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Tears Are Falling(Japanese Ver.) / NCT WISH から見る、アイドルとオタクの望ましい関係
耳を澄ましたら 君の声がするから
That's why I love when tears are falling
NCTに関しては正直ほとんど知識がありません。WISHについては、ファン(シズニ)のみなさまが作った面白い動画を見て知りました。声を出して笑いました。「君は…アスパラガス。」
全曲聴いてみようと思い、片っ端から聴いていたところ、これに一番気持ちを持っていかれました。
最初の印象深いパートで聞こえてくる音が、どことなく私が所有しているOPPOのデフォルトの着信音に似ていて、「お!?」と耳が動く。ユウシ君の、ひとつひとつを拾い上げるような丁寧な声に、「綺麗だなあ」なんて思っていた。でも、ちょっと待って。これはとんでもないことを言っているのではないか。
「涙」が歌で扱われるのは、ふつう「泣くな前を向け」とか「涙があるから強くなれる~虹がかかるよ」とか「男たるもの、泣くな!!」とか、そういう文脈だと認識していた。「涙」についてではなく、「涙に派生する事象」(涙の理由となる出来事、涙を流す主体など)が主役である。涙はサイドメニュー的存在だ、と。
でも、ここでは違う。"I love when tears are falling"とはっきり言っている。え、love!?そうきたか、そう考えてもいいんだ。
しかも、「君の声がするから」なんだそうだ。涙を流すときに聞こえる「君の声」。「君」は「僕」にとってそれだけ大切な存在なのだろう。いいなあ~
ここで、「涙を流す」のはきっと辛かったり悲しかったりするからなのだろうが、そこには「幸せ」すらあるように思える。
耳を澄ましたら 僕の声がするから
That's why you laugh when tears are falling
君と一緒だったら どんな日も愛せるから
That's why I love when tears are falling
ここも同様。今度は、「君」も「僕」をそれだけ大切に思っていると判明する。いいな~
純愛ですね。
Call me If you’re lonely
Call me If you’re lonely
Hold you by my humming
Hold you by my humming
Always I’m your side when Tears are falling
この最後のあたりから、私の考察が進んでいく。
「さみしかったら思い出してよ」
「歌(声)で包んであげるから」
「涙が流れ落ちるとき、いつでもそばにいるよ」
*callには「呼ぶ」「電話する」などの意味があるが、ここでは「思い起こす」という用法で訳出してみる。
私は以上のように解釈した。
これは、アイドル目線でもあり、実はオタク目線でもありそうではないか。
hummingはアイドルが届ける歌声でもあり、またオタクの掛け声(応援)でもありそうだし。
アイドルは、オタクにコンテンツを見せたりトレカを持ち歩かせたりする(便宜上、表現が雑になった、、汗)ことによって。オタクは、ライブに行ったり温かい言葉を届けるなどのオタ活をしたりすることによって。お互いを支えあうことができる。
たとえ涙が流れるときであっても、推しがいるから/ファンがいるから、その瞬間すら愛おしい。
最近、過激なファン(もはやファンとは言えない)の起こす一線を越えた行動が取り沙汰されることが多い。この曲は、一度立ち止まって、アイドルとオタクの健全な関係を考えさせてくれる。
過干渉せず、互いを思いあえるのが一番いいよね。
他にも素敵な歌詞があります。彼らの声は温かい。曲自体も良いです。ぜひ聴いてください。
NCT WISHのみなさん、応援しています。