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会社と闘争!実際はどんな感じなの?

弁護士を雇う、というのはよく聞く話ですよね。
では、組合に入るとどうやって会社と争っていくのでしょうか?

いまいちわかりませんよね。
今回は個人組合に入った場合のシュミレーションになります。
(※個人組合と企業内組合は内容が異なります)

1.組合に加入する
個人で組合に加入すると、加入したという通知を企業側に提出します。
この時の加入書類を内容証明郵便で郵送したりします。
(内容証明郵便の作り方は過去の記事を参考にして下さいね)

2.団体交渉の申し入れをする
これは、加入の通知と同時に行われることが多いです。回答期限を記入し、この回答以内に企業側が返答します。
ここで、弁護士を雇う企業と雇わない企業があります。弁護士を雇った場合、弁護士から返答が来ることがあります。

3.団体交渉日程の返答を企業側から受け取る
企業側が組合にFAXや郵送で、返答をします。企業側が直接に返答してくれる場合も多いそうです。

弁護士を雇った場合、この返答には弁護士が「はじめまして。担当させて頂きますので、よろしくお願い致します」みたいな挨拶と、組合が出した要求内容への返答が書いてある場合があります。

4.実際の団体交渉日程を決める
企業側とメールでやり取りをしたりして、双方に都合の良い日程を決めます。
企業側に弁護士がいる場合は、弁護士が代行することもあります。
組合によって異なりますが、自分でというより、組合を通して連絡が行われます。

5.団体交渉の日程が決まる
(団交 だんこう と略されます)
日程が決まると、開催場所や時間が書かれた回答書が送られてきます。
争いの場面を見られたくないと思っている企業だと、貸し会議室などが選ばれたりします。この使用料金については、どちらが支払うかは特に決まっていません。本社で直接行われる場合もあります。
zoomでリモート会議する場合もありますね。

6.団体交渉が開催される
団体交渉には本人と組合員が1人以上出席します。組合によっては、自分だけで行く場合もあるようです。
企業側に弁護士がいると、弁護士だけで2人以来るケースが多いのかなという印象です。
企業側からは訴えられている相手が出席することがオーソドックスですが、酷い対応だと弁護士しか出てこない場合がごく稀にあります。

団体交渉は録音が基本
義務はないですが、不誠実な対応をされる場合があります。その為、証拠となるよう録音しておくのが無難です。
ボイスレコーダーがない人は、開催前に購入しておきましょう。
(※団交内容は証拠として使われる場合があるので、文字起こしをしておいた方がいいです)

個人組合で団体交渉が行われる場合、団体交渉の出席は基本的には自由です。
どちらかといえば、出席人数が多い方が注目されている話し合いであると言えるので、出席者が多い方が良いのかなという印象があります。

この団体交渉を重ねていき、第1回目、第2回目、というふうに数えていきます。
この団体交渉の中で、不当労働行為に当たるものがあったり、交渉が決裂すると…

ビラ巻き、ストライキなどの組合活動を挟んだりします。
それでも話が進まないと、団体交渉を続けながら、次のステップになります。

7.東京都労働委員会へ あっせん を申し込む
(都労委 とろうい と略されたりします)
場合によっては、これよりもっとステップアップすることがあり、あっせん がない場合もあります。

組合で申し込む あっせん は、個人的に労働局で申し込むものとは別物になります。

組合で申し込む あっせんには種類があります。
事務局あっせん、委員あっせん、と言われるものがありますが、今回は事務局あっせんと呼ばれる方をさらっとご紹介します。

あっせんを申し込むと、企業側は出席を問われます。
ただ、欠席するとマイナスイメージになるので大概は出席するようですね。

中央労働委員会のHPより

簡単に言うと、都庁の別室で取り調べをするんですね。
顔を合わせず、あっせん員が互いの部屋を行き来して、伝言し、組合と企業が意見を交わします。

事務局あっせんをすると、大体が協定書というのを交わすまで部屋から出れません。

ただ、協定書というのは組合側・弁護士・企業側、全員の印鑑が必要です。
破りませんよという約束事が書いてある紙になるので、双方が妥協する必要があります。

企業側が揉めると、トイレ以外、5時間でも6時間でも部屋から出れません。
協定書を結ぶまでずっと部屋で待機する状態になります。

しかし、これでも不当労働行為が続いた場合…

8.東京都労働委員会へ 不当労働行為救済申し立て を申し込む
(申し立て と略されたりします)
ここから、いよいよ「訴えてやる!」という圧力が強くなってきます。
ここから弁護士を雇う必要が出てきます。

裁判所ではありませんが、無料で都庁で裁判所に近いような取り調べや証人尋問などが出来ます。

ただし、申し立てをするには証拠書類と、証拠書類に関する説明を記入した証拠説明書が必要です。音源はDVD-Rなどの記録媒体に全て入れます。
書類代が掛かります!弁護士を雇う人は、弁護士費用が掛かります。

どんな感じかをさらっと説明すると
なんと、この証拠書類と証拠説明書・音源のセットを最低で5部作らなくてはいけません。

証拠書類が500ページ以上あるなら、それを5部なので…

と、いった感じになってきます。(弁護士を雇わない場合は地獄のような作業が待っています)
甲・乙というお馴染みの表記、文字起こしのページ数や段落数は証拠書類説明書で必要となります。
(文字起こしについては、過去の記事を参考にして下さいね)

裁判所ではないのですが、最終的に企業側に非が認められれば行政から処分命令というものも出ます。
裁判所ではないので、労基法や組合法がメインになっています。「救済」という字の通り、労働者寄りの手段です。

この申し立ての間にも、団体交渉は続いていきます。
都庁へ行ったり、団体交渉に出たり、休職していなければ仕事も出勤し、あっちへこっちへ、忙しくなることでしょう。

これでも揉めると…

9.裁判所へ訴える
という段階になります。弁護士が必要になり、訴える為に料金も発生します。
内容によっては、いきなり裁判になる場合もありますね。

団体交渉はこの間もずっと続きます。

組合に入ると、団体交渉をベースに、段階を経てから次のステップにいく流れになります。
これは、労働組合法が条件を満たすことで使える法律という形だからとも言えますね。

手っ取り早く争えるわけではないです。
むしろ、時間を掛けて辛抱強く戦う感じになってきます。

また、争う以外にも組合活動というのがあります。月に1回会議があったり、組合によりますが、自分以外の組合員にも時間を割いて、自分も時間を割いてもらったり、という感じで争う以外にもやることがあります。

ざっとでしたが、個人で組合に入るとこういう流れで争うので、精神力がとても必要になります。
退職しないで復職で争う方が珍しいかもしれませんね。

無理しないのが1番ですが、自分にとってなにが大切かよく考えて幸せに生きれると良いですよね。

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