルバイトが足りないということも起きていません」
採用に集客まで、「すべてTikTokでまかなえている」と言い切る日垣さん。
彼はなぜTikTokに目をつけたのでしょうか。
TikTokを始めたのは「アルバイトのみんなを笑わせるため」
「TikTokを始めたきっかけは、東京都の営業時短要請があったことです。手前味噌ながら、コロナ前は繁盛していたお店だったんですが、急に営業時間が短くなって、お客さんも減ったことで、もやもやしたストレスを発散させたいと思うようになったんです。そこで、アルバイトのみんなを楽しませるために昔いたスタッフのモノマネをしていたら笑ってくれた。それをぜひ動画で残そうと思いましてはじめたのがTikTokです」
なんと、TikTokを始めたのは「アルバイトのみんなを笑わせるため」だったのです。
そんな日垣さんが本格的に動画を投稿し始めたのは2020年の9月ごろ。
スタッフのモノマネの投稿から、「飲食店あるある」を投稿するようになるとTikTok内でいいねがより増えるように。
「フォロワーさんは北海道から沖縄までさまざまです。思わず飲食店で働いている人がつっこみたくなる動画を投稿したらコメントで『います!います!』と反応を特にいただくようになって。『出勤して少し働いてからタイムカード押す働くスタッフ』は反響が大きかったですね」
(10万超のいいねがついたこちらの投稿)
「去年の12月に投稿した『絶対に辞めて欲しくない全スタッフから愛されるシフトの守り神』はいまでも再生数が伸びています。TikTokの特徴はヒットする動画が長くトレンドに入ることです。おかげでこの時期にフォロワー数が一気に伸びました」
日垣さんは「居酒屋で働いている人や、働いたことのある人は想像以上に多いからウケるのでは?」とヒットの要因を分析します。
たしかに、学生時代に同級生を思い出しても最低一人は居酒屋でアルバイトをしていた人っていましたよね。
「それに、“あるあるネタ”って無限にあるんですよ。あとはみなさんが疑問に思っていることへの回答とか。『お皿は重ねるべきかどうかと気にしている人がいるけど、重ねたほうがいいの?』という疑問に答えた動画もかなりのいいねをもらいました」
TIkTokの特徴は、動画が短いので手軽に飲食店のスタッフでも片手間で投稿できることだと言います。
日垣さんが言うように「まずは始めてみる」が本当にできるプラットフォームなのかもしれません。
TikTok LIVEを始めて起きた変化
そんな日垣さん、最近はいつもの投稿に加えてTikTokのライブ配信「TikTok LIVE」もスタートさせています。
「ライブ配信は右も左もわからない状態で始めました。最初はとにかくコメントすべてに返答することからスタートして。ただ、それだけだとすぐにマンネリ化したんですね。それでひとつずつツッコミを入れていったんです」
どういうことでしょうか。
「僕、たらこ唇なんですね。それで『口にめんたいこついてますよ』ってボケのコメントがきたら『それ、唇分厚いからや!』と、お笑い芸人さんみたいなツッコミをして。そうやってライブ配信の芸風を鍛えていきました。そしたらどんどん楽しくなっちゃって(笑)」
(たらこ唇もネタにして人気をさらに獲得した)
もはや、焼鳥屋さんがライバーをしているのではなく、ライバーが焼鳥屋さんをしている状態に。
「飲食店って、実はライブ配信と相性抜群なんですよ。普段なかなか見れないキッチンを映せば人気が出ますし、調理風景も変化があって飽きない。あとは仕込みで肉をカットしているところもみなさん興味を持っていただける。焼肉屋さんなら、お肉をカットしたり冷麺を茹でいているシーンもウケると思いますよ」
なんと、ライブ配信中に「会いたいのでお店にいきます!」とコメントが届き、実際にお店を訪れたお客さんもいたのだとか。
「会いに行けるアイドル、じゃないけど会いに行ける居酒屋オーナーみたいになってますね(笑)。遠方だと愛知から来ていただいた方もいらっしゃいましたから。そして、これにかかっているコストって0円なんです。集客も採用も0円でできるTikTok、すごいですよ」
こうして日垣さんのアカウントは単なる焼鳥屋さんのアカウントではなく、一人のライバーとして、そしてTikTokクリエイターとして人気を集め、全国からお客さんが集まるようになったのです。
TikTokがスタッフにもたらすハロー効果
では、日垣さんの成功体験をもとに、いまからTikTokを始める飲食店スタッフはどんなことを意識すればよいでしょうか。
「キーワードは“絞って一般化する”です。まずは焼鳥屋ならうちのように焼鳥屋に特化したネタを投稿する。ただし、自分のお店だけに当てはまる話をしても意味がわからないので、そこは少し一般化して“焼鳥屋あるある”を投稿するんです」
なるほど。各料理ジャンルごとにその“あるある”は違いそうです。
「焼き肉屋さんならオーダーしてきたお客さんのあるあるで『最初に牛タン頼み過ぎじゃない?』ってスタッフ同士で会話するとか。いろいろありますよね?それって全国の焼肉屋さんのスタッフがみんな同じことを思っているんですよ。なのでウケると思いますよ」
さらにライブ配信も積極的に活用すべきだといいます。
「やはり居酒屋さんのわいわいした雰囲気って自宅で一人でスマホ画面を見ているとなんとなくいいなあって思う人もけっこういるんですよ。なので、仕込みの段階だったり営業中でも生配信する。すると、そのうちお客さんが本当に来てくださったり、その日に来てくれる嬉しいイベントも起きますよ」
こうした集客面でのメリットは計り知れませんが、実は日垣さんがもっとも実感しているメリットはアルバイトスタッフからのまなざしが明らかに変わったことだといいます。
「うちのお店はスタッフが10〜20代と若い人が多いんです。TikTokを始めてからアルバイトのみんなとの会話が増えてすごく雰囲気がよくなり、定着率もあがりました。若い子からすると10万人フォロワーがいるっていうのはかなりすごいことのようで、タレントみたいなもんなんです。30〜40代の居酒屋オーナーさんからするとピンとこないかもしれません。でも、今の若者の価値観はそうなってるんです。タレントがやってるお店でアルバイトしていたら嬉しい。そんな感じのようです」
「東大卒って聞くと、すごい!って思いますよね。ハロー効果とも言われますが、それと同じハロー効果がTikTokで起きています。だから、飲食店のオーナーさんや店長さんこそTikTokを始めるべきなんです」
現在、ライブ配信やあるある動画の投稿で緊急事態宣言があけたこともあり、ますますお店は活気に満ち溢れていると言います。
日垣さんのアドバイスのように「絞って一般化する」のルールを守って、あなたのお店もTikTok投稿を始めてみてはいかがでしょうか。
クリエイタープロフィール
焼鳥どん日垣兄弟
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2009年に焼鳥店を開業。現在都内に3店舗。コロナ前は並び待ちが出来るほどの繁盛店だったが、コロナで来店者数が激減。コロナ禍を生き残るべくSNS運用スタート。TikTokの影響で来店者数は爆発的増加。新事業の通信販売も絶好調!
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