見出し画像

VEYOND7000!東京ヴェルディ観客増員計画

 こんにちは!
 東京生まれ東京育ち、緑なヤツは大体友達、東京ヴェルディサポーター歴17年、横浜Fマリノスライトサポーター歴5ヶ月、tigerです。
 コロナの影響、先日は緊急事態宣言と我々サポーターにとってやきもきする日常が続いておりますが、そんな中、先日我が愛するクラブ東京ヴェルディより、あるビジョンが発表されました。

 https://www.verdy.co.jp/news/9021

 その名も「VEYOND7000」。すなわち東京ヴェルディのホームゲームの観客動員平均7000人を目指すというビジョンです。なぜ、この目標がクラブから発表されたのかといいますと、ヴェルディは2008年のJ1復帰からの再降格となってしまった2009年から昨年2019年に至るまで、過去11年間、一度もこの平均観客動員数を対戦出来ていないためです。
 ちなみに、J2全体でも22チーム中17位(2019年)、スタジアムの総収容人数に対する観客動員率を示した指標数字はぶっちぎりの最下位です。本当に切ない、不名誉な数字です。
 なぜ東京ヴェルディはここまで観客動員に苦しんでいるのか、いろいろな理由をポイントに分けてこの記事では説明し、それに対しての改善策を考え、このビジョンを実現するためには何が必要なことなのかを考えていきたいと思います。

①認知度が低い
 そうです、認知度が低いんです。もっと踏み込むと、そもそも2部リーグであるJ2所属が長くなりすぎているために、メディアで取り上げられる機会が少なく、一般に認知される機会が限定されてしまっているのが、今の現状です。
 そもそも「ヴェルディって何?」「昔のヴェルディ川崎なら知ってる」といった感想が、おそらく大多数の一般の方やライトサッカーファンの感想だと思います。
 まずこれだけで結構ハンデですが、ヴェルディにはさらに大きなハンデが背負わされています。

②FC東京の存在
 ヴェルディが本拠地としている味の素スタジアム、通称味スタは同じ東京をホームタウンとしており、去年はJ1で優勝争いをしたクラブ、FC東京との共同保有となっています。
 あくまでも、「共同保有」ですが、今ではそのことを知らないサッカーファンも多いかもしれません。
 さらに味の素スタジアムがある調布市はFC東京とパートナー契約を結んでいるため、本拠地であるにも関わらず、J リーグの規定により、ホームタウンでの活動が出来ず、辛うじて駅構内にはヴェルディのフラッグが靡いているものの、街中にはFC東京のフラッグ一色で、発車のメロディがFC東京のチャントであったりと、ヴェルディにとっては肩身の狭い思いを強いられています。

③娯楽過多の都市、東京
 そしてもう一つあるのが、東京に本拠地を置くチームならではの問題点です。
 地方のクラブであれば、スポーツで町おこしをしようという風なビジョンを持っているクラブも多く、あの鹿島アントラーズがある茨城県鹿島市や、浦和レッズがある埼玉県浦和市も、Jクラブが存在する前は、そこまで知名度が高い地域ではありませんでした。すなわち娯楽が少ないような地方の都市であれば、プロのサッカークラブがあるというだけで、一大娯楽として成立するのです。
 実際、同じJ2クラブでもジェフ千葉やアルビレックス新潟は平均すると1万人以上の観客を集めていますし、松本山雅FCに至っては地元に早い段階で密着することで、JFL時代から1万人以上の観客を集めていました。
 ですが、東京はさまざまな娯楽が満ち溢れる街です。遊べるところがそこら中にあり、移動にも困ることはありません。そんな中でプロスポーツというジャンルで他の娯楽と勝負することは容易ではなく、同じプロスポーツですら、FC東京だけでなく、プロ野球の読売ジャイアンツや東京ヤクルトスワローズ、Bリーグのアルバルク東京、日立サンロッカーズ、ラグビーの東芝やサントリーといったライバルが多数存在しています。
 
 こういった要素が、ヴェルディの観客動員増加を困難なものにしているのです。

 もちろん、J1に昇格すれば観客は増える!それはそれで正解です。しかしながら、2度にわたるJ2降格やクラブの消滅危機でクラブとしての体力が低下しているヴェルディにとって、昇格するためのチームを作るためには、優秀な選手やスタッフを連れてくるだけの資金力が不可欠です。プロスポーツにおいて、チーム運営にかかる資金の大半はクラブの観客動員収入から支払われており、観客動員が少なければクラブの資金力も低下し、限られた戦力で戦うことを余儀なくされます。すなわち、チームの強化と観客動員数は切っても切れない関係にあるのです。

 クラブが「口コミ」を押している理由
 こうした背景の中、提示されたBEYOND7000ですが、クラブが主に伝えているのは、「ヴェルディの試合にもっと人を誘って欲しい」ということです。
 なぜ、クラブがこうした判断をしたのか?これにはあるデータが密接に関わっています。
 これは「スタジアム観戦の被勧誘行動」について観客に対してアンケートを取った、Jリーグのデータです。 (分量が多く申し訳ありませんが、35ページ目の左側のデータです)

https://www.jleague.jp/docs/aboutj/funsurvey-2019.pdf

    はい、悲しいことに、ぶっちぎりの最下位です(泣)
 誰かをイベントに誘う時というのは、やっぱり何かしら「魅力」を伝える必要があります。
 簡単に言うと「有名人がいる」「美味しいグルメが食べられる」「こういう楽しいイベントをやってる」とかいったことですね。
 ですが、ヴェルディは記憶に新しいように、2009年のクラブ存続危機から数年間というのは、有望な若手選手を泣く泣く放出してクラブの資金を確保していた時代もあり、一時期はバックスタンドや一部のスタジアムの売店を閉鎖、選手紹介の映像もなかなか費用をかけられず「パワポで作っているの?」と揶揄されたこともありました。
 すなわち、クラブ側がチームの体裁を保つのがやっとで、なかなか「来た人を楽しませる」ためのブランディングをする余裕がなかったと。これではリピーターとして来てくれている人であっても、なかなか新しく人を誘うのは難しいですよね。

 しかしながら、今季はユニフォームのデザインを海外メーカーに発注し、洗練された目に映えるデザインにするほか、スーパースター大久保嘉人選手を獲得するなど、クラブは「話題作り」を強化しています。
 コロナの影響でリーグが中断する前は、渋谷のスクランブルスクエアの東急ハンズのブースで期間限定のショップをOPENしていました。
 これはすべて、BEYOND7000を目的としたクラブによる「リブランディング」の試みです。
 そして、もっとヴェルディのことを知ってもらうために効果的なのが「口コミ」「SNSの拡散」だと自分は考えています。
 数年前、誰一人有名タレントが出演せず小さな映画館でインディーズ上映された映画が、SNSで注目されたことがきっかけで大ヒット作になりましたよね?
 また、SNSがなかった時代でも、みんな口コミがきっかけでメディアを見ない人たちにも情報が広がっていましたよね?
  メディアやクラブによる情報発信は、できることが限られているため、特定の層以外にはなかなか伝わりにくい部分が大きいです。
 でも、口コミやSNSによる発信なら人から人へどんどん情報が伝わり、もともと認知していなかった層にも情報を伝えることができます。

「ヴェルディ」だからできること
 もともとJ1で毎試合3万人以上が試合に来てくれる人気クラブは、そういったサイクルというのがすでに出来上がっています。
 特に地方の大都市のクラブであれば、その地域に住んでいれば、そのクラブの情報が入ってくることも多く、家族が増えたら自然とサポーターになっていくといったことも多々あります。
 しかしながら、ヴェルディについては先述した様々な要素が影響し、そもそもヴェルディの存在を認知していない、認知していてもよく知らない、昔の事しか知らないといった層が、東京内でもほとんどです。
 だからこそ、今までのヴェルディの強みであった伝統だけではなく、ファンサービスやイベントにおいて、今までになかった新しい試みをできるだけのチャンスがクラブ、サポーターにあり、今まヴェルディの存在を認知していなかった人たちを引き込むことで、新しくファン、サポーターを獲得できるだけの土壌があると、自分は考えています。
 ビッグクラブのホームタウンの市場がビジネスでいうところの「レッドオーシャン」だとすれば、まだまだこの東京には「ブルーオーシャン」が存在していると思います。

 今はコロナウィルスの影響でリーグの開催自体が不透明な状況ではあり、この計画は1年のみならず、来年も含めた2年越しでのチャレンジになるかもしれません。
 しかしながら、このウィルスの影響が少しでも下火となり、みんなが安心してスタジアムに足を運ぶことが出来る日が来た時には、自分たちサポーターの力で、絶対にこのプロジェクトを成功させたいと思っています。

 このクラブの可能性、ポテンシャルを信じているからこそ、少しでも自分たちの力をクラブに注ぎたいと思います。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?