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家族や大事な人を亡くした友達へ、どう接したらいいか? 〜遺族側からのアドバイス〜

身近な人を亡くした友達に、どう声をかけたらいいのか、どのように接したらいいのか、わからない人が多いんじゃないでしょうか!

インターネットで調べても、『お悔やみの言葉』は出てくるけど、普段の日常生活でどう気遣えばいいのかわからない人は多そうです。

「亡くなった人の話を振られたら、どう返せばいい?」
「元気そうなんだけど…どう接したらいい?」
「(恋人が亡くなった人に対して)自分の恋愛の話をしていい?」
「(家族が亡くなった人に対して)自分の家族の話をしてもいい?」

などなど……、細かい疑問に答える記事はあんまりなさそうです。


私は三年前婚約者を亡くしたのですが、その時の経験を元に、あくまで〝私だったらこんなふうに扱ってもらえたら嬉しかった〟という例をお話していきます!
また、私の知った経験談なども踏まえて、「一般的にはこうしたほうがいいはず」という答えも、できるかぎり話してみたいと思います。


ちなみに、身内を亡くした立場の者から、「私たちには気を使ってくれ!!」と声高に叫ぶつもりは一切ありません!
この記事は、ただ「大切な友人だから傷つけたくないんだけど、どうしたらいいかな…」と悩んでる方をサポートするための記事です。今読んでいるあなたが、プレッシャーに感じるほど無理に気を使う必要もないと思います…!



①大前提:なにもかも〝人による〟

そんなこと言ったらおしまいだろ!!!と言われそうだけど、まじで【人による】んですよ。

以下に私なりに「こんな対応がいいかなぁ、これはアウトかなぁ」と書いてはみたものの、すべて完璧に当てはまる方はいないと思います。

それぞれの方に地雷があって、それぞれの方に「嬉しい言葉」があります。ですので、あんまり鵜呑みにはせずに、参考程度に読んで欲しいです。


特に、遺族本人の〝悲しみへの対応〟も人それぞれなんですね。ずっと落ち込みつづけて、仕事も家事も何もかも手につかなくなってしまう人もいれば、やつれたように見えて少しずつ頑張ってる人もいれば、何事もなかったように元気な人もいます。

もしかしたら、奥さんが亡くなった次の日に風俗に行ってしまうような方もいらっしゃるかもしれません。(次の日は葬儀等で物理的に不可能かもしれませんがw)

娘が亡くなった直後でも、いつも通り笑顔で近所の方とお喋りをする方もいるかもしれません。なんなら娘の悪口を言う親もいるかもしれません。

意味がわからないかもしれませんが、本当にいろいろな対応があります。これは②でお伝えしますが、この〝さまざまな悲しみへの対応〟と同じように、「こうされたら嬉しい/悲しい」も人それぞれだと言うことです。


(もし貴方が「身近な方が亡くなった方」だととしたら、私なりにまとめた以下の内容と違うところがあっても、気にしないでくださいね…! よければそっとコメントで「私の場合は○○なんです」と書いておいてくれたら、他の方の参考になると思います)


②「大事な方が亡くなったあとは、みんな落ち込んでやつれていくの?」

答えはNOです。

みんなが落ち込むわけではありません。というか、「落ち込んでいる姿を人に見せるわけではない」というのが正しい言い方です。

前にTwitterでとある奥さんのツイートが炎上していました。旦那さんが突然亡くなったらしいのですが、亡くなった直後に冗談のようなツイートをしたり、全然元気そうなツイートばかりしているのを見て、「やっぱり旦那を愛してなかったんだなw ただの金づるかよw」みたいなコメントが溢れかえっていました。
(過去の旦那さんが生きていた頃のツイートに、奥さんが旦那さんをATMっぽく扱っていたような(?)発言があったことも踏まえて、そのような批判があったみたいです)

この奥さんのことは私は知りませんし、生前、もしかしたら本当に、旦那さんをATMっぽく扱っていたのかもしれません。

ですが、仮にも愛を誓い合った結婚相手が死んで、平気でいられる方はいないと思います。どんなにお金目的で結婚したとしても、数年間でも夫婦として暮らしていれば、同じ家で生活していれば、絶対に何かしらは思いがあるはずです。(このTwitterの夫婦は子供もいたようですので、より、〝何かしらの思い〟はあったと思います)


大事な方が死んだ後、身近な方が死んだ後、
到底〝そう〟とは思えないような行動をする人がいます。

さっき例に挙げたように、奥さんが亡くなったのに風俗に行くだとか、死んだ人の悪口を言うとか、死んだあとでもケロッとしてジョークを言うとか、普通に笑って過ごしているとか、

普通では考えられないような行動をする方がいるかもしれません。

ですが、どの方も傷ついています。


あまりに大きすぎる悲しみに対して、人間はさまざまな防衛本能を取ります。

私の場合は、彼氏のことは一切思い出さないようにすることにしました。思い出の品や写真は今もありますが、それを見返したことはありません。そもそも思い出そうとすることすらありません

ですが、亡くなった直後は、自分の部屋で泣き叫んで神様にキレちらかしていました笑。「彼氏を返して」とか、「時間を戻して」とか、胸が本当に引き裂かれるくらい泣いていました。

でも、彼氏の写真は見返さないし、思い出の品も放置してあります。この前は彼氏のコートを捨てました。
婚約者が亡くなって3ヶ月後には、マッチングアプリを入れて新しい恋人を探す努力をしました(結局あれからできてませんが笑)

でも、私は本当に辛かったし、悲しかったです。


たとえあなたが一切理解できない行動を取っていたとしても、親や兄弟、恋人、パートナー、などなど、身近な方を亡くした人は(たとえその方に愛以外の複雑な感情を抱いていたしても)、確実に物凄いストレスが心にかかっています。
そのストレスからなんとか逃れるため、どうにか緩和するために、普通の人には理解できない行動をしてしまうのです。

(【身近な方】の定義は私にはできませんが、上記に述べたような続柄以外でも、同棲していた方とか、親友とか、幼馴染とか、もちろん祖父母や孫の場合も当てはまるかもしれません。この辺りも人それぞれです…)


私は、Twitterで見かけた奥さんが、亡くなった直後でもジョークを言える気持ちがわかります。実際、私も人前では"普通に"笑っていたからです。

私の場合は、おそらく、「死んだことを大したことない」と思いたいんだと思います。あえてその事象を自分の中で軽く扱うことで、深くその問題に関わらないようにするというか、さらっとやり過ごそうとしているんだと思います。
「これまで通り私はできている」と思い込むために、軽い冗談を言ったり、笑ったりするのかもしれません。

亡くなった方の悪口を言っている方がいたとしたら、それは、「死んだけど大したこと無かった。別に死んでも平気だったわ」と、なんとか自分に言い聞かせたいからかもしれません。もしかしたら本当に、亡くなった方にも悪い所があったのかもしれません。その悪い所をたくさん挙げることで、「まぁ死んでもよかったな」と、無理やり納得させようとしているのかもしれません。
本当は悲しいし、死んで欲しくなかったけど、「死んで欲しくなかった」と思えば思うほど涙が止まらなくなるから、「死んでも良かった理由」を挙げ連ねているのかもしれません。

恋人が死んだばかりなのに、私のようにマッチングアプリで新しく恋人を探したり、奥さんが亡くなった直後に風俗に行く旦那さんがいるかもしれません。
すごく大事な存在だからこそ、その存在の空いた穴を何とか埋めようと、必死になっているのかもしれません。風俗という軽い関係であるからこそ、心の内を話せると思ったのかもしれません。

大事な方が亡くなった経緯を、ただ淡々と冷静に、もしくは冗談のように、笑い話のように話す人がいるかもしれません。亡くなってしまったという絶望から逃れるため、あえて自分の身に起こったことを画面の向こうから見ているような、客観視して自分の感情が入らないようにしているのかもしれません。人前で泣いたり怒ったり、感情を顕にしたくないのかもしれません。

私はあくまで一例をお伝えしただけですし、その対応に対する〝それぞれの方の思い〟も、私なりの予想を書いただけです。本当の心の内は、その人それぞれで違います。大事な方の亡くなり方も違うし、その方とどうやって関係を築いていたのかも違うし、いつ亡くなったことを知ったのかも違うし、何もかもが人それぞれに違いがあるからです。

ですが、本当に〝身近な方〟が亡くなった方は、絶対に傷ついているはずです。

「○○してるから、悲しみは大したことないんだ」
「そんな傷ついてないんだ」
「むしろ最低なヤツだ」

これだけは違うと、言わせてもらえると嬉しいです…!!
(もちろん犯罪に走ったりするのは良くないことですが…)



③「元気そうでよかった」はほぼ禁句

身近な方が亡くなった人にかける言葉として、
私の経験上、「元気そうでよかった」系は基本言わない方がいいです。

「普段通りに学校に来てくれてよかったよ!」
「ご飯も普通に食べられてよかった!」
「だんだん立ち直ってるのかな〜と思うと嬉しい!」
「○○みたいな新しい挑戦もしてて、ちゃんと乗り越えてるんだね…!」

似たようなことは私も言われたことがあります。言われても、怒ることはありません。言ってきた人に対して、「酷い!」と思うこともありません。
悪意がないのはわかるし、本当にこっちを慮って、優しく声をかけてくれてるのはわかるからです。

でも本音で言うと、できれば言わないでほしいな、と思います。


「元気そうでよかった」系は、言われてしまうと

「元気に振る舞ってるだけで全然立ち直ってないよ…」
「新しい挑戦って言うけど、必要に迫られてやってるだけだよ…」
「ご飯食べないと生きていけないからね。いくら悲しくてもお腹は減るんだ」
「○○しないとむしろ悲しみで押しつぶされそうなんだよ…」

とか、反対意見のような感想がいろいろ出てきます…。

私は、「この人は嫌味で言ってるわけじゃない、むしろ気を使って言ってくれてるんだ」と思いますし、仲の良い友人同士なら特に、これで怒ったり嫌ったりすることはないと思います。

むしろこっち側が「『そんな事言わないでくれよ!!!』と強いるのは、きっと傲慢なのだろうな」と思っています。

ですがこの記事を読んでいる方は、「本当にちゃんと気を使って接したいんだ、絶対傷つけたくないんだ」と思っているのかもしれないと思いました。そこで、ひとつ提案してみた次第です。


立ち直っているかどうかは、本人にしかわかりません。もちろんもっと深い話をする関係で、 これまでの経緯を具に聞いているのであれば、明確に「最近元気になってきたね!」と言えるのだと思いますが、表面的な態度だけで決めない方がいいと思います。

美味しく元気にご飯を食べてる人を見て、「美味しそうに食べるね〜!」とか、楽しくショッピングをしているときに、「今日は楽しいね〜!」とか、そういう発言は大丈夫だと思います。

元気そうにしていたら、普通に一緒に元気に話せばいいのです。悪口や冗談で盛り上がっていたら、普通にそのままお喋りを楽しめばいいのです。
あくまで向こうから切り出さない限りは、「身近な人が亡くなったという事件」自体を持ち出さないようにしておきましょう。

とりあえず「今までと比較する発言」みたいなものをしなければ、基本大丈夫です。『身近な人が亡くなった話』に繋がるような話し方をしなければ、大丈夫です!!



④「恋人を亡くした人に、自分の恋人の話をしてもいい?」

これの派生で、「家族を亡くした人に、自分の家族の話をしてもいい?」とか、色々あるのですが……

無難なところを責めるなら、できればやめたほうがいいです。特に亡くなってから一年以内は、話に出さないほうがいいと思います。

自分が恋人と喧嘩をしたとか、家族内で揉め事があったとか、マイナスよりな事件の話だとしても、伝えない方がいいです。

なぜなら、マイナスな事件の話でも、

「死んでないだけいいじゃん」

と思うかもしれないからです……。

もちろんこれも、こっち側の考えが捻くれてるのは百も承知なのです。私も含め、相手が悩んでいることがあれば、できれば寄り添いたいし、相談に乗りたいし、一緒に話したいなと思います。実際、そうできることも多いです。
ですが、タイミングによっては相談を受ける心の余裕がなかったり、友達と話し終わったあとに悲しみがぶり返してきたりしてしまいます。その時に、友達のことを悪く思いたくないのです。「生きてるだけいいじゃん!」なんて心の中だとしても思いたくないと、思ってしまいます。
また、身内が死んだ話と近い会話が起こる以上、悲しみを思い出し、平静でいられなくなってしまう方がいるかもしれません。

もし「気遣ってあげたいんだ!!!」という方がいたら、こういう話は避けてくれると凄く嬉しいです。


ただ、どうしても話さなければいけない場面はあると思います。

「親友なのでどうしても話しておきたい」
「あとで知らせるのも、それはそれで置いてけぼりにしているようで申し訳ない」

などなど…。

その時は、初めに相手に断ってあげると、その方はすごく有難いと思うし、安心すると思います。

「自分の恋人の話がしたいんだけど…しても大丈夫かな?」
「家族の話をちょっとしたくて……大丈夫?」

と、一言声をかけるだけで大丈夫です。「大丈夫?」と聞くだけで、たぶんすぐになんの事かピンとくると思います。
大抵の場合は、「大丈夫だよ!」と言ってくれると思います。

マイナスよりの話題の場合は、そのまま話して大丈夫です。ただこれまで通り相談にのってもらうという前提で話すよりも、「親友だから現状報告だけでもしたかった」等、なるべく負担のない話にするといいかもしれません。

喜ばしい話題の場合は、もしできるならば、「ハッピー&幸せ!!!」みたいな雰囲気を、あんまり出さない方がいい……かもしれません。
この辺りは、相手の反応を見つつ、少しずつ話していくのがいいのかもしれません。この記事をわざわざ読んでいて、「相手を気遣ってあげたい」と思っている貴方ならば、何も問題なくお話ができると思います。

話しづらいなと思ったら、先にLINEなどのメッセージで、どんな話をする予定なのか伝えておくのも手かもしれません。口頭で話したり通話で話したりするよりも、向こうの方が気持ちを整理して話を聞けると思います。

身内を亡くした側だって、幸せな話をすべてシャットアウトしたいと思ってるわけではないと思います。友達の家族の話、恋人の話、結婚の話、そういったものすべて聞きたくないと耳を塞ぎたいわけではないはずです。
友達へのお祝いごとも、できればしたいと思っているかもしれません。

ですが、「どうしても思い出してしまって辛い」という感情が、どこかに少し残ってしまうんですよね。
だから、相手が気を使って話してくれていたり、最初にちょっと断りを入れてくれたりしたら、きっと凄く有難いと思ってくれるんじゃないでしょうか…!!

ちなみに私も、ここ三年のあいだに、子供ができた友達にお祝いのプレゼントを渡したり、結婚した友達へのお祝いでエスコートカードを作ったりしました✨

ですので、そんなに怯えなくても大丈夫です。
思いやりさえあれば、何も問題なく受け入れてもらえると思います。


ただ、仮に相手が「思ったより喜んでくれなかった」「あんまりお祝いしてくれなかった」としても、ここは、ぐっと我慢してください……。きっと、その人なりには頑張っているとは思います。

本来なら、「世の中の幸せ全てが憎い」とまで思うことがあるくらいの絶望を背負っている場合があります。それでも、大事な友達の話だったら、「幸せになって欲しい」の気持ちが少しずつ上回るのです。
あなたが期待するほどの大きな対応は取れないこともあると、少し考慮しておいてもらえると、こちら側は嬉しく思います。



⑤「亡くなった人の話を振られたら、どうしたらいい?」

これは本当に難しいですよね…。

「亡くなった人の悪口を言っている子に、同じように悪口で返したら微妙に傷ついていた」とかもあるかもしれませんし、逆に悪口を否定したら不快に思う人もいるかもしれません。

泣いて落ち込んでいるから、励まして前を向けるようにサポートしたはずが、なんだか逆に落ち込ませてしまった、みたいなこともあるかもしれません……。

これは、あなたは悪くないです。(あなた=身内を亡くした人への接し方で悩んでいる人)

その方の心の問題ですし、あなたが上手く答えられないのは本当にしょうがないことだと思います。あまりにも複雑な問題すぎて、人それぞれ考えが違いすぎて、正解がありません。
きっと「亡くなった人の話を振ってきた本人」も、なんて答えて欲しいのかわからないまま、会話を始めたのかもしれません。


これに関しては、普段通りのあなたでいていいと思います。
わざわざ話を振ってきたのなら、少なからずあなたを大事に思っていて、大切な心の内を話してもいいと思った方なのだと思います。ですので、今まで通りの対応でいいと思います。そういうあなたが好きなんじゃないでしょうか。

それで仮に相手が少し気分を害してしまったとしても、正直に仕方の無いことなので、あまり気に病まないでほしいです。それで「あなたとなんて縁を切るわ!!」とまで逆上する方は、さすがにいない……はずです……!!😭😭



一旦私が思いつく大雑把な質問はこんなところでしたので、記事を終わります。何か付け足しや、さらなる質問があればぜひお待ちしております。

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