2ヶ月で30万貯金した。
「身銭を切って文化を手に入れろ」という言葉がすきなわたしは、意識して貯金したことがなかった。
お金があれば酒を飲みに繁華街に出る。カウンターの席に座って、店主や隣のお客さんと話す。
パーソナルジムに通ったり、コスメカウンターに出向いてすこし高い化粧品を買ってみたり、良い洋服を買ってみたりもする。
すきなアーティストのライブにもいく。応援の一環としてグッズを買うこともある。
お金を使って行動を起こすことで、何かと化学反応が起きる。自分に変化が起こる。そういうことが大事だと思って生きてきた。だから、行動を制限してまで貯金しようと思ったことがなかった。
今回初めてまともに貯金をしたきっかけは、身近な人にお金の使い方を考えた方がいいと指摘をされたからだった。
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6月にボーナスが出た。
そのボーナスを全額注ぎ込んでロードバイクを買った。
異動先の現場が合わなくて塞ぎ込みかけていた自分を救うために、ロードバイクに乗るという文化を買ったつもりだった。
塞ぎ込んでいるよりよっぽどプラスでポジティブな行動だと思った。
でも、安定志向のその人には随分ガサツなお金の使い方だと思われたらしい。
貯金もないのに、熟考もせずに高価なものを買うというのが信じられないというふうだった。
実家の太いきみはお金に困ったことがないんだな、というようなことすら言われた。
ムッとしたけど、ムッとしたということは痛いところを突かれたということだ。
たしかに、蓄えがなくて苦しんだ経験もある。貯金していればよかったと思ったこともある。
で、貯金してみることにした。
給料日がきたら貯金用口座に給料の半分くらいを突っ込む。次の給料日には、前月使わずに残った分と、さらに今月の給料の半分くらいを突っ込んだ。
そしたらけろっと、口座の残高は30万になった。
いまのところ、使うあてのない30万。
気づいたらたまってしまった30万。
次に欲しい文化を見つけたとき、それを手に入れるための手段にしよう。
そう思って、とりあえずまだ続けてみます、貯金。