43.現実世界は、お互いに知らなくていい
嫌だと思うこと。
誰でも日常のなかに小さいことから大きいことまでいろいろあると思うんですが、このお仕事でお客様からされて嫌だと思うことを考えると、一番は、お客様が突然去ってしまうことです。
想い出は想い出としてきっと忘れはしないけど、どんどん薄れていく……。忘れてしまうのがとても悲しいですね。
あとは、お店のルール外のことをされることです。
たとえば、プライベートについて執拗以上に聞かれること。身バレだけはどうしてもしたくありません。私ひとりが何かを背負っているわけではありません。私の近くにいる大切な人たちにも迷惑がかかってしまいます。
本当の私を知ったところで、何の得があるのだろうか? と思います。
お店のルールとして、プライベートを明かさない。本名や、住んでいる場所、年齢だって話してはいけないことになっています。
ファンタジーがファンタジーであることの、本当の意味を知ってもらいたいと思います。信じるか信じないかは、お客様次第です。
現実世界を知ったとき、あなたはどうしますか?
なんとなく想像しませんか?
何かが変わってしまうのではありませんか?
私たちもお客様のプライベートに必要以上に踏み込みません。
お名前や年齢、住んでいるところなど、私たちに伝えてくれているのが真実だとはかぎりませんが、でも、それでいいんです。
話してくれたことは受け止めますが、そうでないことを知りたいと私は思いません。
プライベートを全部明かしてくれなくたって、お互いの人間性を触れ合わせることはできます。
私はいま目の前にいるあなたを尊重したいのです。
その場の“ファンタジー”をお互い大事にしたいのです。
世の中には、知らなくていいこともたくさんあるのです。
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