イエスタデイ 滑らかな生活
東京という街
地元に帰るとわかる
いつでも明るい景色が広がる街
自分から何かを求めずとも楽しめる
何も考えず一日を消費するには丁度いい街
そういう過ごし方をしていると、積み上げたものの少なさに驚愕する
これまでこれといった苦労もしてないし、大きな挫折もなかった
そういう人生にならないように進んできたのかもしれない
自分はきっと、こういう生き方が得意だ
自ら作り上げた生活圏。
この中にいれば、そんなに悩むことも辛いこともなく毎日を送れるだろう
心の奥にある弱さがこの生活圏を徐々に形成した
年に一度帰る東北の地元で、
痛いくらいの冷たい空気が鼻を抜け喉を通り、肺の奥まで届く感覚。
住み慣れた街並みと、どこへ行っても変わらないこの均一的な空気感は
作り上げたこの囲いと似ていて安心してしまう
東京へ戻り、その外で過ごす人を目にする。
自分は弱いなと思う
東京でもまた、躓く事のない、整えられた生活の上を歩いていると。
今年は、少しずつでいいから、外を歩いていきたい
それができたら、それまであった古い囲いも
とっておこう
重ね着をして、暖かくして、そのさらに外を歩けるように
地元の夕方のチャイムはビートルズのyesterday
相変わらず外は物凄く寒いけど
変わらないサイレンの音で聴くこの曲を、
次は少し暖かくして聴きに帰ろう。