卒業制作「新草薙球場改修案〜スズキアリーナパーク静岡〜」
※あくまで学生が卒業制作として計画をした作品ですので、大目に見て頂けると幸いです。よろしくお願いします。
【テーマ】
メジャーの様な自然豊かな緑のボールパーク
①設計主旨
皆様も記憶にある方もいらっしゃると思いますが、以前、プロ野球に16球団構想と言う現存する12球団に加えて新潟、静岡、愛媛、沖縄に新球団を新設しようと言う一時話題になった構想がありました。
その構想が実現化(※ちなみに私は16球団構想反対派です笑)し、有力候補地である静岡にプロ野球球団が誕生したと仮定をし、今回、草薙球場を新しく計画しました。
②ロゴ・ユニフォーム
今回、私が仮定をし、新設した球団名が静岡スズキリカオンズです。
リカオンは世界で一番狩りが上手い動物として知らており、対戦相手をより多く狩れる(勝てる)ようにと言う意味も込めて付けました。
【特徴】<ユニフォーム>ZETT社製で緑を基調とし、メジャーのオークランドアスレチックスをモチーフにデザインしました。<ロゴ>静岡市章のSと親会社と仮定をしたスズキ自動車のSのロゴに静岡の象徴でもある富士山をイメージし、そちらと重ねる様にリカオンのロゴをデザインしました。
③コンセプト
日本の球場の多くには、○○球場や○○スタジアムと言う表現が多く使用されていますが、メジャーではボールパークと言う表現が多く用いられています。
意味合いとしては、単に選手がプレーをしたり観客が野球を観に来るだけの場所ではなく、より多くの皆様に楽しんでもらえるような空間と言う意味が込められているそうです。
また、アメリカにはポピュラス社と言う全30球団のうち23球場の設計に携わっているスポーツ施設専門の設計事務所があります。そちらによると「球場は、聖堂のように、その街の象徴になり、その都市の特徴や、チームの歴史を生かしつつ、他にはない独自のデザインが求められる。」と記載されています。
今回、制作をする上でこの表現を大切に日本にはないような多彩な演出と観戦エリアを設け、静岡の特徴も取り入れたアメリカ風のボールパークをモチーフに計画しました。
【参考例】メジャーのボールパーク
④座席料金表
座席ビューカメラ
⑤全体図
ここからは、今回、私が実際に計画をしたボールパークの紹介です。
このボールパークの一番の特徴がフィールド内から静岡の象徴でもある富士山を全貌見渡せるところです。
フィールドの大きさは、左翼102m、中堅122m、右翼97mの左右非対称のフィールドとなっています。また、メジャー同様にフェンスを低く計画したことで、ホームランも出やすくなる一方、日本では中々見られないようなホームランキャッチが生まれる可能性も高まります。
フィールドは天然芝と黒土仕様にこだわりました。
また、球場の広告には地元静岡の企業を中心に計画してみました。
※野球場の多くは、守備の際に打球が太陽と重ならないようにセンター側が南に計画されている球場が大半です。今回、計画をするうえで、非常に悩んだ点ではありましたが、静岡の立地上、日本の象徴富士山が見れるのが北北東となります。日本のプロ球団が本拠地に置く球場は神宮球場のみセンター側が北北東となるので、今回の計画ではそちらの向きとしました。疑問の持たれた方は大目に見てください笑
⑥バックスクリーン
こちらがこのボールパークの最大のモニュメントとして設けたところになります。静岡の美しい水で清らかな空間を表現したかったので、得点時などにこちらの噴水が上がり、滝からは水が流れ落ちるなどの迫力のある演出となっています。
また、大型スクリーンで一体となった迫力のある演出も行えます。
⑦芝生エリア
静岡は茶畑などの緑豊かなイメージが強く、そちらを表現するためにバックスクリーン横に芝生エリアを設けました。
全席で一番価格が安く気軽に観戦ができるスペースで、樹木が多く立ち並び、真横の噴水やバックの富士山などが間近で見渡せる自然豊かなエリアです。
また、テント席など他の球場にはないような新感覚の観戦空間も設けました。
⑧内野サントリーフィールド指定席
内野フィールド席は、日本のマツダスタジアムと同様にグラウンドレベルより低く設置することで、フィールド目線の観戦エリアとなっています。
⑨ライト外野静鉄ビルバルコニー指定席
ビルバルコニー席は、建物の内部にグッズショップやレストランなどのイートインスペースが入っており、バルコニーから野球が観戦できるようなエリアとなっています。
⑩レフト外野応援指定席(ホーム/ビジター)
こちらも同様に建物の内部にはグッズショップやレストランなどのイートインスペースが入っています。
また、ビジター応援席は、相手球団によってエリア分けがあります。
巨人・阪神・広島戦は①②③のレフト外野全エリア、ロッテ戦は①②の上段全エリア、その他球団は①のみの上段左半分となっています。
⑪レフト外野コカコーラフィールドテラス席
外野フィールドテラス席は、気軽に野球観戦ができるエリアとなっており、2階建てで内部にはバーなどのイートインスペースが入っています。
また、バックスクリーンとは別にもう1つスクリーンを設け、パナソニック社製のアストロビジョンを採用し、より多彩な演出を行うことができます。
また、内部から見るとこの様にフィールの目線のテラス席となっており、ポール際に飛び込むホームランボールなどの臨場感がより味わえる観戦エリアとなっています。
⑫ダグアウト
ダグアウトは、フィールドよりも低くめに計画しました。
また、通路を広くとり、ベンチシートの形式なども含め、日本とは少し違ったメジャー仕様のダグアウトとなっております。
⑬コンコース
コンコースには、洋風のレンガ調でメジャーリーグのボールパークにいるかのような感覚(実際に行ったことないですけど...笑)を味わえる空間を計画しました。野球観戦には欠かせない食べ物や飲み物などをテイクアウトできたり、グッズが買えたりするなどの多彩なお店が立ち並びます。
⑭広場
広場は、センター奥に併設され、試合開始前などのイベントや球場に入れる人だけではなく、少しした隙間からも場内の雰囲気が窺えるのも特徴です。また、大きな試合の開催時にはパブリックビューイングも開催でき、より球場と周りとの一体感が得られる計画となっています。
また、球場外にもグッズ販売エリアが多彩で野球場に向かう際のワクワクする気分が引き立つような外観となっています。
⑮多目的使用
野球のシーズンオフには、球場の形状や天然芝などの特徴を活かし、甲子園ボウルの様な学生や社会人など、アマチュアのアメフトやラグビーの他種目も開催できるなどの多目的施設としても利用できます。
⑯感想
今回、最後まで読んでいただいた方がいらっしゃいましたら、誠にありがとうございました。
自身は、高校から建築学科を学び、二級建築士という大きな目標でもあった国家資格を取得することができました。
就職前の最後の集大成として自身の好きな野球に関連する作品を満足するだけ制作をすることができ、とても充実した学生生活を送ることができました。
4月からの就職頑張りたいと思います。
~ご拝読ありがとうございました~
作:虎愛太(@tigerzett0529)