#14「3DCGアニメのノスタルジー」
・GETOUTを観た。ものすごいアプローチで人種差別問題に訴求した作品だ。
・この映画は貫徹して観客へ人種差別問題を意識させてくる。そうであるにもかかわらず、劇中には典型的な白人至上主義者(白人右派)が登場しないところが面白い。
・催眠術や新医療術とか半ばオカルト要素も登場するが、それがこの物語の癖を強くしている。
・仮にこういったオカルト要素をなくすと、本作は「とある黒人青年が婚約者である白人の彼女の両親に挨拶するため実家へ訪問する」だけの物語だ。ただこのシチュエーション自体が人種差別問題について考えさせられた。
・仮に相手が白人至上主義でなく、いわゆる理解者であったとしても、それでも当人の中では不安が募っているだろうから。気になる部活に入ってみたら女子しかいなかった、みたいな。ジェンダーで例えるのは少しずれていますが、それに似た不安があるとすれば、このシチュエーションだけでぬるい恐怖と不安がある。
・エンタメとして観ても、伏線が貼り続けられる前半は妙な違和感が刺激となり全く退屈しない。また催眠術にかかる場面の映像表現がチープではあるもののインパクトが抜群にあって興奮した。ダニエル・カルーヤの目を見開きながら泣く演技には圧巻した。
・「アジェンダ283」を読んだ。また別記事で感想書く。
・私はこれまでゴミ問題のCMやTVショーを何十何百と見てきたと思うが、アジェンダ283を読了した瞬間が人生で一番SDGsについて考えていた気がする。シャニマスさん、どこに向かおうとしているんだ……………………
・外が急に暑くなった。外に出るのが大儀になった。
・ただ外出のハードルが高くなると「わざわざ外出するなら予定を立ててやろう」と思うようになるので、散歩でも普段より計画性が出る。冷蔵庫のストックもいつもより気にするようになるので、結果としての充実度はむしろ高い。暑いけど。
・TinyPlanet。久しぶりに見たけど、懐かしすぎて少し鬱になった。
・ポピーザぱフォーマーやガラクタ通りのステインもそうで、作品自体は好きなのだが、ノスタルジーが強いあまり気分が沈みがちになる。幼少期に見ていたからというのは大前提としてあるが、なにより3DCGアニメーションというメディア自体が、ノスタルジーという感情に強く影響が出ているような気がする。
・昔のTV番組やおもちゃとか流行ってたサブカル全般なんかを見ても「あったな~」ぐらいにしか思わないけど、懐かしいアニメを観た時はもっとねっとりしたものを感じる。「帰りたい」「時間を止めたい」「今抱えてるものを根こそぎ放り投げたい」みたいな、体調を軽く崩すレベル。そうなのに、懐かさに支配されると、しばらくは横になって数時間近くはTinyPlanetを観ていた。本作に関してはオープニングに流れる曲も猛烈に懐かしくて、ずずずずずず、と最初は引き込まれていった。
・迂闊にノスタルジーに浸るな。
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