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TIFF交流ラウンジ【パヤル・カパーリヤー監督×是枝裕和監督】
皆さんこんにちは!学生応援団14期のまほです。
今回は、第37回東京国際映画祭で行われた交流ラウンジでのパヤル・カパーリヤー監督と是枝裕和監督による対談イベントについてお伝えします!
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この「交流ラウンジ」は今年5年目を迎えるイベントで、東京国際映画祭と国際交流基金により共催されています。東京に集う映画人同士の交流の場として設けられ、今年は5つのトークイベントが開催されました。その中の一つが、今回ご紹介するカパーリヤー監督と是枝監督の対談です。
パヤル・カパーリヤー監督について
カパーリヤー監督は昨年の山形ドキュメンタリー映画祭において”A Night of Knowing Nothing”(邦題『何も知らない夜』)で大賞を受賞、さらに今年のカンヌ国際映画祭では”All We Imagine as Light”でグランプリを受賞された監督です。
今回の対談が実現したきっかけは、カンヌ国際映画祭でコンペティション部門の審査員を務めた是枝監督が”All We Imagine as Light”を鑑賞し、感銘を受けたことだそうです。
パヤル・カパーリヤー×是枝裕和 対談
カパーリヤー監督の映画体験
冒頭、対談が実現するきっかけとなったカンヌ国際映画祭の感想から、お二人の話題はカパーリヤー監督の学生時代の映画体験へ。
カパーリヤー監督は、画家である母親の影響を受け、様々な芸術や映画に触れる幼少期を送りました。自然と映画・映像の世界を目指すようになり、助監督として現場で経験を積んだ後にインドの国立映画学校に入学されたそうです。
是枝監督からインドにある映画学校の数について質問されると、「私が通っていたのは国立の映画学校ですが、州立の映画学校もたくさんあります。しかし、それぞれの定員が少ないため映画学校はもっと必要だと思います。」と答えました。
“All We Imagine as Light”について
そして話題はカパーリヤー監督の監督作である”All We Imagine as Light”に移りました。
カパーリヤー監督はこの作品について、「ケララ州からムンバイに来て、ルームシェアをする2人の女性の話です。1人は40代で、もう1人は20代中盤。それぞれが叶わない恋をしています。インドにおける家族の関係は複雑で、サポートしてくれる存在であると同時に、時には足枷になることもあります。」と紹介。
是枝監督は「登場人物が抱える問題はシリアスなものなのに、登場人物も作家も語り口が穏やかで、声高になっていない。そして全ての人物に愛情が注がれていると思いました。」と作品を評しました。
映画の中で女性を描くということ
対談の最後には、イベントに参加者による質疑応答の時間が設けられました。インド社会における言語や民族の多様性について様々な質問が寄せられる中で、映画で女性を描く際に意識している点についての質問が挙がりました。
是枝監督は自身が総合演出を行なった『舞子さんちのまかないさん』を例に取り、「僕は男性ですし、男性が描く女性像からはおそらく離れられない。離れられると考えること自体傲慢だと思います。今後もあくまで男の監督として、今の時代にどのように女性を描くことが可能なのか考えていきたい。」と考えを明らかにしました。
また、カパーリヤー監督は「インドにはジェンダー、階級、宗教など様々なアイデンティティがあるので、自分が特権を持っているかもしれないという意識を忘れてはいけないと思います。映画人として常に考え、疑問を投げかけ続けなければと思います。」と語りました。
最後に
今回の対談は、映画作りにその国や地域の文化がどれほど大きな影響を与えるか、また様々なアイデンティティを映画で描くことの難しさについて考える貴重な機会となりました。
カパーリヤー監督の”All we imagine as light”は、2025年7月に日本で劇場公開されるので要チェックです‼︎
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
14期 まほ
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来年の東京国際映画祭への来場お待ちしております!
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