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家に住めない人との旅 【ノンフィクション/ エッセイ】

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愛と病と暴力に翻弄される人間達の記録。全10話。
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#海外生活

家に住めない人との旅 1

家に住めない人との旅 1

今日から数回に渡って、最近行った来たロードトリップについて書いてみようと思います。楽しい旅とは言いがたい、難しい相手との大変な旅でした。何もかもが計画外れ、というか元々非常に計画の緩い(最低限に言って)ものが基盤だったですが。。

ロードトリップという言葉はピンと来るでしょうか?
目的地は最終地点も含めて一応いくつかあるのですが、どちらかというと移動を楽しむ類の旅です。長距離運転とロードサイドの泊

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家に住めない人との旅 2

家に住めない人との旅 2

ほんの少し前に米西海岸は大規模な山火事に遭い、うちの辺りは実際の被害はなかったものの、本当に怖い思いをしました。まず原因不明に具合が悪くなり、まる二日間起きられませんでした。辺り一面がスモークでいっぱいになったのはその後で、山火事が近くまで来ていることをようやく知りました。

ウィルス騒ぎがあってからあまりニュースを見ていないので、時々このようなニュースを聞きそびれる事があります。具合が悪くなった

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家に住めない人との旅 3

家に住めない人との旅 3

家に住めないパートナーとロードトリップへ出た話の第三回目です。

出発予定の数日前に、準備はばっちりと聞いていたので、信じたのが甘かったです。。。ソーラーを買って車の屋根に搭載したから、テントの中で暖房を入れて寝られるとか、ソーラーで動くシャワーを買ったとか、プライベートなバスルームを用意するとか、殆どがキャンプの旅なので女の私でも快適に過ごせるようにいろいろ考えてくれたと喜んでいましたが、その夢

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家に住めない人との旅 4

家に住めない人との旅 4

前回はロードトリップへ出た初日に、奇跡的に見つかったガソリンスタンドにギリギリのところで救われたところで、話を締めくくりました。

パートナーの二コーラは今まで出会った人(大きく言って普通の人)と違ったところが色々とあります。たとえばこのガソリンスタンドに到着するなり一人でお店に入って行き、フライドチキンを買ってきて一人でムシャムシャと食べ始めるようなところです。私はプラントベース(ヴィーガンのよ

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家に住めない人との旅 5

家に住めない人との旅 5

前回迄は病気を背負ったパートナーが「思い出を作る旅」に出たいということで、一緒にロードトリップへ出る運びを読んで頂きました。
目的地まで辿り着けなかった初日は、通過地点でキャンプ場を探しますが、どこも満杯で見つかりません。

やむ無くその晩はMotelの部屋へ落ち着くしかないということに。でもこれは本当に二人とも一番避けたい道でした。彼はまず室内に泊まるのが嫌で、眠れないとわかっています。更にウィ

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家に住めない人との旅 6

家に住めない人との旅 6

前回はロードトリップの慌ただしい初日について読んで頂きました。
みっちりと計画を立てない気ままな旅は聞こえはいいですが、それは幸運続きだった時には楽しくも、不運が続く場合もあります。その時に臨機応変に、立ち回れるでしょうか。。

最悪とも言える夜は、長く長く続きました。彼はまだキレ続けています。暗闇の中テントを張り猫をケージから出しました。そして彼が車へ荷物を取りに行く際テントを開けた瞬間、猫のル

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家に住めない人との旅    7

家に住めない人との旅 7

前回迄は、思い出を作るためのロードトリップに出たものの、初日から泊まれる所が見つからず、路上にテントを張って隠れて夜を凌いだ辺りまでを読んで頂きました。

夜が明けて辺りも明るくなりかけた頃、手早くテントを片付け酷いムードのまま出発しました。その時点で旅は打ち切り、私を送るため前日通った5時間のルートを逆戻りすべく走り出しました。私は驚きもせず何も言いませんでした。彼は殆ど寝ていないので(私もです

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家に住めない人との旅   8

家に住めない人との旅 8

最近よく、人はみんな繋がっているということをあちこちで耳にします。ほんとだな、と思います。たとえば彼と私は川の流れの一点でたまたま合流した水の流れで、しばらく一緒に流れ、いずれ流木や岩に突き当たり別の方向へ流れていく。その後大きな海に出るのか、またどこかで合流することがあるのかはわかりません。

✴︎

彼のお父さんが血の通っていない暴君だったとしたら、そのお父さん(お爺さん)もまた同じだったよう

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家に住めない人との旅  9

家に住めない人との旅  9

自己愛性人格障害の被害に遭う人のタイプは似ています。人が良く、他人を「可哀そう」と思ってしまう理由を見つけてしまう人。いろいろあるかもしれませんが、これが一つ。

ある専門家は言います。

「自己愛の人を変えることはまずできない。あなたは200年かけてそれをトライするかもしれないけれど。でもあなたがもし去れば、彼はその代役を15分以内に見つけるでしょう。」

彼らはバンパイアであって、血が吸える人

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家に住めない人との旅 10 〜 旅の終わり

家に住めない人との旅 10 〜 旅の終わり

ロードトリップに話を戻しましょう。

悲惨な初日を過ごして翌日、帰り道を3-4時間走ったところで横道へ逸れ、マウントシャスタに向かいました。ここはこじんまりしてリラックスでき、以前住んでいたこともあり動きやすいためでした。

それでもウィルスの影響で、第一に考えていたサイトでキャンプはできませんでした。なのでその日は湖沿いの大きなキャンプリゾートで、ホテル並みの料金を払ってキャンプをすることに。

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