Educator Tie

「学校・教育・教員を社会へ開く」がMISSIONの現役教員/ 教育デザイナー/ 原体験ドリブン認定ファシリテーター/ G’s ACADEMY福岡DEV12期卒/ プログラミング・起業のできる教員を目指す

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46歳現役教員G’s ACADEMYとの出会い

福岡の私立中高で教員一筋20年の現役教員 46歳にしてプログラミングと起業家を育てる学校G’s ACADEMYへ入学しました。最高に刺激的で充実した半年の記録を残したいと思います。 G’s ACADEMYとの出会い  タイトルには「半年」と書きましたが、出会いはおよそ1年前でした。  天職であると思い教員を続けてきましたが、このままで良いのか?という思いも抱えていました。社会は大きく変革し、生徒たちにとって必要な能力も変わっていくのを感じる。どこかに属して安定を求めるの

    • 「High Tech Highに学ぶ プロジェクト型学習の授業デザイン研修」

      High Tech HighでのPBL(Project Based Learning)について、平岡慎也さんの研修に参加することができた。生身の感覚を伴った熱量に触れ、大変貴重な経験となった。以下に学びや気付きを記したいと思う。 受講前の探究学習・PBLへの理解  改めて探究学習の定義はきちんと言語すべきだな、と思いつつ、PBLは探究学習の目的を達成するめの手段の1つという認識であった。そこは概ね間違いないという基本的なところから話をいただけスッキリとしたスタートを切れた

      • 「生徒中心型授業」の実践と振り返り   〜アンケート結果より〜

        昨年度(2023年度)行った「生徒中心型授業」について、学年終了にあたり 生徒にアンケートを実施し、効果・反応を測りました。振り返りながらまとめてみたいと思います。「生徒中心型授業」については、先に下の記事を読んでいただきたいと思います。 結論・見えてきたこと。⚫︎取り組みやすさ、理解度、学習へのモチベーションはともに肯定的な意見が圧倒的に多かった。 ⚫︎学力は、「思ったほど伸びなかった」と回答した生徒が半数であったが、考査では上昇した生徒が多くいた。理解度の上がり具合と比

        • 「日本の高校教育:履修主義から習得主義への移行提案(勝手な妄想)」

          日本の高校教育は「履修主義」に基づいています。このシステムでは、生徒が指定されたカリキュラムに従って授業を受け、単位を取得することで学習成果が評価されます。しかし、この方法は生徒個々の理解度や興味を十分に反映できないという問題点があります。そこでより柔軟で個別化された「習得主義」に基づく教育システムへの移行という視点で考えてみました。実現可能性などは度外視した勝手な妄想となります。 「履修主義」と「習得主義」の定義まずは、この2つの説明を簡単に書いておきます。  現行の教

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        46歳現役教員G’s ACADEMYとの出会い

          教育の目的・教育の受益者とは?

          個人・組織は社会の上に成り立ついかなる個人・組織も、社会の上に成り立つものです。従って、個人・組織の価値とは、すなわち現在の社会で、ある程度の合意の取れた価値観に照らし合わせて判断されるものとなります。 社会を作るのは?今は変化の時代と言われます。社会そして、その価値観は変わっていくということです。ではその社会を作っていくのは誰か、というとそれもまた我々、今を生きている人々ということになります。 自分たちで作り上げた社会の上に自らの価値を定義し、継承していく次世代を育成し

          教育の目的・教育の受益者とは?

          「率先垂範型リーダーシップ」と「フォロワーシップ型リーダーシップ」

          この2つのリーダーシップの定義は、LINEヤフー(株)代表取締役会長 川邊健太郎さんの言葉を借りたいと思います。 多くの強豪校監督からは「エースがキャプテンが一番良い」というアドバイスをもらっていたが、私が顧問をしている部では、エースとキャプテンは別の生徒にすることが多かった。 エースは試合で勝つことが仕事。キャプテンはチームの意識をまとめ、進むべき目標に向けて動かしていくことが仕事。まったく違うものであると考えていたからだ。 キャプテンについてのこの考え方は、フォロワ

          「率先垂範型リーダーシップ」と「フォロワーシップ型リーダーシップ」

          教育デザインと授業デザイン

          教育、特に学校教育について語るときに「教育=学力を付ける」という意識を持っている方が多いので混合されがちですが、教育デザインとは授業デザインのことではありません。 教育デザインとは どのタイミングでどのような学び、体験を与えるべきか。今は与えるべき時か、見守るべきか、支えるべきか、深めるべきか。ということを生徒の状況、発達段階、思考、目標などを細かく観察・把握しながらサポートしていくことです。従って、「授業」はこのためのリソースの1つに過ぎません。 また教育デザインには、

          教育デザインと授業デザイン

          「キャリア教育 based 原体験ドリブン」   高校生向け原体験ドリブン実践報告

          以前、中学生・高校生へのキャリア教育に関して一般的に欠けていると感じる視点 といったことを起稿させていただき、ありがたいことに大変反響をいただきました。 本稿では、実際に高校生に対して行った原体験ドリブンの内容について詳しく書いてみようと思います。 「キャリア教育 based 原体験ドリブン」キャリア教育において、実現すべきは生徒の幸せな人生。幸せの人生の定義は様々あるかと思いますが、私は       「しっかりと自己実現を果たせている人生」 と言えると思っています。

          「キャリア教育 based 原体験ドリブン」   高校生向け原体験ドリブン実践報告

          生徒の自律について考える

          学校教育には様々な目標があるが、その1つに「生徒の自律」が挙げられる。現場で高校生を見ていると、 真面目だが、覇気がない 好きなこと、やりたいことが見つからない オーナーシップを持った行動ができない といった印象を受ける。私はこれらを見て「自律していないなあ」と感じるが、そもそも自律しているとはどういう状況を指すのであろうか? 「自ら考えて、自ら行動できる」私はこれを自律の定義と考えている。確かに今の生徒たちは特に弱くなってきている、と感じる部分である。では、なぜそ

          生徒の自律について考える

          キャリア教育 生徒に見せるべきは「過去」か「未来」か?

          本稿の結論 「キャリア」=「生徒の未来」であるが、未来の話だけでなく、むしろ生徒自身の過去をしっかり深掘りさせることが重要 より良いキャリア教育をデザインするためにも、教員はもっと学校外の社会と関わりを持つべき Xでダイ先生(@dy_papateacher)のこのポストを見かけてまさにそうだな、と思い自分の考えをまとめておこうと思う。 キャリア教育についての考察 名詞ではなく動詞で語れ 生徒の視野が狭いのは当たり前。その中で「志望大学は?就きたい職業は?」と聞けば、

          キャリア教育 生徒に見せるべきは「過去」か「未来」か?

          「管理教育」とその対となる考え方         

          「良い学校」とは? きちんと挨拶をする。 きちんと制服を着こなす きちんと周囲に気を遣える きちんと真面目に勉強する いずれも大切なことで、そうあるべきであると思う。 しかし、これに「生徒みんなが、いつでも」という頭を付けると私は疑問を感じる。 勤務する学校には2000名以上の生徒がいる。多感な時期にある中・高校生が皆同じ行動をする。これは正常なのだろうか? 成長のタイミングはそれぞれ異なるし、たまには外れてみたいときもある、そんなもんだろう。 それでも外から見たら「みん

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          生徒中心型授業デザイン

          まずは授業から変えていこう まずは授業から変えていこうということで現在行っている授業スタイルについて書いてみようと思う。偶然Xで見つけた こちらの齋藤先生のやり方に似ており、だいたい同じ感想・結果を得ていると感じている。ただし、いつものことではあるが、教育効果を定量的に図ることは難しいので実施してみた感想・感触、生徒からの反応による判断は多めとなる。 生徒中心型授業デザイン生徒中心型授業デザインの目的 ○生徒が主体的に学習を行う。 ○生徒の理解を中心とした学習時間とす

          生徒中心型授業デザイン

          年末に徒然

          2023年を振り返ってG's ACADEMY卒業からGGA(Global Geek Audition)出場 2022年10月から通っていたG's ACADEMYを4月に無事卒業。プログラミング技術自体はまだまだながら本当に素晴らしい6ヶ月であった。偶然から始まったG'sとの出会い、児玉さんとの出会い、同期・講師・チューター・先輩・起業家の方々等、尊敬すべき多くの人との出会いが私の人生を変えてしまった。入学式後に児玉さんに言われた「教師を辞めることになるかもよ」という言葉が忘

          年末に徒然

          テストをすると学力が下がる?

           教員として日常の授業を振り返ってみると、生徒たちは思った以上に学習した内容を覚えていないな、と感じることが多い。うろ覚えといったレベルではなく、習ったこと自体を憶えていないこともしばしば。    勉強していないわけではないし、テストではある程度できていたのになぜだろう?また、そんな生徒たちも大学入試ではしっかりと力をつけて合格していく。日常の学習と大学入試、何が違うのだろう?  演習が足りない、反復が足りないからだ、そう思っていた時期もあるが、どうもしっくりこない。本当に

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          学校教育で生徒に付けるべき力とは

           教育の目的とは何だろう。 学校教育で生徒に付けるべきは、自らを成長させ続けることができる力であると考えている。最近では「自走力」という言葉が一般的のようだ。我々教員が関わることができるのは生徒の人生のほんの一瞬。生徒達にとっては卒業した後の人生の方が圧倒的に長い。学校・教師から離れても成長し続け、社会で活躍できる人間。主体的に自分の人生を幸せに生きていける人物になってもらうことが学校教育の目的である。 自らを成長させ続けることができる力(自走力)とは?ⅰ)興味・関心を持つ

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          学力は測れるのか?

          「学力」「勉強」など皆当然のように使っている言葉。 その言葉の意味は皆同じように認識していると考えている人が多い。しかし、実は個人個人少しずつ違った捉え方をしているのではないか。このことに気付かないせいでなんとなく議論が噛み合わない、などということもある気がする。少しまとめてみようと思う。 「学力」というものの捉え方 一般的にはテストの点数で測れるものを「学力」と考えている人が多い。ニュースなどで「学力が下がった」などと言われるのはそのためである。辞書で確認すると 「学習

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