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結局なんなの、わたしの性別

子供が産めないことが分かってずいぶん経つのに、わたしの股は相変わらず律儀に26日ごとに血を流している。
未来永劫着床する予定も能力もないし、そのことはわたしの子宮が一番よく分かってんじゃないの、とも思うのだけど、どうもそうではないらしく、毎月毎月無駄な営みまことにご苦労様です。ああ、腹が立つ。

大体何なんだ、この生理というシステム。
そりゃ、これから子供を作りますよって人には絶対に必要な機能で、そこに異論は全然ないのだけれど、産めないことが現代医学によって保証されているわたしにも必要なのかこの仕様、と脳内に大量のはてなマークが溢れて溢れて止まらない。
結局、生命にとっての最重要任務は遺伝子を次世代に繋ぐことで、そこから落ちこぼれたわたしでさえそのレールから降りてはならないと言われているように思える。
毎月おりものシートに薄茶色のシミがつくたび、真矢みきが現れて「あきらめないで」と呼びかけてくるのを、「あきらめて」と追い返す。
どうにかして分からせる方法はないものかと新しいナプキンを開封する度に思うのだけど、何度考えても卵巣と子宮を摘出するしかこの無駄な営みから解放される術はないのではという結論に達し、そこまでして分からせたいかと言われるとそこまでの情熱ではなくて、だからわたしの子宮はこの不毛なサイクルから抜け出すことができない。

生理だけじゃなくて、「将来赤ちゃんを産むため」に二次性徴を経てきたわたしの女性としての諸々って、結局なんの意味があったんだろう。
一生懸命に乳腺を発達させていた思春期のわたしの体はあまりにいじらしく、その結果としてのおっぱいも、正当な目的では役に立つこともなく、不憫だと思う。
今はそれなりに豊かな胸囲が少しでも綺麗に見えるよう下着選びからして気をつかっているけど、最盛期は既に過ぎたような趣き、いずれ垂れて広がってお腹の上にかぶさるような贅肉になり、ブラジャーも乳首隠しとしての役割しか果たさなくなるのはすごく怖い。
無駄に広がった骨盤も、家系的に進化しすぎる傾向にある尻も、全部無意味だったことがわかって、だったらわたしは今からでも小尻に戻りたい。
安産体型、なんてあまりに痛すぎて皮肉にもならない。
「まぁ産めませんでしたけどね、ガハハ」
と今ならやり過ごせるとは思うけど。
というか、産めない体なら二次性徴要らんくないかとも思うんで、しんどかった思春期なんて最初から来なくてもよかった。

わたしにとって無用の長物となった子宮もおっぱいも、もうなくても別に誰も困らないんじゃないか。
男子の乳首くらい存在意義がないとしか思えなくて、うちのパグ姉妹には避妊手術を受けさせているので彼女たちのたくさんの乳首にも存在意義はなくて、そうなるとうちには意味なき乳首がいくつあるか数えたら二十三だった。素数。一になるか二十三になるかのどっちかしかないんで、もう一心同体で生きてくしかない。
それでもわたしはどこまでも女であると自認しているし、昨今色々と問題視、敵視されがちな「女性らしい」ことやものが好きだ。
できれば毎日スカートを履いていたいし、ネイルがしたい。
メイクで顔を気軽に変えるのが好きだし、デパートでコスメを買うときめきや高揚感がなくては生きていけない気がする。
ナプキンの個装は無機質、中性的であるよりも蜷川実花コラボとかの方が嬉しい。
推しを見て「顔面国宝」「ビジュが強い」「可愛い」と騒ぎたいし、それで女性ホルモンが活性化されている気がする、活性化したところでっていうのはあるけども。ここでいう「推し」はコニシさんのことではないです、念のため。
女性としての機能を満足に発揮できなかったわたしが、女であることを楽しんで生きていることに大いなる矛盾を感じ、わたしって結局女って名乗っても許されますか。

と、生理前特有の落ちてるのに高いテンションでぐちゃぐちゃと綴ってみたけど、こんなことは脳みそのどっかにある性ホルモンを司る部位には知ったこっちゃないんであって、その性ホルモンに従うしかない子宮や卵巣あんたたちも毎月毎月大変ね、と労ってやってもいいのかもしれないし、女性器抱えて女性を自認して生きている以上、わたしは女以外の何者でもないんだってことも明白。
生理が止まっている期間がないから、子どもを産んでない女は子宮がんだか卵巣がんだかになりやすいって聞いた。
ああ、めんどくせぇ。
結局産んでも産まなくても女というだけで罰ゲーム。本当にどうかしている。

フェイスパウダーが底見えしてきたから、買いに行かなきゃいけないことなんかも思い出している。
DIORを推していたけど、Eleganceのお粉を試したら毛穴が消滅したんでもうパウダーはEleganceしか使えない。
デパコスブランドのLINEのお友達ばっかり増えていくのもなんかめんどくさいし、次にいつ行くかも分からない店から新商品のおしらせが来るのもわずらわしい。
デパコス至上主義だからこうなるんだけど、やはり女子と生まれたからには顔面偏差値に関わらず丁重に扱われる感覚は心地よく、もはやカウンターは合法麻薬なんである。
わたしは化粧品ではなく丁寧にお世話される感覚を買ってるんだ、CANMAKEの何倍ものお金を出して、と気付いたら女って、というか、わたしってめんどくせぇなって思った。
同時にお金を払ってでも素敵に扱われたい願望があるってことは、ホストとか女風とかに手を出したら終わりだなぁ、なるべく人生に関わらせないでおこ、とふんわり決意をして、やっぱりわたしはそんなめんどくせぇ自分が嫌いじゃないので、ゆうべ夏の名残りのペディキュアを落としました。


#実験



あのですね、本当に  #なんのはなしですか  って感じのことがあったのですがまずはこれを見てくれ。
何なら⬆️のエッセイは読まなくていいからこれ見て。嘘。エッセイも読んでほしい。

ある方がわたしのnoteを紹介する動画を作ってくださいました。
えー?!?!?!
こんなこと生きててある?????
DMで「作りました」って言われたとき、時が止まったものね。
「ネタにしていいよ」って言ってくれたけど、こんな素敵なのネタになんてできません。気持ちが嬉しくて、思わずうるうるしたところで再生したらちょっと変な笑顔になりました。
めちゃくちゃ手が込んでるし愛しかないじゃないですか。
noteやってて、書いてて、よかったです。

このイカす動画を作ってくれたのは、復活のノッ友もこぺん氏です。

ありがとうございます。
このお礼は、書くことで。わたしにはそれしかできないけれど、「読めてよかった」と思ってもらえるものが書けるよう、精進します。基本的に役に立たないことばっかり書いているんだけども。
最大級の感謝をもって、もこぺん氏にこの言葉を贈ります。

#どうかしているとしか


そしてこの記事の公開を控えている間に、時空を超えて頂いた創作大賞感想

20代男子という『わたしきゅ』からは最も遠そうに思える方に感想頂けたことが、なんかもうサプライズ感がすごいです。
鳩尾さんの文章、面白いから読んで。本当にすごい書き手がいる。



#なんのはなしですか
#どうかしているとしか