東京・原宿。ほぼTikTokだけで集客・採用が完結するタピオカ店ができるまで〈しなこさんインタビュー〉
インフルエンサーの中には自らの知名度を活かし、オリジナルグッズ販売などで大きな収益を生み出している人も少なくありません。
いま、そんなインフルエンサービジネスの最前線とも言えるのが、タピオカティー専門店のベビタピ(@babytapi_official)です。
なんとこのお店、求人、集客、プロモーション、全てをTikTokだけでほぼ完結させてしまっている、まさにプラットフォームのポテンシャルを体現した店舗なのです。
今年、10月に新店舗のベビタピトーキョー原宿店(以下、ベビタピトーキョー)で店長を務めているTikTokクリエイターのしなこさん(@ssshinako)にお話をお聞きしました。
スタッフ全員、人気TikTokクリエイター
原宿で連日の行列ができているタピオカ店、ベビタピトーキョー。
ベビタピは2019年に大阪で開業、全国に4店舗を展開しています。
そんなベビタピの東京初進出となるベビタピトーキョーの店長を務めているのがしなこさんです。
ここで、「タピオカ店の店長にTikTokクリエイター?なぜ?」と思われる方もいるかもしれません。
実はベビタピは人気TikTokクリエイター集団「48-フォーエイト」のメンバーである永ennのアリスさんが本店の店長を務めるなど、TikTokクリエイターが中心となって経営されているお店なのです。
また、ほぼ毎日更新されるベビタピ公式TikTokアカウントも約30万人にフォローされているなど、店舗の外、スマホの中でとてつもない人気を博しているのです。
つまり、ベビタピの場合、各種SNSをプロモーションに活用する既存店舗とは違い、TikTokやSNSが店舗よりも“全面”に立っており、ビジネスの土台にあるのです。
しなこさん自らが声をかけたというスタッフには、10名のTikTokクリエイターが参加。
この10名が日替わりで店頭に立つ形となっています。
「ヒト目的」で行列ができる新しい集客モデル
ベビタピトーキョーのTikTokをベースとしたお店作りは、集客面で従来の飲食店にはない強みを発揮しています。
一般に、飲食店では「誰が働いているのか」という点に注目が集まることはそう多くありません。
ハンバーガー、パンケーキ、蕎麦…、その他多種多様な食べたいものがあり、その「食べ物目的」にお店に消費者は足を運びます。
一方、ベビタピトーキョーの場合は人気TikTokクリエイターに会えるという「ヒト目的」で来店する人が多い点が特徴となっています。
「あのTikTokクリエイターに直接会いたい!」という動機で来店する仕組みを作り上げていることがこの店の強みと言えます。
そのため、店舗集客の鍵を握るのもTikTokです。
また、スタッフは全員が人気TikTokクリエイターなので、インフルエンサー同士のコラボによる相乗効果が期待できるといいます。
リアルとオンラインで相互集客も
では、なぜ人気TikTokクリエイターはベビタピトーキョーに参加するのでしょうか。その理由のひとつにファンとの交流があります。
TikTokクリエイターにとって、ベビタピトーキョーは普段直接会うことがないフォロワーの方に会える貴重な場となっているのです。
約250万人にフォローされているメラニーさん(@___melachan___)がベビタピトーキョーに参加した理由は「フォロワーの方との交流」だといいます。
さらに、約100万人にフォローされているケイリーさん(@k_irie5)は意外な効用を口にします。
つまり、リアルの場とTikTokで相互集客ができているのです。
また、ベビタピではタピオカなどの飲食物以外にグッズ販売も展開しており、ベビタピトーキョーではサイン色紙も販売。またTシャツを購入した人には直接サインするサービスもあります。
タピオカ店の枠に留まらず、インフルエンサーならではの商品販売を展開できる点もベビタピの強みです。
TikTokの活動をベースに、リアルの場でもその“勢い”を活かせるベビタピのようなモデルは、今後SNSマーケティングの新たなトレンドとなっていくかもしれません。
クリエイタープロフィール
しなこ(@ssshinako)
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