飲み干せるすき焼きが理想-滋味深いケの日のすき焼き
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すき焼きにテンションが上がる人生ではなかった。
若い頃は太りたくなかったのですき焼きなんて恐ろしい食べ物だった。
結婚して文化が変わった。夫の実家では、お正月は決まってすき焼き。牛脂はやっぱり美味しい。
しかし未だ受け入れ難いのは、すき焼きの汁の甘さ。今でこそ料理において砂糖の良さも認めているものの、これまで砂糖なし!薄味!人生を歩んできた私の舌には刺激が強すぎるのだ。そんなに甘く濃くなくても、と。
そこで今回作るのは、飲み干せるすき焼きの汁。
ちなみに砂糖なしでも作ったことがある。私はそういう料理、として美味しく食べれたが、すき焼きを想像していた夫の舌には残念だったよう。
なので今回はきび糖大さじ2を使って、すき焼きらしさも捨てない汁レシピ。
市販つゆやたれを買うことはない。
自分好みに調節できるのが手作りのいいところ
つゆ
私のすき焼きつゆ論
✳︎昆布と椎茸だしで甘く
✳︎かつおは旨み
✳︎牛肉で甘く(なるが今回は豚)
✳︎葱で甘く
✳︎具材の牛蒡もだしのうち。深み。
❶まず昆布と椎茸。水出しなら1日浸けておくだけ。椎茸は2日のほうがよく出る。
そして取り出して❷かつおの工程へ→
だが予定外のすき焼きにより、水出ししていな い! そんな私と同じ場合はこちら⬇︎
❶昆布と椎茸は最低でも30分は水に浸けたい。
ふつふつ手前、決して沸騰しない火力で20分。昆布だけ取り出す。椎茸居残り。
❷火力を上げて沸騰寸前くらいにし、花かつおを放つ。2分で火を止め、濾す。
ここで置いたままにすると雑味が出る。
さらしで濾すとクリアでやはり美味。
でも今日はケの日なのでザルだけでいいや。
❸さて調味料だがここで全部入れはしない。さしすせそ大事。
分子の関係で味染みが悪くなったり具材が柔らかくならなかったりする。
だしで煮る→砂糖で煮る→味醂、醤油で。
この辺は具材とも関わるので、具材の項に書く。
具材
この日すき焼き味にしたかったのは、豆腐屋さんのおいしい分厚い油揚げに出会ったから。これが味わえれば良かった。だから肉は肉の為ではなく油揚げ、汁の為の肉。あとは家にあったもの。
特におかしな具材厚切り大根。これは実は、出て行く予定だった。大根ステーキにしようとして、煮るときだけ同伴させてもらった。が、美味しそうでそのまま居座ることにした。
❶大根は上の部分を。厚切り輪切と半切りに。
※輪切丸ごとは翌日まで残した
❷葱の青い部分は他の料理で取り残されがちだが、ここが活躍のとき。とろっと美味しくなるので存分に。
❸牛蒡はピーラーで薄く。肉に絡めて食べる感じ。
白菜は大きめざく切り。
❹大根だけ明らかに火が通りにくいので単独先発するべきだが、面倒なので春菊以外全部入れ、中弱火で15分。
肉は直前で良いのだが、冷凍だったので始めから。急な加熱で繊維が縮みパサついてしまうので水から煮る。
❺きび糖大2を入れ10分
❻味醂大1,醤油大2を入れ10分
茎の太さにもよるが春菊は仕上げに入れる。
いただきます。
はぁぁ滋味深い。
旨みをたっぷり吸った白菜、最高。
私はこのくらいまでの甘さ、濃さならスープも全て飲み干したいと思える。
こんなに色々な旨みが溶け込んだ汁、飲み干さないすき焼きなんて勿体ない。
すき焼き特有の、卵に浸けて食べたい、という場合は薄いので醤油や砂糖を多めにするとよい。
ふっくらした椎茸は出汁に使ったもの。最後まで居残り。
生の椎茸より強くぷりっとしている。軸は硬いがかさは美味しくいただけます。
私が砂糖を使う料理はこれ位かもしれない。鍋と紙一重だけど違いはそこ。
すき焼き味が食べたい!という夜に🌙