オガサワラ

仮想通貨の会社で働きながら靴屋をやってます▶︎令和生まれの娘2人の子育て中▶︎デジタル民主主義/参加型民主主義/ソーシャルイノベーションに最近興味があります▶︎北欧社会にも興味があり特にデンマーク・フィンランドの社会動向に注目しています▶︎2022年10月より慶應通信に入学予定

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  • 《小説》吾輩は100万回生きた猫である

    《小説》吾輩は100万回生きた猫である

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吾輩は100万回生きた猫である #24

エジプトの都アレクサンドリア。バスティはクレオパトラの墓の前で静かに佇んでいた。その瞳には、長い年月を経ても色褪せない愛と哀しみが宿っていた。美しい黒い毛並みと、その優雅な姿はまるで古代エジプトの猫神のようだった。バスティは、クレオパトラと過ごした思い出を胸に、彼女が愛した国エジプトを見守り続けてきた。 バスティは、クレオパトラの面影を追い求めるようにエジプトの街角を彷徨っていた。その途中で、バスティは古代の神殿跡にある静かな場所を見つける。そこは、庭園に囲まれ、神聖な雰囲

    • 吾輩は100万回生きた猫である #23

      アントニウスの死を受け入れられないクレオパトラであったが、彼女は自らの運命とエジプトの未来を考えることを止めなかった。彼女の美しい顔には、悲しみと決意が混ざり合い、その瞳には不屈の意志が宿っていた。彼女は、自分がいずれオクタウィアヌスに捕らえられ、エジプトが完全に滅びることを悟った。その時、彼女は決意を固める。彼女は自分の命を絶ち、エジプトの民を守るために最後の抵抗を試みることを決めたのだった。 夜が深まり、月明かりが照らす部屋で、クレオパトラはバスティに向かって話し始めた

      • 吾輩は100万回生きた猫である #22

        アントニウスとクレオパトラは、逃亡の果てにエジプトに戻り、アレクサンドリアで潜伏していた。彼らは、オクタウィアヌスの追手から逃れるため、街の裏通りや暗がりを利用して身を隠した。しかし、運命は彼らに容赦なく迫っていた。 ある日、アントニウスはクレオパトラと別れ、一人で情報収集に出かけることにした。彼は、オクタウィアヌスの動向を探るため、危険を冒していた。クレオパトラは彼を心配し、猫のバスティに寄り添いながら祈り続けた。 夜が更けてもアントニウスの姿が見えず、クレオパトラの不

        • 吾輩は100万回生きた猫である #21

          オクタウィアヌスの勢力が圧倒的に強くなり、エジプトへの侵攻が始まる中、クレオパトラとアントニウスは逃亡を決意する。彼らは、エジプトを守り抜くことができないと悟り、エジプトの民に対して絶望と悲しみを感じていた。 夜陰に乗じて、クレオパトラとアントニウスはバスティと共に、アレクサンドリアを離れる。秘密裏に用意された船に乗り込み、彼らは沖へと漕ぎ出す。彼らが辿り着く先は不明だったが、彼らは共に運命に立ち向かい、新たな未来を切り開こうとしていた。 しかし、重苦しい空気が漂っていた

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        記事

          吾輩は100万回生きた猫である #20

          アクティウムの海戦の当日、エジプトとローマの艦隊が地中海の青い海域で対峙していた。クレオパトラとアントニウスは、自らの勝利を信じ、戦いに臨んでいた。しかし、オクタウィアヌス率いるローマ軍は熟練の兵士たちで構成され、圧倒的な戦術力を持っている。 太陽が海の水面を照らし、輝くような景色が広がる中、戦いは激しさを増していった。両軍の砲撃が交差し、爆発の音と兵士たちの悲鳴が空に響いていた。クレオパトラの艦隊は勇敢に戦っていたが、徐々にオクタウィアヌスの軍勢に押され始めていた。 戦

          吾輩は100万回生きた猫である #20

          吾輩は100万回生きた猫である #19

          バスティは、アクティウムの海戦が迫る中、クレオパトラの身を案じていた。クレオパトラが戦いに向かった後も、彼は彼女の安全を祈るばかりだった。猫として特別な直感を持っているバスティは、何となく悪い予感がすることを感じ取っていた。 エジプトの王宮では、クレオパトラの留守を預かり、国政を取り仕切っていた者たちが、戦況の報告を待ちわびていた。バスティもまた、彼らの会議に出席し、戦況に関する情報を耳にしていた。猫である彼は言葉を話すことはできないが、人々の様子や表情から、緊張が高まって

          吾輩は100万回生きた猫である #19

          吾輩は100万回生きた猫である #18

          エジプトも8月の終わりになり、暑さが和らぎ始め、夜はひんやりとした風が吹く時期となってきた。 アクティウムの海戦が近づくにつれ、エジプトの王宮内では緊張が高まっていた。クレオパトラとアントニウスは、オクタウィアヌス率いるローマ軍との激戦に向けて、戦力を集結させるべく奔走している。バスティもまた、王宮内でクレオパトラのそばに寄り添い、彼女の支えとなる存在として役割を果たしていた。 クレオパトラは、アントニウスとともに戦略会議に出席し、最善の作戦を練り上げることに専念していた

          吾輩は100万回生きた猫である #18

          吾輩は100万回生きた猫である #17

          ある夜、クレオパトラはバスティと寝室で寛いでいた。彼女はバスティを抱きしめながら、心の内を打ち明け始めた。 「バスティ、このままではエジプトの未来が危険だと感じているわ。アントニウスとの関係も、オクタウィアヌスとの対立も、すべてが破滅への道を歩んでいるかのように思える。」 バスティは言葉を持たないが、その瞳に映る憂いと心配が、彼がクレオパトラの身を案じていることを示していた。彼女はバスティの目を見つめながら続けた。 「私はあなたと出会ってから、様々な困難を乗り越えてきた

          吾輩は100万回生きた猫である #17

          吾輩は100万回生きた猫である #16

          クレオパトラとアントニウスは、エジプトとローマの共同統治を開始し、繁栄の時代を築いていた。しかし、順風満帆とは言えなかった。カエサルの養子であるオクタウィアヌスは、彼らと政治的に対立していたからである。そして、アントニウスはオクタウィアヌスの姉オクタウィアと離婚し、クレオパトラと結婚したことで、両者の関係はさらに悪化した。 アントニウスはアレクサンドリアを離れることが少なく、ローマでの評判は次第に下降していった。エジプト風に染まった彼の姿は、オクタウィアヌスによってプロパガ

          吾輩は100万回生きた猫である #16

          吾輩は100万回生きた猫である #15

          アントニウスとクレオパトラの関係は、政治的同盟を超えて次第に深まっていった。二人は共に過ごす時間が増えるにつれ、お互いの魅力に惹かれ合い、やがて恋に落ちた。 アントニウスは、クレオパトラの知性と美しさ、そして彼女が国と民を愛する情熱に心奪われていた。一方、クレオパトラはアントニウスの勇敢さやリーダーシップに感銘を受け、彼の誠実な性格に惹かれていた。 ある夜、月明かりが王宮の庭園を照らす中、二人は互いの気持ちを打ち明け合った。 「クレオパトラ、私は君に恋をしてしまった。君

          吾輩は100万回生きた猫である #15

          吾輩は100万回生きた猫である #14

          アントニウスとクレオパトラの関係は、次第に親密さを増し、二人は共に力を合わせることで、世界に繁栄をもたらす新たな同盟を築くことを決意した。クレオパトラは、アントニウスがローマでの地位を保ち、エジプトの利益を守るために奔走する姿を評価し、彼との同盟によりエジプトがより強力な国となることを確信していた。 ある日、アントニウスとクレオパトラは、王宮の庭園で二人きりで話し合っていた。 「クレオパトラ、君との同盟によって、ローマとエジプトはこれまで以上に強い絆で結ばれるだろう。私た

          吾輩は100万回生きた猫である #14

          吾輩は100万回生きた猫である #13

          数年が経ち、エジプトは着実に繁栄への道を歩んでいた。そんなある日、ローマの将軍であるマルク・アントニウスが、エジプトを訪れることになった。彼はエジプトとローマの同盟を強化するため、そしてかつての親友カエサルの遺志を継ぐべく、エジプトとの協力を求めたのである。 アントニウスは、逞しい肉体と魅力的な顔立ちを持つ壮年の男性であり、ローマの兵士たちからは絶大な信頼を受けていた。彼の人格には、勇敢さと情熱、そして大胆さが共存しており、その指導力はローマ軍にとって絶対的な存在だった。

          吾輩は100万回生きた猫である #13

          吾輩は100万回生きた猫である #12

          カエサル暗殺後の混乱の中、クレオパトラはエジプトの民に寄り添い、国を立て直すために奔走した。彼女は自らの力とカエサリオンの力を結集し、政治的な決断や戦略を練り直した。バスティもまた、クレオパトラとカエサリオンに寄り添い、彼らを見守っていた。 クレオパトラはまず、内政に力を入れることにし、農業や交易を振興し、国民の暮らしを豊かにする政策を次々と打ち出した。また、外交面でも、周辺国との関係を築き、互いに支え合いながら発展することを目指した。 クレオパトラの努力は次第に実を結び

          吾輩は100万回生きた猫である #12

          吾輩は100万回生きた猫である #11

          エジプトに戻ったクレオパトラは、カエサリオンやバスティと共に王宮での生活を再開した。彼らは、ローマでの経験を生かし、エジプトとローマの関係をさらに強化するために尽力していた。そして、遠く離れたローマにいるカエサルと手紙を交わし、互いの想いを繋いでいた。 ある日、緊急の使者がエジプトの王宮に到着した。使者は、クレオパトラに向けてローマからの悲しい知らせを伝えた。カエサルが、元老院の陰謀により暗殺されたのだ。使者の言葉を聞いたクレオパトラは、その場に立ち尽くし、悲しみに打ちひし

          吾輩は100万回生きた猫である #11

          吾輩は100万回生きた猫である #10

          カエサリオンが少し成長した頃、クレオパトラは家族でローマへの旅を計画することにした。カエサルは、クレオパトラと息子にローマの文化や歴史を紹介し、また彼らにローマの人々と交流する機会を与えたかったのだ。 長い船旅の末、クレオパトラ、カエサリオン、そしてバスティは、カエサルとともにローマに到着した。ローマの街並みは壮大で美しく、クレオパトラも息子も大いに感銘を受けた。彼らはカエサルの案内で、ローマの歴史的な建造物や美術館を巡り、ローマの文化に触れた。そして、彼らは古代ローマの様

          吾輩は100万回生きた猫である #10

          吾輩は100万回生きた猫である #9

          数ヶ月が経ち、クレオパトラとカエサルの愛の結晶として、二人に子供が授かった。王宮中が喜びに包まれ、未来のエジプトとローマの架け橋となる新しい命の誕生を祝う準備が始まった。バスティもまた、この喜ばしい知らせに心から喜び、彼らの幸せを願っていた。 クレオパトラは妊娠中、カエサルに支えられながら、エジプトの国民に向けた支配者としての役割を続けた。カエサルは、これから生まれてくる子供が二人の愛の証であり、エジプトとローマの友好関係のシンボルであることを感じていた。 ついに、待ちに

          吾輩は100万回生きた猫である #9