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感謝の心を

 私が未だ30代半ばの頃、享年69歳で私の母がこの世を去りました。無欲で子供の為に生き抜いた、そんな人生を送った慈愛(じあい)に満ちた人でした。

 不思議なくらい、欲がなく、記憶を辿っても、自分の為に何かをしたことはほとんどない。あるとすれば、今、我が家に遺品として飾ってある水仙の陶額。日本茶の販売店を営なんでいた母親が、人生では初めての贅沢といって購入したものですが、それくらいでしょうか。

 慈愛(じあい)ですが、慈(じ)とは、いたわり育てる、子を愛する心、いつくしみ、情け深いetc.の意味ですが、慈愛とは、愛を持って子供の苦しみを除いてくれる親の意識なのだと思います。

 行く冬も 来る春もまた 運命かな
 仏壇の母は、春から夏にかけては、ワンピースを着て颯爽と歩いている写真。秋になると、和服姿で椅子に座っている姿。冬になると、私と一緒に東京の靖国神社に行った時の冬支度の写真等々。
 毎朝、感謝の心を伝えています。