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極力ローコストで実践PR術、インディペンデントPRマンがゆるりと綴る課題達成のメソッドVol.16

【PRイベントの効果とは#1】

先日、3月17日に俳優の東出昌大さんの記者会見(スタイルは囲みでしたが)が行われ、各メディアがざわついた。会見のテーマは「ご本人の恋愛問題、不倫の謝罪」に関わるもので僕自身には“全くどうでもいい”話題でしたが、ネット、テレビ、スポーツ紙、週刊誌始め相当バズっていたようにみえた。たまたまテレビ情報番組で会見を目にしたが、そもそもこれは映画「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」のPRのための記者発表イベントにて、映画内ナレーションを東出氏が担当したことにより氏がステージ上に登壇、その場を借りての東出氏個人のプライベートに関する囲み会見にフォーカスされてしまったようだ。この映画、僕はかなり関心のあるドキュメンタリーなので映画自体の見どころやアピールポイントが、ナレーターの個人的な色恋沙汰ネタに書き消されてしまった感がぬぐえないのは、映画ファンとしては残念だし、PRマンとしても“映画のPRイベントとしては意味合いがあったのでしょうか”と同情せざるを得ない。もっとも映画主催者、制作委員会が「これで美味しかった」と感じているのであれば何ら問題無い。

舞台挨拶や先行上映イベントには、その出演者である芸能人・タレント・声優は登壇してしかりである。企業の新製品や新サービス発表、キャンペーンイベントでも“対メディアの食いつきがよいのでは”の理由で高額なギャラを払い、芸能人を登壇させるケースも多い。企業の担当者が“芸能人好き”の理由にて登壇させることもあるだろう。

記者発表(イベント)に有名人・芸能人を登壇させたい場合は、実施直前まで、そのキャスティングに充分に思考を巡らせるべきである。特に不祥事後、スキャンダル発覚後、メディアに初登場するようなケースは要注意。「メディアが集まるだろう、美味しい。」なのか。いえいえ、来場メディアはその芸能人が「何をコメントするか。」のみに注視し、そのコメントとリアクションのみがデフォルメして切り取られ報道され、本来PRしたい製品やサービス、映画や舞台の内容など二の次だろう。当たり前です。広告で無いのだから、メディアは企業の宣伝を垂れ流す必要な無いので。

PRマンは記者発表イベントには、登壇者のキャスティング、近況含めて精査して臨むべきであろう。登壇者ギャランティ、会場費、設営費、スタッフ人件費含め経費がかかるわけである。費用対効果無き、メディアは来場すれども意味なきメッセージの会見にならぬよう身を引き締めるべきであろう。2019年に実施したメディア向け活動内容というデータだと、記者説明会(PRイベントより小規模の会)32.8%,PRイベント(芸能人が登壇しない報道向け)21.6%,PRイベント(芸能人が登壇)5.2% ※購読誌広報会議2020年2月号調べ

PRは有名人キャスティングで無しに、伝えたいコンテンツ勝負。

#コラム #ビジネス #広報 #PR  

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