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東大の資金運用はクソ その1
東大という名前を聞くと、「とにかくすごそう!」というイメージがありますよね?
東大文2(だいたいの学生が後期課程で経済学部に進学)の合格最低点は2020年度と2021年度の2年連続で、かつて不動の1位だった東大文1(東大法学部)を抜いて1位になりました。
そんな東大経済学部を擁する東京大学の資金運用状況を見てみましょう。期待できそうですね。
東京大学の資金運用状況はこちらに公開されています。
そういえば、東大のスローガンは、「志ある卓越。」なんですね。どういう意味なのかは分かりませんが、なんか立派そうです。運用成績も期待できそうです。
現時点(2022年11月)で公開されている中では一番新しい、令和3年度の運用実績をざっくりまとめます。
赤矢印の部分を見ると令和3年度の最終的なパフォーマンスが分かります。398億円の運用資金に対して2750万円の収益がありました。年利に換算すると、0.275÷398≒0.07%です。
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え?たったの0.0.7%ですか?
7%じゃなくて、0.07%?
なにかの見間違いじゃないかと思って僕も何度も見直しましたが、間違いありません。天下の東京大学が資金運用をして、1年間で達成した収益率は0.07%です。
「志ある卓越。」というのは、少なくとも資金運用に関しては武士は食わねど高楊枝という程度の意味なのでしょう。
ふと気になって、今の定期預金の金利っていくらだろうと思ってググったらこんなサイトが見つかりました。
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天下の東京大学の運用実績は、島根とか香川とか愛媛とかの地銀の定期預金の金利にボロ負けしています。
島根銀行 インターネットバンキング 0.22%
香川銀行 セルフうどん支店 0.22%
愛媛銀行 四国八十八ヶ所支店 0.22%
高知銀行 よさこいおきゃく支店 0.20%
尼崎信用金庫 ウル虎支店 0.20%
((((((越えられない壁)))))
東京大学 卓越ある志。 0.07%
東京大学の卓越ある志。は、香川銀行のセルフうどん支店や愛媛銀行の四国八十八ヶ所支店や高知銀行のよさこいおきゃく支店にボロ負けしています。地銀レベルだとどう頑張っても東大卒は採用できないと思うんですけど、下剋上ってやつですね。僕も東大なんて卒業しなくて良かったと心底思います。
母校の資金運用のパフォーマンスが、地銀や信金の定期預金の金利に負けてしまった感想を、東大のOB・OGに聞いてみたいです。おまえら、どんな気持ちなの?
東大では資金運用管理委員会という組織が資金運用を担当しています。
議事録の要旨も一応は公開されていますが、400億円近い資金運用をやっているのに、公開されている議事録は毎回毎回A4の用紙1枚にも満たない分量です。
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400127743.pdf
東大の学部の入試は記述式で、大量の文章を書くことが要求されます。学部の入試では厳しい水準が要求されるのに、400億円近く運用している資金運用管理委員会の議事録の要旨がこの程度の内容で許されるというのはとても興味深いですね。
議事録の要旨を読むと、資金運用管理委員会のメンバーは名字だけで、なぜかフルネームが公開されていません。東大内部の組織図を見ても資金運用管理委員会のメンバーの名前は書いてないですね。
例えば、令和3年9月1日におこなわれた資金運用管理委員会のメンバーはこちらです。
【委員】相原委員長、大槻委員、古賀委員、渋澤委員、戸矢委員、福田委員※、三島委員
【陪席】翁氏、棚橋監事、西氏、吉田監事
【事務局】佐藤財務部長、平野経理課長、静井副課長、影澤係長、山田係員 (※福田委員は 14:00 に退席)
学内の教員であればサイト内検索で見つけることができます。
委員長は相原博昭という教授で間違いないでしょう。
大槻委員というのはおそらくこの人です。
古賀という名前の教授は複数いるので特定はできませんでした。
渋澤という教員は学内にはいないようですが、渋澤健という名前がサイト内検索でヒットしました。ググったら別のサイトに東京大学基金アドバイザーという肩書が書いてあるので、この人で間違いないでしょう。
戸矢委員というのはおそらくこの人です。
福田という名前の教員は複数いるので誰が委員なのか分かりません。福田慎一先生であれば、経済学研究科の
「陪席」で名前が出ているのは監事とそれ以外のよく分からない人たちです。
監事は
棚橋監事はこの人です。東大法学部卒で、東大のOBですね。
吉田監事はこの人で間違いないでしょう。
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肩書すらない名字だけの翁氏、西氏は特定できませんでした。ところで、東大は陪席をどういう意味で使っているのでしょうか?オブザーバーのことだと思いますが、監事でもない翁氏と西氏にはどういう役割を期待されているのか僕には分かりません。
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監事の2名の名前は文部科学省のHPにも載っていました。
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監事は大学の監査をおこなう責任が重いお仕事です。そのため、大学の監事にはそれなりの報酬が支払われています。
資金運用管理委員会の委員長や委員はてっきり学内の人だけと思っていましたが、渋澤健氏は学外の人です。東大のOBでもありません。
東大のOBではありませんが、あの渋沢栄一の血筋でJPモルガンやゴールドマンサックスなどを経てコモンズ投信の会長をやっているそうです。
東大の教員は学外から広く公募しています。例えば、建築家として有名な安藤忠雄は高卒ですし、経済学研究科の柳川範之先生は大検→慶應の通信です。
https://kikigotae.com/n_yanagawa/
慶應の通信に行くと言ったら学歴至上主義の教育ママに反対されそうですが、柳川範之先生のゼミは、僕が学部生だった時はとても人気がありました。
委員以外の事務局のメンバーは、おそらく学内の大学職員で間違いないでしょう。
東大経済学部の教員やOB・OGが委員に入っているかどうかは確認できませんでしたが、渋澤健氏は東大OBではないものの並の東大卒よりも立派な経歴があります。
こういう人たちが資金管理委員会のメンバーに入っているのに、運用実績が地銀や信金の金利にボロ負けしてしまうのはどうしてなのでしょうか?
いろいろな要因が考えられますが、一言でまとめると「大学の学部で教わるマネジメントの基礎すら勉強してこなかった人たちが意思決定をしている」からでしょう。
長くなるので記事を分けます。
次回から、東大の資金運用管理委員会が抱える闇を探っていきます。