
ガザのインテリアデザインの学生さん・BaraarさんへのインタビューVol.1
こちらの記事は無料でお読み頂けますが、課金して頂けましたら、全てガザ南部に住む20歳のインテリアデザイナーの卵、バラーアさんに寄付させて頂きます。
2023年10月7日。その日を境にガザに住む方々は多くのものを失いました。
「学業」を失った若者達も大勢います。夢に向かい、懸命に勉強をしていた学生達。
Baraara Ubaida(バラーア・ウバイダ)さんは大学でインテリアデザイン、装飾工学、建築を学んでいた20歳の女性です。大学が破壊された為、卒業も叶わず、夢半ばとなりました。
私はバラーアさんについては、ガザから脱出するため、またデザインの仕事を得るのにラップトップを買うため、GoFundMeを立ち上げたと聞いていました。ある日、バラーアさんからDMをいただき、彼女のガザ脱出はかなっておらず、今はガザ南部で生活費を稼ぐ為にGoFundMeを使っている事を知りました。あまりお金持ちじゃないから支援をする為にバラーァさんの漫画か記事を描いていいか、と聞いてみました。すると、イキイキと「私も実は才能があるの!」とご自身の絵をたくさん見せてくださいました。

記事を書くためのインタビューにも楽しそうに応じて下さいました。
また記事を書くにあたり私に専門知識がない為、フォロワー様の建築士、shiitake様にインタビューをバラーアさんにして頂けないかお尋ねしたところ、ご快諾いただけましたのでパレスチナ-ガザ両国のインテリア、建築についてお話が伺える充実した内容になると思います。
まず私が用意した6つの基本的な質問にバラーアさんにお答え頂き、それを見て建築士のshiitakeさんに専門的な観点からご質問いただく事になりました。
インテリアデザインの夢を諦めないガザのバラーアさんと日本人建築士・shiitakeさんの往復書簡がこうして叶いました。まずは第一弾をご覧ください。

Q1.なぜインテリアデザインを専攻に選んだのですか?
Why did you choose interior design?
ーA1. 「私がこの専攻を選んだのは、子供の頃から
建物のファサードを描いたりデザインしたりする才能があったからです。
絵を描く才能を開花させ、いつかこの分野で創造性を発揮できると信じているので、インテリアデザインと装飾を学ぶことに決めました。私は想像力豊かで創造的なアイデアがあふれていると自分でわかるからです。」
※ファサード:建物の正面のデザイン
“I chose this major because since I was a child I have had a talent for drawing and designing building facades. I developed my talent for drawing and decided to study interior design and decoration because I have confidence that one day I will be creative in my field because I have imaginative and creative ideas.”
Q.2 ガザの大学はUNRWAが運営しているのですか?
Is the university in Gaza run by UNRWA?
ーA2.「私の大学は UNRWA の支援を受けていません。ガザの大学は一般的に UNRWA の支援を受けていません。」
“My university is not supported by UNRWA.. Gaza universities in general are not supported by UNRWA.”
Q3.What was the atmosphere like at the university?大学の雰囲気はどのようなものでしたか?
ーA3.「大学の雰囲気はとても素晴らしく、学習や仕事のモチベーションが上がります。そこではとても楽しい時間を過ごしました。」
“The university atmosphere is very wonderful and motivating for learning and work. I spent very enjoyable times there.”
Q4.あなたが好きなデザイナーや建築家を教えて下さい。
Please tell us your favorite designer or painter.
ーA4.「私はイラクの建築家ザハ・ハディドの作品が好きです。私も彼女のようなすばらしい作品を目指してがんばります。
私は、シュルレアリスムや有機建築派などのインテリアデザインのオールドスクールが大好きです。最も重要な先駆者の 1 人がフランク•ロイド•ライト (代表作の1つはペンシルバニア州の落水荘) で、その外装建築デザインは、未来派のインテリアデザイン学派 (Joe Colomboが重要なパイオニアです。彼の作品が大好きです) と同様、素晴らしいです。

“I prefer the works of the Iraqi architect Zaha Hadid. I strive to achieve wonderful works similar to her works.
I love the old schools of interior design, such as the Surrealist school of fine art and the Organic school, one of the most important pioneers of which was Frank Lloyd Wright (he designed the Fallingwater House in Pennsylvania), and his exterior architectural design was wonderful, as well as the Futurist school of interior design (one of its most important pioneers was Joe Colombo, and I loved his works)”.
Q5.パレスチナ出身であなたにインスパイアを与えたアーティストがいたら教えて下さい。
If there are any Palestinian artists who inspire you, please let me know.
ーA5.「エンジニアのアミール・アル・カルナウィは、私のロールモデルであり指導者です。私は彼のエンジニアリング事務所で彼から訓練を受け、経験を積み、そこで彼と一緒に働きました。」
“Engineer Amir Al-Qarnawi is my role model and mentor in design, as I trained and gained experience from him in his engineering office, where I worked with him.”


Q6.大学の課題で難しいものはありましたか?
Were there any difficult university assignments?
ーA6.「 もちろん学生時代は大変な時期もありましたが、大変でも美しいです。
目標、夢、夢を達成するための情熱を持っている人は、困難なときでも諦めず、むしろそれは継続する意欲を与えてくれます。私も同様です。大学の勉強や仕事に戻りたいと思っています。」
“Of course, I went through difficult times during my studies, but despite their difficulty, they are beautiful. Anyone who has a goal, a dream, and a passion to achieve their dream does not give up during difficult times, but rather they motivate them to continue, and so do I. I hope to return to my university studies and my work.”
ここまでのお返事を見て、バラーアさんがこの困難な状況の中でも、「決して夢を諦めない」と強い情熱と自信を持っていることに強い感銘を受けました。
バラーアさんはいつも優しく情緒が安定しています。ガザの方達は時折激しく情緒不安定になります。それが当然だと思いますので、ガザ南部はやはり他のエリアより安全なのかと思いましたが、バラーアさんのお住まいのエリアは南部でも危険な地域だと知りました。避難しないのかお尋ねしたら「もう慣れたから」とのお返事がありました。「必ず夢を叶える」その信念に満ちています。
「あなたのイラスト使って、チャリティグッズを作りたい」と提案したところ、とても喜んで下さいました。近いうちにこちらも販売できるよう準備を進めますので、どうぞよろしくお願いいたします。
バラーアさんはとても優しく純粋な方でいつもこちらを気づかって下さいます。
きっと素晴らしい芸術家になると信じています。
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?