「率先垂範型リーダーシップ」と「フォロワーシップ型リーダーシップ」
この2つのリーダーシップの定義は、LINEヤフー(株)代表取締役会長 川邊健太郎さんの言葉を借りたいと思います。
多くの強豪校監督からは「エースがキャプテンが一番良い」というアドバイスをもらっていたが、私が顧問をしている部では、エースとキャプテンは別の生徒にすることが多かった。
エースは試合で勝つことが仕事。キャプテンはチームの意識をまとめ、進むべき目標に向けて動かしていくことが仕事。まったく違うものであると考えていたからだ。
キャプテンについてのこの考え方は、フォロワーシップ型リーダーシップに近いのではないかと思う。選んでいた基準は「こいつには協力するか」「こいつが言うならやるか」と言う雰囲気を持っている生徒。
私はこちらの方が、部活動として活動するチームにおいては、在学中もまた、卒業後の関係性においても良いと思っている。
フォロワーシップ型リーダー
リーダーとして適性があるという自覚を持っている者は少なく、選ばれると戸惑うことも多い。自分がチームを強くしよう!と思っているかというとそうでもない。責任感はある、という程度の場合が多い。
これは彼らにとってのリーダー像が、率先垂範型リーダーしかないからだ。
リーダーシップにも様々な形があることを認知し、自分にはフォロワーシップ型リーダーシップに適性があることを自覚させることは大きな意味を持つ。効果として
新しいリーダーシップを知り、その生徒自身の世界が広がる。
自己肯定感が上がる
自信を付け、自分を出すことがきるようになる。
などが挙げられる。その結果、率先垂範型リーダーシップも発揮できるようになることもある。
経験上、率先垂範型のリーダーがフォロワーシップを発揮することはなかなか難しいように思うので、これは考慮に値する。
2つのリーダーシップを簡単に比較してみる
教員の間にも「リーダーといえば率先垂範型」という認識があると感じる。こちらの方が分かりやすいし、見えやすい。また、しっかりと活躍している場面ももちろん多い。
しかし、卒業後も比較的に交流が多く、よく学校へ顔を出してくれるのもフォロワーシップ型で上手くいった代の生徒が多いことを考えると、学校現場ではフォロワーシップ型リーダーシップが機能することが多いのかもしれない。
ここで注意したいのは、フォロワーシップ型リーダーは教員が意識して発掘しなければ見出せない、ということである。
我々教員はリーダーシップについてもしっかりと学び、それぞれに合った教育の手助けをしていくべきであると考える。