ロマン主義についての調べもの
現在、六本木の国立新美術館で開催中の「テート美術館展 光」を観に行き、ロマン主義に興味が湧いたので調べてみた。
ロマン主義とは?
1770年頃~1850年頃のヨーロッパで流行し、個人の感情や主観を重視した芸術様式。
「主義」や「芸術様式」と言われると掴みづらいけれど、
「多くのひとが感じていた価値観(多くのひとが価値を置いていたもの)」
と考えてみるとわかりやすい。
つまり、ロマン主義とは
1770年頃から1850年頃まで、ヨーロッパのひとたちは理性や合理ではなく、個人の感情や主観が大切だと思って、それを表現する作品つくってたよ
ということもできる(雑なまとめ方だけど)
なぜ個人の感情や主観に価値が置かれたの?
では、なぜ1800年頃のヨーロッパの人々は「個人の感情や主観が大切だ」と思い始めたのか?
その背景には
①貴族社会への反発
②近代科学への反発
があった。
貴族社会への反発の契機となったのは、1789年に起こったフランス革命だ。言論規制や貧富格差への反発から市民革命が起こり、ブルボン絶対王政が倒れ、共和政治が誕生した。
また1750年頃からイギリスでは「産業革命」が起こる。
・手で品物を作ること(手工業)を代替する、機械が発明され
・馬車などを代替する、鉄道や蒸気船が出現した
現代の視点から見れば、なんとも思わないかもしれない。
けれど、現代で言うところの
・手書きでのイラストを代替する、生成AIが発明され
・物理的移動しなくて済む、オンライン会議ツールが出現した
と同じで、既存のひとたちは「仕事がなくなのでは…」と不安になったり、反発したりしたのだ。
そういった貴族社会・近代科学など現実への反発から、
「既存の規則や秩序は取っ払い、不確実な自然を信仰しよう」
「絶対権力はなくなった、私たちがどうしたいかが大事だ」
という価値観が生まれてきた。
ロマン主義の作品
ロマン主義の画家
有名なのは
・ウジェーヌ・ドラクロワ
・フランシスコ・デ・ゴヤ
・ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
だろうか。
ウジェーヌ・ドラクロワ
ドラクロアの有名な『民衆を導く自由の女神』という作品。
1830年に起きた「7月革命」を描いた作品で、まさに市民一人ひとりの意思や情動を描いている。
フランシスコ・デ・ゴヤ
ゴヤの衝撃的な作品『我が子を食らうサトゥルヌス』
元々宮廷画家として、美しい貴族の肖像画などを描いていたゴヤだったが、晩年には当作品のように、自身の内側にある闇や狂気を描いた作品を描いている。
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
イギリスのロマン主義といえば、ウィリアム・ターナー。
鮮やかな光の描き方から「光の画家」とも呼ばれている。
この作品では、鉄道への反発ではなく、純粋な鉄道の疾走感など主観的な印象を描いている。
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