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イベントリポート・日本映画監督協会新人賞受賞式/『やまぶき』山崎樹一郎監督

10/26(水)、日本映画監督協会新人賞の授賞式が東京国際映画祭で行われ、受賞者である山崎樹一郎監督の『やまぶき』が記念上映されました。

同賞は、今年で63年目を迎える歴史ある賞で、第1回は大島渚監督が『青春残酷物語』で受賞し、当時の審査委員長は小津安二郎監督でした。

今年の受賞作『やまぶき』は、岡山県真庭市で農業に携わりながら映画制作を行う山崎樹一郎監督が、陽の当たりづらい場所にしか咲かない花である「山吹」から着想を得て、現代社会に潜む様々な問題を真っ向から描きつつ、その先にある希望を描いた作品です。
本作は2022年に日本映画として初めてカンヌ国際映画祭のACID部門に出品されるという快挙を果たし、昨年の劇場公開時にも多くの反響を呼びました。

©2022 FILM UNION MANIWA SURVIVANCE



授賞式には、受賞者である山崎樹一郎監督のほかに、監督協会の常務理事の井坂聡監督と、審査委員を務めたいまおかしんじ監督も登壇され、トロフィーと花束の贈呈が行われました。
トロフィーを受け取った山崎監督は「受賞でき、とても光栄です。これからも映画にかかわっていきたい」と熱い意気込みを語っていました。


左から井坂聡監督、山崎樹一郎監督、いまおかしんじ監督

受賞理由について、審査委員のいまおか監督は「審査員の5人で『こちらあみ子』という作品と『やまぶき』のどちらを選ぶかで議論になったが、最終的には伸びしろも含めて選んだ」ことを明かしました。

また、司会を務めた市山尚三プログラミングディレクターから「実はこの『やまぶき』という作品は、2021年の東京国際映画祭に招待していたが、別の映画祭にも招待されていたため、泣く泣く断念していた」という秘話が明かされ、今年の東京国際映画祭で上映できたことに安堵している様子でした。

授賞式後のトークショーでは、『やまぶき』制作のきっかけについて、東京オリンピックの誘致の時点から、今の日本社会に対する疑問が大きくなり、2020年に向けて映画を作りたいと思ったことがきっかけだと明かしました。加えて、社会に対する問題提起だけでは映画としての面白みに欠けてしまうため、盗まれたお金を巡るドラマといった要素を入れることで、フィクションとして届けることも、映画作りで意識したと語っていました。

山崎監督は最後に「少しでも『やまぶき』という作品を気に入ってもらい、多くの人に広めてほしい」というメッセージを観客に伝え、授賞式が終了しました。

『やまぶき』の劇場公開情報についてはこちらをチェックしてみてください→https://yamabuki-film.com/

最後までお読みいただきありがとうございました!

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