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Never Give Up ー 血と汗と魂のリング
2025年2月24日、有明アリーナで行われたWBA世界バンタム級タイトルマッチ。
王者・堤聖也選手と挑戦者・比嘉大吾選手の戦いは、まさに「Never Give Up」という言葉がさわしい壮絶な一戦となった。
私はボクシングが好きだ。
ボクシングは一夜で成り上がれるスポーツではない。
そこが好きだ。
毎日の厳しいトレーニング、減量との戦い、試合に向けた精神的プレッシャー。
その全てを乗り越えた者だけがリングに立ち、拳を交えることができる。
試合の数分、数ラウンドのために、何年、何十年という時間を費やし、自分自身を磨き続ける。
途方もない作業である。
ボクシングにおいて、商品価値というのは自分自身だ。
勝つか、負けるか。
二択しかない世界において、自分という商品価値を高めていく。
昨日の堤選手と比嘉選手の試合は、まさに死闘だった。
序盤から一進一退の攻防。
比嘉選手は持ち前のパワーで圧力をかけ、堤選手は的確なコンビネーションで対応。
しかし、この攻防で堤選手は怪我を負う。
血まみれになり、TKOにならないのかと、私はかなり気をもんだ。
だが、試合は中断しなかった。
そしてまた、両者がそれを望んだのだ。
中盤に差し掛かると、両者の攻防はさらに激しさを増していった。
そして迎えた9ラウンド。
会場が息を呑む瞬間が訪れた。
比嘉選手が渾身の一撃でダウンを奪った。
しかし、その直後、堤選手は笑顔を見せ、立ち上がったのだ。
そして堤選手の猛攻。
なんと、堤選手がダウンを奪い返したのだ。
観客も総立ちだったと思う。
私も涙しながら画面を、試合を見つめ続けた。
二人は倒れたままでは終わらなかった。
何度でも立ち上がり、最後の力を振り絞って戦い抜く。
それはお互いに対する敬意でもあり、そして自分に対する敬意でもあったと思う。
どんなに厳しい状況でも、最後まで立ち続けること。
『Never Give Up』
ボクシングの魅力はここに詰まっていると思う。
そしてそれは、私の追い求める理想の精神でもある。
諦めないこと、何度でも立ち上がること。
それが本当の強さなのだ。
昨日の試合を見て、改めてそれを感じた。
ゴングが鳴り、二人がお互いを称え合って抱き合った時、私はただただ心を強く揺さぶられた。
ボクシングは、単なる勝ち負けだけの世界ではない。
そこには積み重ねてきた努力、耐え抜いてきた痛み、そしてお互いを認め合う強さがある。
私もまた、自分に問いかける。
「どんなに厳しくても、立ち上がることができるか?」
「自分の信念を貫くことができるか?」
答えは『Never Give Up』。
私は、諦めない心を持つ。
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