田頭太郎

心意気を売るヘッドハンター

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岩手県の古城跡

15年ほど前の6月、岩手県の農村にある小さな古城跡を訪ねた。 盛岡駅からローカル線で北上して5つ目に、石川啄木のふるさと渋民駅がある。さらに北に3つ行くと、大更(おおふけ)という小さな駅があり、古城跡はここから2キロの場所にある。 改札口を出ると、タクシーが1台停まっていた。 行き先を告げると、運転手は怪訝な顔で、「どこからおいでですか?」と聞くので、「東京からです」と答える。「大学の先生ですか?」と聞くので、「違います」と答える。 ここで長く運転手をしているが、この城

    • 奈良時代の女医さん

      「日本書紀」に続くわが国2番目の正史(青史)である「続日本紀」(しょくにほんぎ)を、1年ほどかけて丁寧に読んでみた。 文武天皇元年(697)から桓武天皇の延暦10年(791)までの95年間の記録である。 「日本書紀」が神話を含めて文学的なにおいがするのに比べ、「続日本紀」は、例外はあるものの、おおむね事実のみを淡々と書いてある歴史書である。いわば大和朝廷の行政日誌ともいうべきもので、この時代に興味を持つ人以外には、かならずしも面白い書物とは言えない。 ただ、それゆえに昔

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