アラフォーになってヒゲが生えてきた

最初の違和感は、夜のスキンケアルーティンのさなかにやってきました。

わたしのナイトスキンケアは、
①ハリや弾力を与えるとされるエクソソームのシートマスク
②毛穴とシミ、シワに抗うべく、ビタミンCとレチノール配合の美容液
③目元のたるみに歯向かうために目元美容液
④そばかす絶対殺すマンの武器・スポット美白美容液
⑤クリームで頬と口元に蓋
というエイジングケア5点セットが基本。
これに、月1回のシェービング、週に1回ヒアルロン酸のニードルパッチ、日焼けしてしまったなと感じる時の塗って寝るマスクを足します。

特に①と②の時には、有効成分を一滴も無駄にすることなく肌に染み込ませたい。
肌表面でビジャビジャしている各種成分を浸透させていくイメージで、両の手のひらで頬やおでこをやさしくおさえていきます。
最初に述べた違和感は、その過程で覚えたものです。

左口角からまっすぐ下におろしたあたり、左あごのわずかに下。
本来なめらかであるはずの手触りなのですが、さり、と少し硬めの感触が指先に伝わってきました。

あれ、角質詰まってるのかな。やだな。
ニキビになる前になんとかしないと……。

そんなことを考えながら、手鏡を取り出し違和感の正体を探ろうと覗き込みました。

いたのです。奴が。
長さ1mmに満たない、しかしながら黒々と主張する、産毛とするにはかなり無理のある、1本の毛……。
こんなもの、今朝までは存在していませんでした。
毛抜きで引っ張ってみると、皮膚の下にはかなりの長さが埋まっていたようで、5mm弱の剛毛が抜けました。

その日から、わたしのスキンケアルーティンにヒゲチェックが加わりました。
おおよそ１週間で毎回同じところからこんにちは、とやってきます。
その度に毛抜きで引っこ抜くという、不毛な争いです。

今からおよそ、1年ほど前の出来事でした。

なぜ、こんなことになってしまったのだろうと今でも考えます。
加齢とともに女性ホルモンであるエストロゲンが減ってきてしまったのでしょうか。
それとも、男性ホルモンであるテストステロンが急に増えてきたのでしょうか。

もしかしたら、BL漫画を読みすぎていることに原因があるのかもしれません。
休日の午後の半分を腐活に費やしていることもあります。
コミックシーモア様ありがとう。しっけ先生大好きです。

美男子同士のちちくりあいを観察しているうちに、紙面から、画面から、テストステロンを浴びすぎてしまったのかもしれない。
BLをやめないと、わたしのヒゲは永遠に発毛し続けてしまうのかもしれない。
それどころか、テストステロンがBLによって自動投与されているということは、頭髪の脱走、声のおっさん化、魅惑のバストの雄っぱい化など、望まない変化が起きてしまう可能性もあります。

腐女子やめますか。女子やめますか。

そんな難題を突きつけられたような気がしました。

結果として、その当時は答えが出せませんでした。
わたしは今、まだ女性としてお洒落やメイクを楽しみたいという欲望と、今になってBLをやめられないという本能のはざまにいます。
毎朝Diorで顔面を塗装しつつ、その一方でずるずるとBL漫画を読み続けています。
先日はついに腐女子用語マニュアルなんかも記事にするようにさえなってしまいました。
かれこれ25年以上続けている腐女子のやめ方が、今更分かりません。

しかし最近は、この仮説はもしかしたら正しいのでは、と半ば確信めいたものがわたしの心の中に芽生えています。
というのも、引っこ抜かなくてはならないヒゲが2本に増え、その収穫の間隔も5日間と発見当初より短くなってきたからです。
これはいよいよ決断を下さないといけない時が近いのかもしれません。

腐女子やめますか。女子やめますか。

この問いは、選ぶ回答によってはわたしの生き方そのものを変えることになりそうです。
答えはまだ出ません。

四十にして惑わず。
あと2年で、わたしはおのれの生き方を「これだ」と定められるようになるのでしょうか。

な
んで
のぞみ
はしない
なぞのひげ
しらないうち
でてきたのかな
すじょうふめいよ
かいしゅうよろしく

私信:ヨッシャマンさん🎩
ピラミッドめっちゃ難しいです。
もうすこし時間をください。
今日はなんのはなしです階段で許してください。

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参加しています。64日め。

きのこたけのこ戦争記事が【示唆に富んだ記事】として紹介されててめっちゃ笑いました
ありがとうございます！