これからの性教育の話をしようvol.1 遠藤まめたの場合
こんにちは、佐原チハルです。
突然ですが、はじめに。
これまでnoteでは、「性」に関する記事をしばしば執筆してきました。
妊娠するまで私は、ちょっと変わった場で性教育をする(ような感じの)仕事をしており、
またその仕事をする前からも、ごく個人的に勉強会を開くなどして、性教育(のような感じのもの)をする場所を作ってきていました。
つまり私は、「性教育にけっこうな関心がある人」です。
それは、「性教育ってもしかしてすごく大事じゃない?」「なのに、どうして自分は性教育という性教育を受けられなかったんだろう?」という想いが、ずーーーっとずーーーっとあったからです。
言ってみれば、私は「元・性教育(みたいな感じのもの)界隈の人」なわけです。
しかし、妊娠し、出産し、今度は保護者として子どもに性教育をする立場となってみてわかったのは、
「この子にどうやって性教育をしていけばいいのか」
を考えるための材料が、ものっすごく少ない、ということでした。
「正しい知識」はどういうところからとってくればいいのか、
などは、昔とったなんとやらのおかげで何となくはわかりますが
いつから、何を、どうやって伝えようか
なかなかイメージすらできません。
無理もありません。
妊娠・出産を経てから私たちを取り囲む情報の中に、「性教育」に関するものが、ほとんどなかったのですから。
それで、思ったのです。
「元・それっぽい界隈人の私ですらそうなのだから、世の中のママ・パパ・新米の先生たちは、もしかして、ますますそうなんじゃない??」
「マイノリティのこととか、モラルとライツと医学の話とをごっちゃにしないで話すこと、たぶん難しいよね??」
と。
そこで今回、シリーズとして
『性教育の話をしよう』
という記事たちを書いてみよう、と企画しました。
企画『これからの性教育の話をしよう』は、その名の通り「これからの性教育がどういうものだったらいいと思うか」を、みんなで考えていくためのものです。
日頃からいろいろな形で“性”について関わり、活動している人たちの声を聞くことで、これからの性教育を考えていくためのヒントを探していけたらいいなと思っています。
そんなわけなので
性に関して活動したり発信したりしている人たちに、「今までどんな性教育を受けてきたのか」「性教育の問題点とは?」「今後の性教育には何が必要と思うか」などなど、性教育をする前にぜひ考えておきたいポイントについて聞いてみました。
シリーズ第1回は、佐原の前職での同僚でもある、友人の遠藤まめたです。
(遠藤まめた;草笛がふけそうでふけなかった図)
*
質問一覧
Q1、ではまず、自己紹介をお願いします!
Q2、まめたは、義務教育ではどんな性教育を受けてきた?
Q3、義務教育が終わってからは、性教育を受けてきた記憶はある?
Q4、いま「性」や性を取り巻く現状について思うことはある?
Q5、これからの性教育に望むこと、理想の性教育っていうと、どんなものを思い浮かべる?
Q6、理想の性教育ために必要なもの、もしくは邪魔なものって何だと思う?
Q7、今後「性」や「性教育」についてやっていきたいと思うことはある?
Q8、保護者・教育者・NPOなど、性教育をする側の人たちにおすすめの本・作品があったら教えて欲しい!
*
Q1、ではまず、自己紹介をお願いします!
A1、LGBTの子ども若者支援をしている遠藤まめたです。
トランスジェンダーで、生物学的には女だけど、アイデンティティとしてはどっちかというと男性。
学校の先生とか、子ども・若い人の近くにいる大人の人たちに、多様な性について知ってもらう活動をしつつ、子どもたちの居場所づくりをしています。
佐原;居場所づくりって言うと、たとえばどういうこと?
まめた; 月に一度、池袋保健所の1階でやっている「ふぉー・てぃー」の協力で、10代から23歳ぐらいまでのLGBT(そうかもしれない人も歓迎)がただで集まって遊んだり話したり漫画を読んだりできる「にじーず」(http://24zzz.jimdo.com/)という集まりをやってるよ。「ふぉー・てぃー」は、東京都がやっている10代向けに性の健康やHIV/AIDSについて知ってもらうための団体。
佐原;なるほど。ところでまめた、何冊か本出してるよね?
まめた;出してる。共著だと『思春期サバイバル 10代のときって考えることが多くなるきがするわけ』(2013年はるか書房)、著書『先生と親のためのLGBTガイド もしあなたがカミングアウトされたなら』(2016年合同出版)は、素晴らしい本だからぜひ買いましょう。
佐原;買いましょう。
Q2、まめたは、義務教育ではどんな性教育を受けてきた?
A2、覚えてない!
佐原;あー、そういう感じかー。
まめた;ほとんど寝てた。自分はトランスジェンダーだからというか、自分の体への嫌悪が強すぎて、性教育とか精子とか卵子とか血が出る(生理)とか「あー耳にするの、しんどいわ!」って感じだった。
佐原;それはしんどいな。
まめた;自分、いまアラサーだから義務教育の頃って15年以上前でしょ。当時はぜんぜん LGBTについての情報がなくて、人生詰んでたなー (遠い目)
親も先生も何も知らない中で、セーラー服を着たり、変わっていく自分の身体にすごく嫌悪感があったりする10代を過ごしておりましたよ。胸がゆれるからハミガキしたくないみたいな。「女体化していく自分はなんなんだろう」って問いがクリアされなきゃ、どんな情報も入ってこなかった気がする。ぜんぶ他人事!
佐原;まめた的には“LGBTの情報”って、何歳くらいから知れてたらよかったと思う? なんとなく小学校高学年ぐらいをイメージしてる人が少なくない印象が私の中にあるんだけど。
まめた;発達段階に応じた教え方ガイドラインはあるよ。(アメリカ性情報・性教育評議会(SIECUS)による性教育ガイドラインのうち、日本国内で該当する部分のみ抜粋したもの)
「LGBTはこういう人」みたいなマイノリティの人だけを扱う教え方じゃなくて、人にはそれぞれ居心地のいい付き合い方とか恋愛の仕方があって、一人ひとりちがっていいよ。みたいな。
あるいは、自分の好きなあり方は自由に探していいし、性別についても「男や女はこうあるべき!」っていうのに縛られない在り方があるよってことを、具体的なイメージがわくような形で知りたかったなぁ。
佐原;当時の授業で何か印象に残ってることとかある?
まめた;小学校の高学年のとき、二次性徴の授業があったんだけどさ。男女それぞれが成長していく裸の図が教科書にあって「これはエロい!」とか思ってたんだけど、エロくてうれしい半面(笑)自分がどっちの絵にあてはまるんだろうって漠然と謎に思ってたな。
女子にあてはまると思ったことはたぶんなかったんだけど、でも男子にあてはまるのかというと自信もなくて(これから変化して男子になるかも、みたいなファンタジーもあったんだけど)、もはやあんまり考えたくなかった。
そのあと中学に入って、妊娠出産の授業とかもあったんだけど全部寝てたよね。自分が女子として一生生きていくことが考えられなかったから、気持ち悪いとしか思えなかった。
で、中学3年生のときに「あー自分は一生このままいったら女の身体なんだ」と気が付いた瞬間があったんだよね。廊下を歩いているときだったんだけど、その事実を雷に打たれたみたいに悟った瞬間があって。その瞬間、自分は生きていけないんじゃないかって絶望した。中3、気づくの遅えよって感じですけど。
ほかに一度、女性の先生が自身の出産体験を話してくれた回があったけど、その先生が「破水して車椅子に乗せられて、ぬるっとして…」ってところで、脳貧血で倒れたこともあった(笑)寝る姿勢を間違えて酸欠になったんだと思う……。
佐原;あぁーーーしんどさ積み重なるーーー!
Q3、義務教育が終わってからは、性教育を受けてきた記憶はある?
A3、どんな男を選ぶかと、たぶん避妊?の話。
まめた;高校でもやっぱり寝てた。というか、当時ほとんどの教科で寝てた(笑)
覚えてるのは、女子校だったせいか、保健の授業の最後に“いい男の選び方”みたいなのを先生がやって、大盛り上がりだったんだけどね。超アウェーだったなってこと。
佐原;それちょっと詳しく聞きたい。
まめた;「あんな男はダメ!」とかを、たしか“さしすせそ”の語呂合わせかなんかで言って、クラスがどっとわく授業なの。すごく怖かった。
佐原;怖かったっていうのは、「エグいなー」みたいなこと?
まめた;生々しい話をいきなり聞かされて、ぐえってなったよ。ヘテロ女子の恋バナに耐性がなかったんだと思う。単に避妊しない男がダメ、とかじゃなくて、ケチな男はダメだとか、草食っぽいのはダメだとか、こういうやつはマザコンだとか。
まわりの生徒がすごい盛り上がってる中で、「自分は選ばれないタイプの男だろうな……」など思いました。悲しい。
佐原;選ばれないタイプだろうって思ったのはどうして?
まめた;高熱出したことある男は精巣が高温でやられてしまって不妊かも、気をつけろみたいな話もあったし(※1)、不妊だとダメなんだって思って。悲しかったな。草食だし。
あと「どの男がよくてどの男がだめだ」という話がくりひろげられている空間に、ぽつん、と自分がいて、自分も男だって想定されていない時点でもう、世界中の女性からはアウトオブ眼中もいいところなのだと、世をはかなみたくなりました。
アラサーになった今思えば、世の中いろいろだし、実際にはそんなことなかったけどね!
Q4、いま「性」や性を取り巻く現状について思うことはある?
A4、LGBTブームもいいけど、フェミニズム来い!
(「フェミニズムはみんなのもの」を持論とするまめた)
佐原;フェミニズムの話、うちらが同じ職場にいた頃(7〜8年前;2017年現在)からちょくちょく言ってるの聞いてた気がする。フェミニズム大事っていう点、まめたは一貫して言ってるイメージがあるよ。
まめたにとってのフェミニズムの定義って何?
まめた;フェミニズムって、女性が男性からなにかを奪い取るイメージで語られがちだけど、ちがうよね。自分にとってのフェミニズムは、この社会に住んでいる誰もが、無意識に男らしさ・女らしさのイメージにしばられて不自由になっている部分を、もういちど取り戻すこと。
性別について考えていいんだ、当たり前のことを疑っていいんだってことは、21世紀の世の中でもまだまだ全然「目からウロコ」のことだと思う。だからフェミニズムは女性のためだけのものじゃなくて、みんなのためになるものだと思う。
でも「みんなのもの」でありつつ、一方では大体の女は性暴力にあわないように気を付けて夜道を歩くけど大抵の男はそうじゃないとか、異性愛者はフツーに職場で自分の家族の話をするけど同性愛者は「パートナーが急病で倒れたから休みたい」とかも口にしづらいみたいに、特定の人ばかりに押し付けられているしんどさもあるよね。
そういうことをきちんと考えて、まわりの人と話したり、ときどきは自分の言動や行動を変えたりできる人がフェミニストかな。
“フェミニスト=女”のイメージがあるかもしれないけど、女でも男でもそうじゃない人でもなれる、という意味で自分は捉えてる。
佐原;誰もが“らしさ”を内面化してる、ていうのがポイントだろうかね。
まめた;「多様性はあなたの中にあるんだよ!!!」って100回ぐらい言いたい(笑)別にね、LGBTだけが多様でもなんでもないですから!!
LGBTとか“多様な性”に関心を持ってくれる人が増えてるのは、すごくうれしい。でも授業とかで呼ばれて高校生や大学生と話してると、LGBTに関心あっても、自分の中にある男らしさ・女らしさ規範についてはあまり考えたことがない人が多い印象があるんだよね。そこを考えてみるともっと面白い。
女は合コンでカシオレを頼んだほうがかわいいとか、男をたてたほうが賢いとか、男は女をリードしなきゃいけないとか、全部一度まっさらにひっくりかえしちゃったらどうかな。飲みたきゃ女がビール頼んでも、男がピーチウーロン頼んでもええがな(笑)
本当は自分の性について考えてほしいなーと思ってます。
「アライになろう」もいいけど、フェミニストになろうよ!!
佐原;男らしさとか女らしさとかの規範についても、性教育の範疇だと思う?
まめた;うーん性教育をやる人がタッチできるかどうかってなると、それは難しい質問だね。やること膨大だし、下手にジェンダーとか交際のことふれるより、単に性感染症の話なら「ここに粘膜と粘膜があります。粘膜どうしがふれるときは気をつけましょう」みたいなシンプルな話のほうが伝わりやすいこともあるしね。
だから、性教育の時間でどこまでカバーできるかは学校次第かもしれない。でも、学校教育のどこかでは触れて欲しいなあ。
日頃の会話でも、そういうことは伝えられるよね。デートDVとかは性教育と一緒にやっているから、それと同じように扱えるんじゃないかな。
Q5、これからの性教育に望むこと、理想の性教育っていうと、どんなものを思い浮かべる?
A5、ちゃんとしなきゃの“脅し”じゃなくて、オーダーメイドで。
まめた;少なくない性教育に、どこかに“脅し”や緊張がある気がする。エロいことを話しているのにエロいと言うと怒られたり、妙に真面目に話したりするでしょ。真面目に話すのはいいんだけど、もう少しゆるさもほしいと思ってる。
性にはいろんな要素があるけど、愛と生殖ばかりが強調されて「失敗すると怖いんだよ」「性のダークサイドには堕ちるなよ」というメッセージが発信されている授業も見たことがある。「素晴らしい性」と「ダークサイドの性(消費、快楽)」みたいな授業とか(笑)
だけどさ、両親に望まれずに生まれてきた子とか、性感染症になったかもしれない子とか、ノリでセックスしてる友達を知っている子とかが、すでにクラスにいるわけじゃん。
佐原;中絶とかもね。
まめた;だから「いろいろあるけど、大人も失敗するし、模索しよう。付き合っている人がおかしかったら、他の人にきいてみるといいよ。で、最低限これは知っておいてね」ぐらいの包容力がほしいな。
そのためには、学校や教える側もゆるくある必要があるのかも。“ゆるい学校”って難しいかな。がんばれ先生!
佐原;教える側としては、ガチガチに画一的に教えるので済むんだったらその方が楽でしょうね。と思うことはある。恐怖心を煽って、いわゆる性的な行動しないようにしようって論は今も強いよね。
まめた;「もし病気になってしまったら」とか、デートDVが怖いんだよとかも。大変なのはわかるんだけど、あまりに怖くて清く正しい授業だと、いざ自分がそうだって場合には言い出しにくい。
あと「愛されて生まれてきたんだよ」とかも。愛されて生まれてこなかったかもしれないし、愛し合ってるのに不妊かもしれないし。どうすんだ。
佐原;愛と妊娠と出産とは、それぞれ別の話だしね。
まめた;「こうあるべき」って言われるより、知りたいときに必要なことを、自分のペースで学びたい。
自分の場合、トランスジェンダーってこともあって、落ち着いてみんなと一緒に同じメニューで授業受けるのがしんどかったから、あとから見られる何か、性教育ポータルサイト?とかがあるとよかったかも。あとでこっそり学べる教材。
そういうニーズって、別にトランスジェンダーじゃなくたってあるんじゃないかな。みんなと同じ教室だとドキドキして学べないけど、あとから知りたいとかさ。自分の部屋で「エロサイト見よう」って思った時と、同じテンションで見られる感じのものとか!(※2)
Q6、理想の性教育ために必要なもの、もしくは邪魔なものって何だと思う?
A6、不正確な情報
まめた;性教育っていう枠からは外れるかもしれないけど、インターネットとか雑誌とか、みんながしゃべっていることの中に、不正確な情報やファンタジーやデマが入ってるよね。
だから、そうじゃない情報も同じように「教育」なんて堅苦しい感じじゃなくて手に入ったらいいな。もっと手軽に、楽しく!
佐原;「そうじゃない情報」っていうのは、正しい性情報ということ? コーラで膣を洗うとかイク時だけゴムすれば妊娠しないとか、そういうのは嘘だよ、って。
まめた;ははは、コーラ洗浄!!それもそうだし、あとは性規範についてもそうかもね。
たとえば「女はイヤだって言ってても本当はOK」とか「下着の色で相手がやりたいかどうかがわかる」とか、そういう話があまりに多いから「ちげーよ!」って伝えるべき。
自分はきょうだいがいて、部屋に転がってたホットドックプレスとかを中学のときに読んだけど、中には真に受ける子も出てくるわけじゃない?AV女優だった紅音ほたるさんが、潮吹きするために水を何リットルも飲んでたからみんなは真似しないでねって話(※3)を引退後にしてたけど、そういうエピソードも知られてほしいな。
佐原;ファンタジーの打破だね。
まめた;うん。あと前に、高校生に「顔射は性暴力ですか」って聞かれて困った先生が「結膜炎になるかも」って答えたって話を聞いたことがある。回答するかどうか迷ったけど、その子は本当にしちゃうかもしれないから、その質問をひろったんだとさ。
佐原;その回答好き!
まめた:でも、こういうやりとりができる学校ばかりでもないと思うから、どこかにきちんと載せたい。「結膜炎って知ってる?」って。
佐原;まめたは、“性教育”って言葉にどういうイメージを持ってる?
まめた:一言で言うと「まじめ」かな。きちんとしなきゃいけない。楽しくなさそう。エロいことを扱ってるのに、エロいテンションでは話してはいけない(笑)
佐原;その感じわかる。じゃあ“性教育をしている人”“性教育の場”だとどう?
まめた;自分は『ふぉー・てぃー』(注4)で働いていたから、なるべくゆるい場でチャラい話し方をしてたけど、それは性教育について考え抜かれた集団だったからできたことだとも思うのね。保健室にカントリーマアム大量に持ちこんで、授業の前にperfume流して「さあだべろうぜ」とか。先生らしくない、だから話せるみたいな。
でも、そういう「性教育マニア界隈」に行くまでは、自分の中での性教育のイメージって「年齢が上の女の先生が、異性愛の話をしている」ってイメージしかなかったな。
(こぐまちゃんたちとゆるゆるしているまめた)
Q7、今後「性」や「性教育」についてやっていきたいと思うことはある?
A7、ジェンダーとか、多様性についてみんなで考えたい
まめた;LGBTもそうだけど、ジェンダーとか多様性についてみんなで考える場を作りたい! ゆるいつながりを作りたいな!
佐原;ジェンダーの話は重要だよね。
まめた;中高生だと、もう周りとのやりとりの中でジェンダーの決めつけとかホモフォビアとかに触れてるよね。ジェンダーについて興味を持ったことへの周囲からの反応答えとか、周りからのリアクションで傷ついたこととか。それぞれ自分たちで考えて対処して、日々を生きてる。
「こんなことが興味ある」「気になる」ってことを言語化したり、多様なジェンダーやセクシュアリティ人たちがいることについて改めてみんなでディスカッションしたりできる授業があれば、みんななりに日々をサバイバルするのに有効かもって思う。
佐原;中高生がすでに触れているセクシュアリティに関する話題について、具体例って言ったらどんなものがある?
まめた;たとえば、好きな人に告白したら同性愛者だって学校で言いふらされてしまった中学生とか、仲良くつるんでいたグループに何人かLGBTの子がいて、でもかれらが本当にそうなんだってわかったときにはびっくりした、みたいな話は聞くなあ。
この前面白かったのは「クラスの男子ふたりがつきあっていて、そのカップルがふたりっきりではディズニーに行けない(クラスの人に見つかったら困る)から3人で遊んだ。でも私、邪魔じゃないかと思った」って話とか。身近にいるんだよねー。
佐原;そういう話をするのって、やっぱりディスカッションがいいのかな。ネットの文章とか、本・漫画を読むとかじゃなくてディスカッションの方が良さそうって思った理由はある?
まめた;実際に集まって言葉を交わせたら、「あー、こういうことって周りの人と話していいんだ!」って思えてすっきりするんじゃないかな。
Q8、保護者・教育者・NPOなど、性教育をする側の人たちにおすすめの本・作品があったら教えて欲しい!
A8、『先生と親のためのLGBTガイド 〜もしあなたがカミングアウトされたなら』
『先生と親のためのLGBTガイド もしあなたがカミングアウトされたなら』(2016年合同出版)
佐原;最初におすすめしてもらった本だね。
まめた;子どもと触れる可能性がある、すべての大人にオススメしたい。「これを読めばさすがにいろいろわかるはず!」っていう内容になってると思う。
佐原;おすすめポイントは?
まめた;“LGBT”を排除しない性教育とか日頃のやりとり、“LGBT”の子どもたちと関係していく時に必要な情報は、全部載せた。これがあれば大丈夫!!
佐原:豪華!
佐原;じゃあ最後に、ここまで読んでくれた人にメッセージ・コメントをお願いします!
まめた;もっと楽しく、ゆるやかで、自分のことだと思える「性」のメッセージが日本中にどんどん増えていくといいな。そのためのアイデアや感想があったら、ぜひSNSなどでシェアしてください!
以上、遠藤まめたでした。
まめた、ありがとうございました!
※1;おたふく風邪に罹患したあとで高熱が続いた、ようなケースが想定されている話と推測されます。
参考URL;http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa05.html(一般社団法人日本生殖医学会 不妊症Q&A > Q5.どんな人が不妊症になりやすいのですか?)
※2
性規範へのカウンター的意味合いの強いフェミニスト・ポルノについても近年、話題になることが増えてきました。
http://heapsmag.com/women-porn-director-give-us-an-alternative-to-mainstream-porn-Erika-Lust
SWASHさんの講演会「セックスワーカーの安全、健康、権利 オーストラリアとアメリカの運動から」でも、フェミニスト・ポルノ(フェアトレードポルノ)についての話題がありました。
参加した際の報告はコチラ
※ 3 参考URL;https://am-our.com/sex/173/7554/
潮吹きの安全性含め医学的根拠については、上記トークでは保証されてはいないものと思われます。
※4「HIV/AIDS情報ラウンジふぉー・てぃー」は、東京都が若年層に対し、HIV/エイズをはじめとした性感染症についての予防啓発を行うために設置した、常設の情報ラウンジです。池袋保健所1階「エイズ知ろう館」内にあります。(事業の管轄は池袋保健所ではなく、東京都福祉保健局健康安全部感染症対策課です)
佐原とまめたは、そこで一緒にお仕事していました。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/aids/4t.html
※本記事は、遠藤まめたからもらった回答を元に、インタビュー風に記事を作成したものです。
<遠藤まめた プロフィール>1987年生まれ、横浜育ち。
トランスジェンダー当事者としての自らの体験をきっかけに、10代後半よりLGBT(セクシュアルマイノリィ)の若者支援に関わる。
ホームページ;http://endomameta.com/
以上、全文無料でした。
※100円の支援をいただけると、「缶コーヒーの1杯くらいおごってやってもいいよ」と思っていただけたんだな、と感じて喜びます。
※2300円の支援をいただけると、この記事を作成する時間分、子どもを安全な環境に預けるのに必要な保育料程度のカンパになります。
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