Welcome to 氏家研究室!!【前編】
こんばんは!氏家研究室へようこそ!
今回は、国際標準やビジネスデザインなどの科目を担当する氏家 弘裕先生のご紹介です!
【自己紹介】
東京生まれですが、幼少期以降大学院修了まで神奈川県で育ちました。その後は、カナダのトロント郊外にあるヨーク大学でポストドクター(博士研究員)となり、その後、つくばの研究所で研究を続けた後、この大学の教員になりました。
ポストドクターの時に、研究とは別に、トロントを中心にナイアガラの滝などオンタリオ湖周辺をあちこちめぐったりしましたが(笑)、山が無くどこまでも続く平らな土地と冬の寒さ、人々のおおらかさを体験して、人生観が変わりました。
【研究分野(職業分野)を教えてください!】
大学院の博士課程では、「人のピント調節」をテーマにしていました。最近のカメラでは常識となっているオート・フォーカス機能のようなしくみが、人の眼ではどうなっているかに関係するテーマでした。この研究で一番苦労したのは、実は、実験で見せる物体の距離を人のピント調節に合わせて瞬時に移動させる仕組みの製作でした。これがなかなか大変で、製作できないと実験自体が成り立たないので、博士課程も修了できないことになり、本当に冷や汗ものでした(笑)。
ポストドクターの時は、「運動視差による立体知覚」をテーマにしていました。映画には3Dメガネをかけて映像を立体的に見る3D映画がありますよね。これは左右の両眼の働きを利用したものですが、「運動視差による立体知覚」はどちらか一方の眼だけでも、3D映画のように見ているものがリアルに立体的に浮かび上がって見える現象です(ただし、頭を動かしてみる必要があります!)。もし「見てみたい」という場合には、デモなどしますのでぜひ声をかけてくださいね。
つくばの研究所でも視覚に関わる研究を続けてきましたが、特に最近は、「映像の生体安全性」を主なテーマにしています。映像の生体安全性というのは、映像を見ることで場合によっては乗り物酔いのような症状が現れたり、3D映像を見ることで眼に不快な症状が現れたりといった体調不良が生じることをできるだけ抑える取り組みのことです。最近注目されているバーチャルリアリティ(VR)でも「VR酔い」というのが知られており、これも対象です。皆さんはこれまで、映像を見てそうした経験はないでしょうか?これらができるだけ生じないようにその原因を調べて、映像のガイドラインを作成し、国際標準化機構(ISO)の規格として発行しています。
最近は、視覚研究の枠を超えて、人と馬とのふれあいによる人への良い影響や接客における人と人との良いコミュニケーションのあり方などの研究にも参画して、取り組んでいます。
【その分野を目指そうと思ったきっかけはなんですか?】
大学生になった時はロボットに興味があって、卒業研究では生物の動きをまねたロボットの研究をしている研究室に所属していました。ところが、大学院の研究室紹介のイベントで、ある研究室の教授が見せてくれた人の視覚の不思議を伝えるデモに魅了され、大学院での研究室を、即、その研究室に決めたというのがきっかけで、今の分野で研究するようになりました。なので「目指した」というより、「取り込まれた!」という方が正確かもしれません(笑)。
前編はここまでです!
次回、後編もお楽しみに~♪